鉄橋とトンネル② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の入試問題から鉄橋とトンネルを使った通過算の第2弾です。

 

  その1(和歌山信愛2023C)

 

ある列車が、毎秒24mの速さで長さ650mの鉄橋をわたるとき、35秒間橋をわたる音が聞こえていました。この列車の長さを答えなさい。

 

右矢印 まず「35秒間橋をわたる音が聞こえて」いたというのは鉄橋をわたり始めてからわたり切るまでに35秒かかったということ。

  • このとき走った距離は「鉄橋+列車の長さ」
  • 毎秒24mの速さ」で35秒走ると列車は 24×35=840m進む
よって列車の長さは「鉄橋+電車の長さ」840mから鉄橋の長さ650mを引いた 190m

 

 

  その2(神戸国際2023B-1)

 

一定の速さで走る電車があります。長さ1000mの橋を45秒で渡り終え、長さ1500mのトンネルに入りはじめてから65秒で出ました。次の各問いに答えなさい。
⑴ この電車の速さは、時速何kmか求めなさい。

 

右矢印長さ1000mの橋を45秒で渡り終え、長さ1500mのトンネルに入りはじめてから65秒で」出るというのは「橋+電車の長さ」を45秒、「トンネル+電車の長さ」を65秒で走ること。

2つの差に注目すると「トンネル-橋の長さ」=500mを20秒で走ることがわかる。

よって (1500-1000)÷20=秒速25m より

 25×3600÷1000=時速90km

 

⑵ この電車の長さは、何mか求めなさい。

 

右矢印「橋+電車の長さ」をこの電車(秒速25m)が走ると45秒かかるから

 秒速25m×45秒=1125m

よって電車の長さはここから橋の長さ1000mを引いて 125m

 

⑶ この電車がA駅を8時50分に出発し、途中信号で1分30秒停止し、B駅に9時5分に到着しました。A駅とB駅の間の距離は何kmか求めなさい。

 

右矢印 かかった時間は 9時5分-8時50分=15分

ここから途中停止した1分30秒を引くと 13分30秒=810秒

よってA駅とB駅の間の距離は

 秒速25m×810÷1000=20.25km

 

 

  その3(開智中(和歌山)2023)

 

下のグラフは、電車Aと電車Bが同じ鉄橋をわたり始めてからわたり終わるまでの時間と、鉄橋上を通過しているそれぞれの車りょうの長さとの関係を表したものです。このとき、次の各問いに答えなさい。ただし、電車A、Bの速さは一定とします。

⑴ 電車Bは秒速何mですか。

 

右矢印 グラフより6秒で135m走っているから

 135÷6=秒速22.5m

 

⑵ この鉄橋の長さは何mですか。

 

右矢印 グラフより車両の先頭を基準にすると0秒後に鉄橋をわたり始め、20秒後に鉄橋の反対側に到着したことがわかる。

よって 22.5×20=450m

 

⑶ 電車A、Bが鉄橋の両端から同時にわたり始めたとします。このとき、鉄橋をわたり始めてから、電車Bの先頭が電車Aの最後尾にちょうど重なるまでに何秒かかりますか。

  1. グラフより電車Aは75mを6秒で走っているから 75÷6=秒速12.5m
  2. またグラフより電車Aは長さ75m
  3. 鉄橋をわたり始めてから、電車Bの先頭が電車Aの最後尾にちょうど重なるまでに」2つの電車が走る距離の合計は「鉄橋+電車Aの長さ」でこれは 450+75=525m

よって電車A(秒速12.5m)と電車B(秒速22.5m)との距離525mの出会い算を考えると

 525÷(12.5+22.5)=15秒 完了