以前の記事の続きです。
素数を求める問題が出たときには(名前なんか気にせず使っている小学生も多いはずですが)「エラトステネスのふるい」という考え方を使います。英語では「Sieve of Eratosthenes」と言うらしいですが、sieveをアマゾンで検索するとたしかにこんな商品が出てきます。
エラトステネスは古代ギリシアの科学者で、棒の影を利用して地球の全周を約46,250kmと考えたことでも有名。日本は弥生時代、中国は「キングダム」の時代に、すでに地球が丸いことはもちろん、その全周までほぼ正確に知っていたというのはあらためて驚きです。
実際につぎのような入試問題でこの「エラトステネスのふるい」を使って素数をふるい出すことになります。
パターン①(横須賀学院中2021・一次B)
50以上70未満の素数は▢個あります。
50から69までの横6列の表を書き、素数の倍数を小さい方から順に消していく。
2の倍数(タテ赤線)、3の倍数(タテ青線)、5の倍数(ナナメ赤線)、7の倍数(ナナメ青線)と消していく。
本問ではそのあとの11以降の素数の倍数については考えなくていい。調べる対象に11×11=121以上の数字があればこれも考える必要が出てくる。
こうして残った53、59、61、67の 4個
パターン②(龍谷大学付属平安中2021・B2)
1とその数のほかに約数がない整数を素数といいます。1は素数に含めません。100以下の素数を考えたとき、差が2になるような素数の組は何組ありますか。
100以下の素数を暗記している人はいないはずだし(100までに25個あることだけはおぼえておきたい)「差が2になるような素数」の公式などもないはずなので、やはり手作業で100までの素数をぜんぶ書き出すしかなさそうです。
同じく2から100までの横6列の表を書き、素数の倍数を小さい順に消していく。
「エラトステネスのふるい」は横10列で書かれる例が多いようですが、とくにそう決まっているわけでもなく、受験算数では横6列の方がより実用的かと思います。また1は最初から書かないことが一般的で、凡ミスを防ぐ意味でも2から書き始める習慣を付けておくのがオススメです。
前問と同じく11の倍数以降は考える必要はないので、2の倍数(タテ赤線)、3の倍数(タテ青線)、5の倍数(ナナメ赤線)、7の倍数(ナナメ青線)と消したところで残っている25コが対象となる。
このうち「差が2になるような素数の組」は (3,5) (5,7) (11,13) (17,19) (29,31) (41,43) (59,61) (71,73) の 8組