以前の記事の続きです。
今年出題された年令算の問題の第4弾です。
その1(日本女子大学附属2023)
現在、さくらさんと妹の年令の和の3倍が母の年令と等しいです。また、24年後にはさくらさんと妹の年令の和が母の年令と等しくなります。現在、母は何才ですか。
現在の「さくらさんと妹の年令の和」を①才とすると
- 現在の母の年令は③才。24年後は(③+24)才…❶
- 24年後の「さくらさんと妹の年令の和」は(①+24×2)才…❷
- ❶❷が等しいから ③+24=①+24×2 より ②=24 だから ①=12
よって現在の母の年令③は 12×3=36才
その2(東京都市大学付属2023第2回)
今から8年前、母の年令は子の年令の7倍でした。また、今から18年後、母の年令は子の年令の1.8倍になります。現在の母の年令は▢才です。
8年前の子の年令を①才とすると
- 8年前の母の年令は⑦才。18年後の母の年令は(⑦+26)才
- 18年後の子の年令は(①+26)才
- 「18年後、母の年令は子の年令の1.8倍に」なる。比にすると 子:母=1:1.8=5:9 となるから (①+26):(⑦+26)=5:9。ここから ㉟+130=⑨+234 より ①=4
よって現在の母の年令は
⑦+8=28+8=36才
その3(大妻2023)
Aさんの父は母より2歳年上で、妹が生まれたときAさんの年齢は母の⅕でした。現在、父の年齢は妹の5倍で、4人の年齢の合計は100歳です。妹が生まれたのは、Aさんが何歳のときでしたか。
合計年齢がわかっているときは具体的な年齢で考えてみるとうまく行くことが多い。そこで「現在、父の年齢は妹の5倍で、4人の年齢の合計は100歳」をヒントに考えてみると
- いま妹が10歳とすると父は 10×5=50歳。「父は母より2歳年上」だから48歳。だがこれだと合計100歳をゆうに超えてしまう。
- 妹が9歳とすると父は45歳。母は 45-2=43歳。だがこれでも3人あわせて 9+45+43=97歳 となってしまい、ここにAさんをあわせるとこれも合計100歳を超えてしまう。
- 妹が8歳とすると父は40歳。母は38歳。このときAさんは 100-8-40-38=14歳。あとは「妹が生まれたときAさんの年齢は母の⅕」となっていれば条件に合うが、妹が生まれた8年前たしかに母は30歳、Aさんはその⅕の6歳とすべて条件に合っている。
よって妹が生まれたのはAさんが6歳のとき
その4(星野学園2023理数第2回)
あおいさんは両親と兄と弟の5人家族です。父は母より4才年上で、現在、家族の年令の和は116才です。5年後、あおいさんを除いた家族4人の年令の和は124才になります。このとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ あおいさんの現在の年令は何才ですか。
「現在、家族の年令の和は116才」なので5年後の家族全員の和は(5人とも5才ずつ年をとるから)116+5×5=141才
とすると「5年後、あおいさんを除いた家族4人の年令の和は124才」だから5年後のあおいさんの年令は 141-124=17才
よってあおいさんの現在の年令は 17-5=12才
⑵ 10年前に弟は生まれていなかったので、家族の年令の和は68才でした。現在、弟は何才ですか。
「現在、家族の年令の和は116才」なので10年前の家族全員の和は(5人が10才ずつ若くなるから)116-10×5=66才 のはず。
だが実際には「家族の年令の和は68才」だった。この差2才はまだ生まれていない弟の分まで引いてしまったため。
よって弟は10-2=8年前に生まれたとわかり、現在弟は 8才
⑶ 10年前、父の年令は子ども達の年令の和の4倍でした。両親の年令の和と子ども達の年令の和が4:3になるのは、現在から何年後ですか。
10年前あおいさんは2才(小問⑴)で弟はまだ生まれていない(小問⑵)ので「子ども達」とはおあいさん(2才)と兄(①才とする)の2人のこと。
そこで10年前の年令を考えると
- 「子ども達の年令の和」は①+2
- 「父の年令は子ども達の年令の和の4倍」より父の年令は (①+2)×4=④+8
- 「父は母より4才年上」だから母の年令は④+4
そして「10年前…家族の年令の和は68才」(小問⑵)だから10年前の家族の年令の和で式を作ると
①+2+④+8+④+4=68 だから ①=6才
こうして現在の年令が次のように決まる
- 父…④+18=42才
- 母…42-4=38才
- 子ども達…兄が16才、あおいさんが12才、弟が8才
現在から▢年後に「両親の年令の和と子ども達の年令の和が4:3になる」とすると、