以前の記事の続きです。
今年の入試問題より時計算の第3回です。
その1(桐光学園2024)
時針の長針と短針が重なってから、次にまた重なるのは1時間▢分後です。
- 時計の両針が重なっているところから次にまた重なるまでに長針は短針より1周分の360°多く進む必要がある
- 長針は分速6°、短針は分速0.5°で進むから速さの差は毎分5.5°
- そこで距離360°を長針が短針に追いつくときの追いつき算を考えると 360÷5.5=360ײ⁄₁₁=⁷²⁰⁄₁₁=65⁵⁄₁₁=1時間5⁵⁄₁₁分かかる
よって ▢=5⁵⁄₁₁
その2(広尾学園2024)
時計の長針と短針について、4時と5時の間で長針と短針が反対向きに一直線になるときの時刻は4時何分か求めなさい。
- まず4時ちょうどを考えると両針は時計回りに120°はなれている。ここから「長針と短針が反対向きに一直線になる」には長針は短針より(120+180=)300°多く進む必要がある
- 長針は分速6°、短針は分速0.5°で進むからその差は毎分5.5°
- そこで距離300°を長針が短針に追いつくときの追いつき算を考えると 300÷5.5=300ײ⁄₁₁=⁶⁰⁰⁄₁₁分かかる
よって4時と5時の間で両針が反対向きに一直線になるのは 4時⁶⁰⁰⁄₁₁分
その3(駒場東邦2024)
現在、時計の針は10時[力]分[キ]秒を指しています。長針と短針のつくる角度が現在と20分後で変わらないとき、[力]、[キ]にあてはまる数を(カ,キ)の形ですべて答えなさい。ただし、キの値(あたい)は分数(ぶんすう)で答えなさい。
「長針と短針のつくる角度が現在と20分後で変わらないとき」というのはそのちょうど半分すぎた10分後に注目して
- 両針が10分後に一直線になっている
- 両針が10分後に重なっている
ような時刻が現在の時刻となる。
そこで10時台で両針が①一直線になる時刻、②重なる時刻からまず求めると
- 一直線になる時刻…まず10時ちょうどで両針は時計回りに300°はなれている。この角度が180°になればよいから(300-180=120 より)距離120°の長針(分速6°)と短針(分速0.5°)の追いつき算を考える。すると 120÷5.5=120ײ⁄₁₁=²⁴⁰⁄₁₁分かかるから両針が一直線になるのは10時²⁴⁰⁄₁₁分…①
- 重なる時刻…こんどは(両針の角度が0°になるということで)300°の追いつき算を考えると 300ײ⁄₁₁=⁶⁰⁰⁄₁₁分かかるから両針が重なるのは10時⁶⁰⁰⁄₁₁分…②
- したがって①②が10分後の時刻だからその10分前をそれぞれ求めると①10時²⁴⁰⁄₁₁分-10分=10時¹³⁰⁄₁₁分=10時11分⁵⁴⁰⁄₁₁秒、②10時⁶⁰⁰⁄₁₁分-10分=10時⁴⁹⁰⁄₁₁分=10時44分³⁶⁰⁄₁₁秒
よって(力,キ)=(11, ⁵⁴⁰⁄₁₁)(44, ³⁶⁰⁄₁₁)