多謝
苦節1年。
サイボットゴジラ、漸く形になりました。長いようで、短かったような…。とりあえず、初フルスクラッチの製作過程を追っていくというこの項の目的は果たせたのではないかと思います。
思えば、1年前に浅井造型に遊びに行った際の一言
「俺も造ってみようかなぁ」から始まってます。浅井さん、丹羽先輩からの「お~やれやれ」とのお声に背中を押され、造り始めてはみたものの…。正直こんだけしんどいとは思っていませんでした。
全部が手探り、全部が初めて、の状況の中、多くの方にアドバイスをいただき、少しづつ形にしていきました。そもそも写真の見かたも解って無い状態でしたし、造っていく中で気付き、修正の繰り返しでした。
普段何気なく買っていた(とはいっても、衝撃を受けたからこそ購入しているわけですが)ガレージキットの原型師の皆様のご苦労の10分の1でも理解することが出来、「ガレージキット」というものはすべからく、汗と涙と思いの結晶だなと実感した次第であります。
そもそもガレージキットの始まりは、既成の商品に納得できない、あるいは自分の欲しい立体物が無い、といったところからだったと記憶しております。
今回、このようなことを始めたのは、「サイボットゴジラが一番好きだけど、30cmがない」という一点のみ。
多分、どこかのメーカーさんから出ていたら、こんな事はじめませんでした。いつか出るだろうと思っていたのですが、全然出ない。待ってるうちに30歳近くになってしまった。こうなれば自分でなんとかしないと、といったところでの「俺も造ってみようかなぁ」です。
このような経緯を考えますと、今回のフルスクラッチはガレージキットの原点的思考に基づいて造ることが出来たという1点においてのみ、評価できるのではないかと自負しております。
稚拙な出来ではありますが、ここまでこぎつけることが出来たのは、ひとえにこのブログを見守って頂いた皆様のご支援だと存じております。
「浅井造型」浅井篤様
とりかかるきっかけを作ってくださり、絶えず応援をしていただきました。また、様々な局面で鋭い指摘をありがとうございます!
「モンスターメーカー28」丹羽俊介様
先輩からも背中を押していただきました。先輩の写真を解析する「眼」には驚かされました。
「DAIMOS」村上様
親分との出会いがあったことはこの数年間で最大の出来事かもしれません(笑)
主に精神面、遊び面で(笑)最大のサポートをしていただいたように存じます。
また、このような稚拙な作品であるにも関わらず、発表の場を提供していただき、その海のように寛大な御心に、甘えさせていただいております。このような機会が無ければ、多分、永遠に完成してませんでした(笑)
「怪物屋」吉尾様、スタッフの皆様
「マジックスカルプ」を教えていただいていなければ、多分完成してませんでした。技術面での様々な御指導、誠にありがとうございました。
「レジンシェフとうけけ団」やま様
大戸島サミット、その他説法会等でお世話になりました。というか現在進行形でお世話になっております。
ようやく完成しました…!
「レジンシェフとうけけ団」Bill Gudmundson様
Thank you for the rooting.
It was able to be energetic in the favor.
ブラック魔王様
最初期から見守って頂きました。いつも暖かい、ユーモアのあるコメントをありがとうございます。更にはサイボット真横からの写真を提供していただきました。
じむなぼどな様
製作方法について、様々なアドバイスをいただきました。また、犬歯の角度についての御指摘は本当にありがたかったです!御指導ありがとうございました!
鮫順様
同じ84好きとしてのコメントをありがとうございます。褒めていただいた際には本当に嬉しかったです。あの感激で最後まで行けたようなものです。
キャットタワー1510様
いつもありがとうございます。尻尾のディティールの決め手となった資料の御提供誠に感謝申し上げます。
電話での励ましもありがとうございました。
Ryo1様
これまた84好きかつ同世代、俺ら兄弟かってくらい趣味の似通ってるRyo1っちゃん。いつもサンキュー!君との電話は時間を忘れる(笑)
地獄和尚様
僕と母校が同じ、職場のOBでもある和尚様。ベトレイヤーズというユニットも結成しましたし、頑張りましょう(笑)いつもありがたいご説法ありがとうございます!
フクロムシ様
大戸島ではありがとうございました。今度はもっとGK話をしたいものです。次回お会いした際には、よろしくお願いします☆
メカゴジラ様
大戸島でお世話になりました。以前はコメントをありがとうございました!
yassu様
怪物屋で初めてお会いしてもう6年くらいです。
飲み会ではお世話になっております!大阪逆ゴジツアー楽しみにしてます!
Yoshi坊様
大戸島以降、飲み会のたびに勇気づけられるお言葉をありがとうございました!
逆ゴジツアーで再会しましょう!
junko ishino様
応援ならびに、手首部分の違和感の指摘、ありがとうございます(笑)!ホントお世話になりました。ありがとう!
ぽつまみ様
つーわけでなんとか完成にこぎつけたわ…。まぁこの1年も色々あったが、これからもよろしく頼む。
ニャンニャン様
この1年間は、まぁこんなことやってたのでした(笑)コメントサンキュー!
そして
小学6年生時期に古本屋で見つけたホビージャパン '85 1月号。大々的に84ゴジの特集号であったこの号を見ていなければ、以降20年に渡るガレージキットとの付き合い、ひいてはこのフルスクラッチも存在しなかったと思います。
その意味ではこの号のHJこそが原点。
で、その中でフィーチャーされていたのが
原詠人さんの海洋堂20cmサイボットゴジラ
でした。それまで、メイキングビデオ等でサイボットとスーツの双方は見比べていたはずですが、このタイミングで、このキットの作例を見たことが、明確にサイボットverスーツverを意識するようになった始まりでした。
そして僕が絶版キットなるものの存在を知り、収集するようになったきっかけもこのキットでした。今回自分でも挑戦してみて、このキットの素晴らしさ、頭部やボディ部分のラインの的確さを再確認いたしました。
僕は足元にも及びませんでした。
25年前の、原さんが脂の乗り切っていた頃の、素晴らしい作品です。皆様も機会があれば是非とも触れてみてください。
過去には、こういった素晴らしい作品から多大な影響を受け取ることが出来、現在においては暖かい皆様に囲まれたお陰で、稚拙ながらもゼロから生み出したものが出来ました。
人と人の出会い、繋がりに、ただただ感謝です。
皆様、本当にありがとうございました。
2010年3月10日
猫族
1年前
本日
20年目の邂逅 追記
先日、たまたま「トビー・ダンカン デスザウラー」を検索していなかったらこのような状況にはなっていなかったと思う。
僕はこの作品と出会ったその日に、あらゆる手段を使ってでも制作者の方にコンタクトを取りたいと思った。制作者のリュカイナ氏にメールを送りたい一心で、リュカイナ氏が使用しているLivedoorブログに登録し、思いのたけをメールで送った。結局リュカイナ氏はHPを持っておられたし、mixi上でも連絡を取り合うことが出来たのだが、あまりの衝撃に正常に頭が作動していなかったんだと思う。何度も同じメールを読むことになったリュカイナ氏には非常に迷惑をおかけした。申し訳ございませんでした。
最後の項になりましたが、リュカイナ氏のHPを表記させていただきます。このデスザウラー以外にも、素晴らしい作品群が高品質、高画質で発表されています。是非ご覧になってください。http://www.cam.hi-ho.ne.jp/meruuza/index.htm
人と人の出会い、人と作品の出会い、それらはすべてタイミングだ。そもそも僕が小学生時代のあの日、スーパーマーケットに行っていなければ、こんなにも恋い焦がれる出会いは無かったかもしれないではないか。
このような素晴らしい作品を、素晴らしい作品と感じ、発信できる。それらすべても縁でつながっているかもしれない。
20年ぶりに、あの時の衝撃を取り戻すことが出来た。それはとても懐かしく、暖かい気持ちだった。小学校時代のさまざまな思い出が頭を過った。当時、必死でバトルストーリーのジオラマを再現した写真をもう一度見てみたいと思った。
実家に帰ってアルバムを開く。戦場カメラマンを気取って取った「バトルストーリー」があった。
かけがえのない時代。それを思い起こさせてくださったリュカイナ氏、そしてトミーでゾイド開発に関わられた皆様、バトルストーリーの執筆に当たった立山誠浩氏に心からの感謝の辞を述べたい。
20年目の邂逅 その7
これより、リュカイナ氏製作、デスザウラー トビー・ダンカン機のレビューに移りたいと思う。
まずはこの画像をご覧いただきたい。そう、作例のデスザウラーは「首のうねり」が追加されているのである。
これにより、「正面が弱い」ゾイドであるデスザウラーの欠点を克服していることが判る。同時に、首元から縦横に伸びるコード類は、首周辺部の寂しさを埋めるものであったと推測される。
しかし、87年当時の作例のデスザウラーは後頭部切断のみである。それは同時に商品からそれほどの手を加えていないのに関わらず、ここまでの表情の変化をつけることに成功していることとなる。
リュカイナ氏の作例では、首をブロックごとに切り分け、大きな動きが可能となるように改造されている。この首のうねりこそが、この改造こそが、デスザウラー トビー・ダンカン機の再現に最も効果的に表れていると言えよう。
首部分に縦横に駆け巡るコード類。絶妙の位置にセッティングされている。また、質感の統一が、コード類の空間を含めた上半身のボリュームアップにつながっている。
そして下半身。この足首部分の追加改造には脱帽である。これだけの追加改造を行っているのにも関わらず、まったくもって全身のバランスが破綻していない。抜群の空間構成能力とセンスを兼ね備えていないと出来ない芸当である。上記、旧バトルストーリーの正面角度からの写真のイメージすら思い起こさせる。
つまり、これだけ大規模なプロポーション変更のなかに、「バトルストーリーの作例のボディラインが垣間見える」ということである。飛躍しすぎず、地味すぎず、完璧に原点をブラッシュアップしていることが伺えるだろう。
また、全身に及ぶ丁重なディティール処理(リベット打ちに注目!)、塗装での「締め」、すべての基本工作が「完璧に」行われていることが判る。また、下半身の改造に注目しがちであるが、上半身のプロポーションも大幅に変更されていることがわかっていただけるだろうか。
このデスザウラー トビー・ダンカン機の作例は、改造ZOIDS史に残る一大傑作であると断言する。そもそも、そこまでの「衝撃」を感じなければ、怪獣GKブログである拙ブログの流れを大幅に中断して身の程知らずにも「レビュー」などは行わない。
原点を崩さず、ブラッシュアップするという「表現手段」、そしてその手段を圧倒的な工作技術とセンスで「具現化」させたリュカイナ氏の「作例」は、20年ぶりの「衝撃」であり。「邂逅」であったのだ。
このような偉大な作品を造り上げ、そして僕自身の眼の届く範囲に発表してくださったリュカイナ氏に心からの感謝と尊敬を払って、この項の締めとさせていただきたい。
20年目の邂逅 その6
さて、いよいよ、この項の真の目的である、ある作品のレビューを行いたいと思う。
しかし、その前に今一度再確認したい。
果たして自分が取り組んでいた改造で、デスザウラー トビー・ダンカン機を「製作」することは可能であったか。
答えはイエスである。ある程度のディティールの再現は、前項で示した1並びに4の実施によって可能である。どこから見ても「ダンカン機のディティールが付いているデスザウラー」を作成することはできたと思う。
では、デスザウラー トビー・ダンカン機を「再現」することはできたか。
当時の衝撃を「具現化」することはできたか。
この2点に関しては「出来なかった」と言わざるを得ないだろう。
事実、1のやり方を導入した(いや、この場合、妥協したと言わざるを得ないが)瞬間に、ダンカン機の再現は出来ないのだ。
そして、20年に渡り、限られた写真に“慣れ過ぎた”今や、当時の衝撃をトビー・ダンカン機で「具現化」することは、僕には出来なかった。
今一度、皆さまには、デスザウラー、トビー・ダンカン少尉機を見ていただこう。これが、小学生時代に僕が焦がれた機体だ。
そして、製品状態を確認していただきたい。僕自身によるトビー・ダンカン機はこれに装飾を施しただけのものになっていただろう。
そして
この作品こそが、この長期にわたるレビューを僕に書かせた逸品である。
リュカイナ氏製作
デスザウラー トビー・ダンカン少尉機
これが、「再現」 ということである。
これが、「具現化」である。
画像を拡大し、どうか鮮明な状態でご覧いただきたい。