植木算⑧ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の入試問題より植木算の第2回です。

 

  その1(神奈川大学附属2024第2回)

 

まっすぐにのびた道路のA地点からB地点まで等しい間隔(かんかく)で街路樹を植えます。間隔を5mにすると9本不足し、7mにすると9本余ります。ただし、A地点とB地点にも街路樹は植えるものとします。
⑴ 街路樹は何本ですか。
⑵ A地点からB地点までの距離は何mですか。

 

右矢印右矢印右矢印

  • 間隔の長さと数は反比例するから、間隔5mのときにできる間隔の数を⑦コとすると間隔7mのときにできる間隔の数は⑤コ
  • すると間隔5mのときに必要な木の本数は(⑦+1)本で、間隔7mのとき必要な本数は(⑤+1)本。その本数の差は②本
  • そして間隔5mのときの「9本不足」と間隔7mのときの「9本余り」の差は18本
  • したがって ②=18 より ①=9
よって間隔5mのときで考えて
⑴ 街路樹の本数は ⑦+1-9=55本
⑵ AB間の距離は 5×⑦=5×63=315m

 

 

  その2(清風南海2024)

 

ボタンを押(お)すと一定の時間ごとに音がなるタイマーAとタイマーBがあります。AとBのボタンを同時に押しました。すると、36分後にAの5回目とBの10回目の音が同時になりました。ただし、AとBのボタンを同時に押した時に音がなり、その音を1回目とします。
①Aの40回目の音がなるのはボタンを押してから何時間何分後ですか。

 
右矢印AとBのボタンを同時に押した時…の音を1回目」としてその「36分後にAの5回目」の音がなった。
  • Aについて1回目(0分後)と5回目(36分後)の間かくの数は4(=5-1)で5回なるまでに36分かかったからAの音は9分間かく(=36÷4)
  • このAの5回目の音がなったとき(36分後)を基準に考えると、40回目の音がなるまでにあと35回(=40-5)音がなる。それには 9×35=315分かかる
よってAの40回目の音がなるのは 36+315=351分後 だから 5時間51分後
 

②AとBの音を合わせて40回目の音がなるのはボタンを押してから何時間何分後ですか。ただし、同時に音がなるときは1回と数えます。

 

右矢印右矢印右矢印

 

❶まずBの音の間かくを同じように求めると

  1. AとBのボタンを同時に押した時…の音を1回目」としてその「36分後に…Bの10回目の音」がなった
  2. 1回目(0分後)と10回目(36分後)の間かくの数は9で10回なるまでに36分かかったからBの音は4分間かく(=36÷9)
❷そして36分後に何回の音がなったかを考えると
  • この36分間でなった音の回数はAが5回でBが10回。そのまま足すと15回
  • だが「同時に音がなるときは1回と」数えるのでAとBが同時になった0分後と36分後はどちらも1回と数えることとなる。つまり36分後までになった音は 5+10-2=13回
 
❸またこのあと36分ごとに何回ずつ音がふえるかを考えると、A(9分間かく)が4回、B(4分間かく)が9回なるが(9と4の最小公倍数36より)最後の1回は必ず同時になるから 4+9-1=12回
 
❹こうして36分後に13回目、72分後に25回目(=13+12)108分後に37回目(=25+12)の音がなるのがわかる
 
よって、この108分後からあとは地道に数えていくと
  • 4分後にB(38回目)
  • 8分後にB(39回目)
  • 9分後にA(40回目)
がなるので、40回目の音(Aの音)がなるのは 108+9=117分後=1時間57分後 完了