前回の記事の続きになります。
逆比をうまく利用すれば最速で正解できる問題パターンとして次のような出題例もあります。
植木算(多摩大目黒中2020特第1回)
外周の長さが□mの校庭に、ポールを5m間隔で置くと、2m間隔で置くより、必要となるポールの本数が120本少なくなりました。
必要なポール本数はポール間隔の逆比なので②:⑤。この差③が120本なので①=40本。5m間隔だと80本必要だということなので、校庭の外周の長さは 400m
図形の重なり(金蘭千里中2022)
下の図のように、大小2つの正方形が重なっている。重なった部分の面積は、大きい正方形の³⁄₁₁にあたり、小さい正方形の⅖にあたる。このとき、大きい正方形と小さい正方形の面積の比を、最もかんたんな整数の比で表すと、▢:▢である。
「重なった部分の面積は、大きい正方形の³⁄₁₁」「小さい正方形の⅖」より、大小の正方形の面積比は重なった部分の面積の逆比だから ¹¹⁄₃:⁵⁄₂=22:15
くるった巻尺(品川女子2021算数)
全長30mと表示されたメジャーA、Bがあります。A、Bの両方とも等間隔にめもりがついていますが、どちらも不良品で正確には30mではありません。いま、ある2点間の距離をメジャーAではかると15.12m、メジャーBではかると15.16mになりました。A、Bの全長の差は正しくはかると8㎝でした。長い方のメジャーの全長は正確には▢mです。
メジャーの1めもりは測定値の逆比だから「ある2点間の距離をメジャーAではかると15.12m、メジャーBではかると15.16m」のとき
(Aの1めもり):(Bの1めもり)=15.16:15.12=379:378
またメジャーの全長は1めもりの大きさに比例するから (Aの全長):(Bの全長)=379:378
この差1が8㎝なので「長い方のメジャー」=メジャーAの全長は
8㎝×379=3032㎝=30.32m