天気予報によれば傘マークが続くようすが窺え、梅雨も間近か…と思える中で晴天は貴重なものとなりますので、またしても外出を。この度は、埼玉県の新座に行ってまいりました。と言っても、西国分寺で武蔵野線に乗り換えて、移動は中央線と併せてもたったの5駅。相模湖どころではない近さでありますが…(笑)。

 

ちょいと前に清瀬市郷土博物館で見た「武蔵野線開業50周年ー清瀬を駆け抜ける武蔵野線ー」というテーマ展示にありましたとおり、JR武蔵野線はそも貨物輸送メインと想定して作られたわけでして、貨物用の一大拠点が新座駅(旅客用)の近くにあるのですな。ホームの西側末端部からは、「JR貨物 新座貨物ターミナル駅」が見えておりまして。写真では右側にひとつ、高さが抜きんでた建物のあるところになります。

 

 

と、ここで新座にやってきたのは貨物駅を探訪しようとか、またまたそういう鉄分がらみのことではありませんで、そのあたりは追々詳らかにしていくとして、まずは落語で言えば「まくら」に相当するお話をひとつ。ま、タイトル付けから想像がつくところとは思いますけれどね。

 

ともあれ、これまで何度となく武蔵野線に乗って新座駅を通り過ぎたことはありますけれど(つまり下車したことは無い…)、常々、新座駅の発車メロディが「ああ、鉄腕アトムであるなあ」とは気づいていたのですなあ。近年はあちこちの駅で地元に何かしら所縁のある曲を使うようになっておりますですね。その選曲に「ほお!」と思うものもあれば、「なんだぁ?!」というものも。個人的に「洒落てるなあ」と思いましたのは、JR中央線の阿佐谷駅でありましょうか。

 

メロディは「たなばたさま」(このタイトルが正式名称のようで)をジャズ風にアレンジしたもので、夏には「七夕祭り」を、秋には「ジャズストリート」を開催している阿佐谷らしさをひとまとめにしたもので、軽やかで落ち着いてる雰囲気が実にいい感じなのですなあ。

 

とまれ、発車メロディと駅それぞれの所縁がいかなるものであるか、気になったりすることもあるところでして、新座のアトムは「はて?」と思いましたら、手塚プロダクションのスタジオが新座にあるのだそうですなあ。駅で下車してみれば、発車メロディばかりでなくして、駅頭では早速にアトムの姿を見かけましたですよ。

 

 

新座市には「野火止用水」という、玉川上水の分水が貫流しているのですな。まだまだコロナ禍で思うようには外出のしにくかった一昨年(2021年)の2月、西武拝島線の東大和市駅から分水まもない、野火止用水生まれたてのあたりをそぞろ歩いたことがありますけれど、「なんとまあ、立派になって…」ということでもありませんですが、用水路はその後、東村山市、清瀬市を流れて埼玉県の新座市へ続いていたのですなあ。なにやら感慨深いところもありますですが、「さあ、みなさん 歩きましょう」というアトムの呼びかけにのっかって、この先はしばらく野火止用水沿いの遊歩道をたどっていきます。

 

遊歩道のようすもまた後ほどのこととして、ここでは少々端折って、用水路沿いをしばらく進んだ後、ちょいと脇道へ逸れて住宅街の中へと入り込んでみますと、「これこれ、これが所縁であるのだな」という建物に到達いたしましたよ。

 

 

 

手塚プロダクション第一スタジオと表札?に出ておりますが、勝手に入り込んで不審者になるのは前に東小金井で通りすがった「スタジオジブリ」と同様かと。外側が少々垣間見るだけにして、建物の入り口には手塚プロがらみのイベント告知でしょうかね、ポスターが貼ってありましたですよ。

 

 

右側は「リボンの騎士 3人のサファイアの物語」展@宝塚市立手塚治虫記念館の告知。そういえば手塚は現在の宝塚市にあたるところで育ったのでしたなあ。なんとはなし、『リボンの騎士』という漫画が生まれたことに「なるほどね」と思ってしまったりするところです。ちなみに左側の『女神のカフェテラス」は今年(2023年)の4月から放送が始まったTVアニメだそうで、手塚プロが制作しておるのだとか。

 

とまあ、ついつい手塚プロの建物にまでたどり着いてしまいましたですが、幼き頃には『鉄腕アトム』を影響で、「足に火を点ければ空を飛べる」といって駄々をこねた(本当かどうか不明ながら、母親の談)子どもであったらしいので、そのあたりが「呼んだ」ということになりましょうかね(笑)。

 

さて、新座とアトムの関わりはこれくらいに、再び新座の駅前に戻って野火止用水沿いの遊歩道歩きをすることで話を続けてまいるといたしましょう。