戯れにも「うさぎ占い」なんつうものを覗いてみましたら、こんなのが出ましたなあ。

 

 

 

旅行運UP!とはなんとも皮肉な…。年越しコロナ罹患で、つい先ごろの四国大旅行を見送ったばかりでしたのでね。まあ、これから良くなるということでしょうかね。今は「暖かくなったら」という目論見だけ温めているところでして。

 

とまれ、旅行の見送りにもつながる病後の体調不良はようやっと改善の兆しを見せておりまして、このほどようやっと2023年の演奏会聴き初めということに。これも1月7日を一度見送っておりますので、ようやく感がひとしおなのでありますよ。もっとも、会場は自転車で行けるくらいのところだったのですけれどね。

 

 

ところで、演奏会の聴き初めといいながらタイトルが「ゲーテ『ヴィルヘルム・マイスター』の詩情」とは。ゲーテの詩から多くの作曲家が歌曲を作ったことはよく知られたことですけれど、今回の企画はなかなかに凝っておりましたな。まずはシューベルトブラームスリストチャイコフスキーなどによる歌曲でもって、ゲーテの詩をざっくり紹介した上で、第2部にはゲーテの『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の九つの詩にシューマンが付けた曲と同時に朗読・映像を加えて、『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』をなぞって見せようというものだったわけで。

 

こうした上演形態は今回の演奏者によるオリジナルですけれど、ゲーテ作品にせよ、それにインスパイアされたシューマン作品にせよ、いずれにとっても作品に改めて光があたる好企画と言えようかと思いますですね。ゲーテと言えばとにもかくにも『ファウスト』、あるいは『若きウェルテルの悩み』ばかりが目立っているも、手に取ってみればなかなかに読みでも読み甲斐もある作品ですのでね。

 

と、ここでシューマンの歌曲をないがしろにするつもりはありませんけれど、それ以上をも上回って印象的であったのは朗読の力でありましょうか。世に「朗読劇」なるものもありますけれど、今さらながらに「語り」の持つ力に感服した次第なのでありますよ。ひと頃、FM東京(今ではトーキョーエフエムでしたか)でラジオ・ドラマを聴いている時期がありましたですが、面白いものでしたなあ。そんなことを思い出したりも。

 

ただ、今回の企画がなぞったところは『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』のほんの一端とも言うべきところかと。まあ、これが入口になれば…ということでもありましょうな。あれこれ思い出しついでに、かつて『ヴィルヘルム・マイスター』を読んだときに印象に残った一節を引用しておこうかと。

「わたしたちの主義というのは、わたしたちの存在を支えるための補足物にすぎないんだと、わたしはいつも 考えているわ」とナターリエは答えた。「わたしたちは自分の欠点に、都合のいい原則という衣装をまとわせるのが 大好きなのよ。…」