以前の記事に関連する話です。
今年の入試問題から数の性質にかかる問題です。
出題例はそう多くないですが、大手塾の演習問題集にこの類題はよくのっているので、他の受験生と差をつけられないためにもその考え方をおさえておきたい問題です。
★は4以上の整数です。和が★となる2つ以上の整数の組み合わせを考えて、その数の積が最も大きい数字を【★】で表します。例えば、【4】の値は次のように考えます。
和が4になる整数の組み合わせは以下の①〜④です。
① 1+1+1+1=4 なので、(1,1,1,1)
② 2+1+1=4なので、(2,1,1)
③ 3+1=4なので、(3,1)
④ 2+2=4なので、(2,2)
①の数の積は1×1×1×1=1となります。
②の数の積は2×1×1=2となります。
③の数の積は3×1=3となります。
④の数の積は2×2=4となります。
積が最も大きい数は4になるので、【4】=4になります。次の問いに答えなさい。(甲南中2023)
⑴【5】を求めよ。
例題にある①~④をヒントに次のことがわかる
- 2は(1+1にわけるより)そのまま使う方が積は大きい(①②)
- 3は(2+1にわけるより)そのまま使う方が積は大きい(②③)
- 4は(3+1にわけるより)2+2にわける方が積は大きい(④)
よって5=3+2にわけるとき積が最も大きくなり【5】=3×2=6
⑵【6】を求めよ。
小問⑴よりわかるのは
❶3と2にわける(1は使わない)とき積は最大になる
❷しかも(6=3+3と6=2+2+2を比べると3×3の方が大きくなるから)できるだけ3を使った方が積は大きくなる
❸ただし、3の倍数でない数のとき、あまり部分は
- あまり2ならそのまま2を使うが
- あまり1ならあまり4の形にもどして(3+1ではなく)2+2にする
ときに積は最大になる
この規則性*を使うと(3の倍数なので❸は考えなくていいから)6=3+3にわけるとき積が最も大きくなり
【6】=3×3=9
*その証明は高校数学になるようですが、このように3がカギとなるのは自然対数の底e=2.71828⋯が関係しているようです。
⑶【15】を求めよ。
15は3の倍数なので(❸は考えなくていいから)できるだけ3を使う形で
15=3+3+3+3+3
とわける。これをそのままかけ算したものが最大となり
【15】=3×3×3×3×3=243
⑷【★】=729となる★を求めなさい。
729を素因数分解すると
729=3×3×3×3×3×3
とちょうど3だけの積の形になっている。
できるだけ3を使う形にもうなっているから、もとの数★はそのまま足し算して
★=3+3+3+3+3+3=18