以前の記事の続きです。
今年出された数の性質の問題の第6回です。
その1(大妻2024帰国)
4を加えると7の倍数になり、3を引くと10の倍数になるような2けたの数を求めなさい。
ある数に「4を加えると7の倍数になり、3を引くと10の倍数になる」様子を線分図にしてみる。するとここでできる7の倍数と10の倍数とは4+3=7はなれているのがわかる。
となるとこの10の倍数は7の倍数でもあることがわかり、そのような2けたの数は70だけ
よってある数は70+3=73
その2(鎌倉学園2024)
十の位の数が5である3けたの整数があります。各位の数の和は一の位の数の2倍で、また、百の位の数とーの位の数を入れかえた数は、もとの数の2倍より36大きいです。もとの整数は▢です。
- 「十の位の数が5である3けたの整数」で「各位の数の和は一の位の数の2倍」のものを書き出すと156、257、358、459の4つ
- この4つに対応する「百の位の数とーの位の数を入れかえた数」はそれぞれ651、752、853、954。このうち「もとの数の2倍より36大きい」ものは954
よってもとの整数▢は 459
その3(駒場東邦2024)
①[ ]にあてはまる1以上の整数の組は何個ありますか。
11×[ア]+23×[イ]=2024
2024を素因数分解すると 2×2×2×11×23 だから2024は23で割り切れる。そこで問題文にある式を23で割ると
¹¹⁄₂₃×ア+イ=88
- ここでイは1以上の整数だから「¹¹⁄₂₃×ア」も同じく1以上の整数。そうすると分母の23が消えるようにアは23の倍数でないといけない
- つまりアは23×1、23×2、…、23×7の7個(これらに¹¹⁄₂₃をかけるとそれぞれ11、22、…、77となる)。そしてそれぞれのアに対応するイが1つだけ決まる
よってこのような整数の組は7個
いわゆるいもづる算ですが、このように左辺に1つだけ分数が残るところまで割ってしまうという発想が役に立つことも多いです(過去記事)
②[ ]にあてはまる1以上の整数の組を1つ答えなさい。
8×[ウ]+11×[エ]+23×[オ]=2024
同じくこの式を23で割ると
⁸⁄₂₃×ウ+¹¹⁄₂₃×エ+オ=88
- ここでオは「1以上の整数」だからこれと足して合計88(整数)にするには「⁸⁄₂₃×ウ」「¹¹⁄₂₃×エ」のどちらも整数になるようにするのが簡単(答えは1つ見つければよいので)
- そこで分母の23が消えるような最も小さい数 ウ=23、エ=23 で考える。このとき 8+11+オ=88 より オ=69
よって ウ=23、エ=23、オ=69