経済用語として「バーター取引」といえば、ある商品を売買するときに、その交換条件として逆向きの売買を抱き合わせる取引を意味します。
たとえばIT企業が銀行にシステムを売り込む場合に、銀行側から交換条件として、銀行口座の開設を求めるような商取引です。
純粋に商品そのものの価値や需給関係に基づいて売買するのではなく、力関係とか駆け引きとか馴れ合いが介在する取引の仕方で、個人的にはできるだけ避けたい取引ですが、世の中に厳然と存在するのも事実です。
さて、芸能界で、映画の出演交渉などで、有名女優と抱き合わせで新人女優を出演させることを「バーター」と言います。
当然、これも上記の経済用語としての「バーター取引」の一種と思っていました。
ところが実はそうではなく、「束」を芸能言葉として逆さまに読んだものらしいですね。
つまり有名女優と新人女優を「束」で出演契約するということです。
う~ん、そうなのか…
芸能用語の「バーター」の語源は「束」か…
本来の「バーター取引」の一種と考えていいと思うのだけどなあ…
「バーター」が「束」って、もしかして由来を問われて答えられなかった業界人が苦し紛れに作り出した「都市伝説」じゃないのかなあ…
ちなみに芸能界では本来出演するはずだった大物が出演できなくなって、代役として格下のタレントを送り込むことも「バーター」と呼んでいるようですが、これは明らかに本来の意味から逸脱して、意味が拡張されていますね。
ただ言葉は生き物なので、それが現実にそのように使われているのなら、すでにそういう意味も持っているのでしょう。難しいねえ~
