ドイツのゲーテ街道を巡ってアイゼナハからエアフルト、ワイマール、イエナを訪ね歩き、
ライプツィヒにたどり着いたところで余談的に(というのも、ゲーテ街道の都市ではないもので)
ハレの町歩きに触れたからには、この旅のハイライトであるライプツィヒのお話に…は、
まだならないのですなあ(笑)。
もひとつ、ゲーテ街道からは外れた町のお話を先にしておこうと思っておりまして、
それがハレ同様にザクセン・アンハルト州に属しておりますヴィッテンベルク。
正式名称をルターシュタット・ヴィッテンベルクというとなればピンとくる方も多いでしょうけれど、
1517年、マルティン・ルターが「95カ条の論題」を教会の扉に貼り付け、
後にいう「宗教改革」の口火を切ったのがこのヴィッテンベルクだったわけでして。
ライプツィヒからICEで行けば30分ほど。普通列車でも1時間余りですから、
東京から大宮まで新幹線に乗るかあ?などと思いつつも、列車の運行数が少ないドイツにあっては
乗れるときに乗っておこうという算段をして、またしてもICE利用となったのでありました。
乗り込んでみますと、結構これが事前に座席予約されておるのですよねえ。
ベルリンとの間を結ぶだけにビジネス客などの利用も多いということでしょうか。
ところで、見た目空いている座席が実は事前予約済みであるということを
ICEはたいへん分かりやすく示してくれているのでして、表示をみれば一目瞭然なのですな。
43番の座席はライプツィヒ-ベルリン間が予約済なので、発車までに誰かが座るだろう一方で、
41番の座席はベルリンから先、ハンブルクまでの予約が入っているだけなので、
ライプツィヒからヴィッテンベルクまでの間は誰も来ない、つまり予約無しで座っていてOKというわけです。
このシステムは結構前からあったものですけれど、
考えてみれば2019年春から中央本線の特急「あずさ」「かいじ」で始まった「新たな着席サービス」とは
ICEのこの方式に近いものがあるなと思ったり。
これは「新たな着席サービス」とやらが始まった際の「中央線特急ご利用案内」というもの。
何が変わったといって、自由席が無くなった=全て指定席になったわけですけれど、
これが果たして利便性の向上として捉えられるかどうか、なのでありますなあ。
これまでの列車構成では指定席車両と自由席車両があったところが、
これが全て指定可能車両となったのですよね。この点がICEと同じなわけです。
ですが、事前に座席を指定しなくても乗れないわけではない。
座席未指定券というのを買って乗り、空いている座席に座るというパターンですな。
座ろうとしている座席が予約済みであるか、そして指定している別の乗客がほどなく先の駅で乗ってくるかどうかは、
ICEの表示ほど親切ではありませんが、座席上のランプが赤や黄色に点灯していることで分かるという仕組みであると。
という具合にICEなどに似たシステムとなった中央線特急の話は長い余談といたしまして、
ライプツィヒからヴィッテンベルクへとすい~っと移動。
ちなみに帰りはヴィッテンベルク駅にたどり着く目前でICEが出てしまったことから、
普通列車で移動することになりましたけれど、所要時間がICEの倍以上かかるので
その分ICEの速さがメリットなのかなとも思っていたところが、
東海道新幹線ののぞみとこだまの関係のように?途中駅でICEの通過待ちが2度もあるが故にかかる時間…。
とまあ、それは先走った戻りの段階のお話ということで、
さてルターシュタット・ヴィッテンベルクの町歩きのお話を「次から」語ってまいります。