センバツ、敦賀気比が優勝したそうですね。
試合開始が1時間遅くなったことで、時差の関係からニューヨークでは試合開始が深夜12時半となったため、試合を見ることなく寝ることにしました。
今大会では、敦賀気比高校の初戦(奈良大付属)と決勝(東海大四)を見逃しましたが、準決勝で大阪桐蔭に勝った時点でまあ優勝するだろうなと思っていました。
今回、敦賀気比高校の試合を見ながら考えていたことは「自分が福井県の公立高校の野球部監督だったら、敦賀気比とどのように戦うのか?」ということでした。
指導者としていかにチームを導いていくのかというのはAdult Learningの要素も絡んでくるテーマです。同時に、敦賀気比のような才能あふれる選手が所属するチームとどのように戦うのかだけでなく、今自分が高校野球の指導者になった時にどのような「能力」や「知識」を身につける必要があるのかについても考えました。それはまた今度書こうかなと思います。
今回は、主に3つのことを考え、それは①少年野球、中学野球における指導者育成 ②理詰めの野球を前提とした、圧倒的な練習量 ③高校野球において鍵となる投手はスカウトする です。
①
高校3年間というスパンのみで戦うのではなく、地域一丸となって小学校から高校までの12年間をトータルで見て戦う。言い換えると、地元の少年野球と中学軟式野球、ボーイズリーグ(中学硬式野球)の段階で子供たちに適切な指導を行い、高校入学時に才能あふれる強豪校の選手と戦えるだけのレベルにしておくこと。
敦賀気比の選手は、今のチームはスタメンに福井県出身者が2名おり、7名が京都・大阪などのボーイズ、シニア出身の選手で占められています。関西(大阪・京都)のボーイズ、シニアのレベルは全国的にも高く、優秀な指導者の下で、野球選手として成長しています。また、関西においては野球の塾のような、元プロ野球の選手が教えてくれるような組織が身近にあるため、福井県の学生達と比べて野球選手として成長する環境が整っていると言えます。
そうなってくると、高校入学の段階で決定的に差がついてしまっていて、高校でどんだけがんばっても既に逆転不可能な状況にまでなってしまいます。そこをどうやって克服していくのか?
その一つに地元の少年野球と、中学軟式野球、ボーイズリーグの指導者育成が鍵になってくるのではと考えます。小学生、中学生の野球選手としての「知力、体力、気力」の3つを十分に育てることができる指導者の育成。そんな指導力を持った方が少年野球の監督をやりたいと思えるような環境の整備が重要。
そして、たぶん僕が地元の公立高校の監督になったら、中学野球の監督と連携を取ると思う(これダメなのかな。なんかその点のルールってあるのかな)。このような中体連と高野連の連携事例で始めても良いです。(
第28回 第8回「硬式ボールに親しむ会」愛媛県高野連・中体連連携行事で開催!)以前、一度書きましたが学校の先生が顧問をする部活動って、指導者の当たり外れが大きくて、優秀な素材が指導力不足によって十分に伸びないケースがあります(特に中学野球)。だからと言って学校の部活よりも、優秀な指導者がいる中学硬式野球に行きなさいという考え方は地元ではなじまない戦略と考えるため、中学軟式野球の指導者支援が必要になるかと。
指導者育成の観点から、僕の方からコミュニケーションを取り、地域の指導者と効果的な練習方法の共有などを行っていきます。Adult Learningでいう実践共同体(Communities of Practice)を作っていくイメージ。
同じく、僕の母校の甲子園出場メンバーで、かつ地元に残っている方に対して、少年野球や、中学野球の指導者やアドバイザーとして選手の育成に関わってもらうと思います。やっぱり、甲子園に出てる人が身近にいることが、子供たちのメンタルに与える影響は大きいのではないかと考えます。
まとめると、地元の少年野球、中学野球との連携強化を通じ、高校野球で活躍できる選手の育成を行うことが一つ目です。
②
弱者の戦略、理詰めの野球。それをベースとした圧倒的な練習量。敦賀気比高校の才能あふれるメンバーに対して、同じように能力のみでガチンコ勝負は難しい。どうしても公立の学校は弱者の戦略・理詰めの野球で勝負せざるを得なくなります。
バッターであれば、各打者のヒットゾーン、凡打ゾーン、空振りゾーンをすべて分析。
まっすぐを基本的に待つバッターなのか、ヤマをはるバッターなのかなども分析。
ピッチャーであれば、各カウントごとに多い球種、サインに首を振った後の球種、ピンチの時に多い配球などを分析。走塁に活かすためにも、牽制球のパターン分析も大事。
監督の指導方針も戦い方に大きく影響をするので、そちらも分析。
同時に、自分たちのチームの現状の能力分析も必須。「適材適所は才能集団を凌ぐ」という言葉があるように、チームの力を最大限に活かすためもこのステップは外せません。
今回の甲子園でいうと、エースの平沼君と対戦する際には、右打者に対して追い込んでからのボール気味に外すスライダーを打者が振ってしまうかどうかがポイントだったと思う。何名かの打者では、もはや追い込んだらそこ投げとけば空振りするよねという選手も甲子園レベルであっても多く見られました。特に仙台育英戦は、審判の外角のストライクゾーンが特に広かったため、最強のボールと化していました。
また、3回戦で対戦した静岡高校の2番手投手のピッチングが参考になるのでは。130キロほどの真っ直ぐと変化球で敦賀気比の打線に十分通用していました。雨の影響もあったと思いますが、「コントロール」と「緩急」が影響していると言えるかと。
公立高校が善戦する可能性を高めるためには、すべての行動に意図を持たせる理詰めの野球が大前提。実際に、多くの公立高校では弱者の戦略、理詰めの野球の重要性は指摘されています。
しかし、理詰めの野球が通用するのは、実力差が「6:4」「7:3」のような均衡したときのみです。高校野球のチームの多くは、敦賀気比との実力差は「9:1」「8:2」(もしくは「10:0」)でしょう。
それだけの実力差であれば、それではただの頭でっかちな野球選手でしかないため、理詰めの野球も意味をなしません。
どうしても、敦賀気比のようなチームに追いつくためには、膨大な練習量が必要。明確な意図を持った練習を死ぬほどしてもらうことになると思う。
それでも、練習の環境に恵まれた敦賀気比高校の方がトータルの練習量では、他の公立よりもはるかに上回ります。また、彼らは甲子園に出場するために親元を離れる決断をして野球に取り組んでいます。そのため、野球に対するコミットメントも他の高校生よりも高い。
そんな彼らに追いつくためにはどんな工夫が必要なのか。公立高校の野球部は常にその現実と向き合う必要があります。
③
投手はスカウト高校野球において鍵となるがやはりピッチャー。ほぼここで決まるよね。できれば2名欲しい。
この点に関しては、良い素材を探しに行くと思う。
書き始めるときりがないので、またいつか続きを書こうかと思います。
今年の敦賀気比に勝つのはさすがに難しいと思いますが、公立高校が善戦する可能性を見出すための必要な観点について少し触れてみました。
Adult Learningと絡めると、「スポーツの指導者育成」って結構面白いテーマ設定だと個人的に思っています。