今は様々なお料理にも使われているディル。
先日のハーブアレンジメントにも使われていました。
今日はディルのご紹介をさせていただきます。
ディル
分類 セリ科 一年草
英名 Dill
和名 イノンド
学名 Anethum graveloens
属名 Anethum 古代イノンドのギリシア古名anethon(灼ける)にちなむ
多分その刺激性の種子のantheinによる
ane(上)+theo(走る)=早く成長する
種小名 graveolens 強臭のある 不快臭のある
原産地 ヨーロッパ南部 アジア西部
気候型 西岸海洋性気候型

エピソード
古代エジプト時代から使われているハーブで、5000年も昔にその薬効は頭痛を和らげるということがパピルスに書かれていました。
ヨーロッパでは夜泣きする子供にディルの種子を煎じて飲ませたり、茎葉をすりつぶして胸に塗ったりしたといわれています。またギリシア人はしゃっくりを止める効果があることを知っていました。
魔法使いは呪文を解くのにディルを使ったことも伝えられています。
ギリシア、ローマ時代にディルが一種の惚れ薬の役割をはたしていて、恋する若者は相手のポケットにそっとディルの種子を入れ自分を愛してくれるよう願ったということです。
北米にわたった初期の開拓者の間で長い説教の間中、子供たちにディルの種子をかませていたので、ミーティングシードといわれていました。
日本に渡来したのは江戸時代初期、イノンド(伊乃牟止)という和名で知られていましたが薬草として利用されていただけでした。
利用法
利用部位 全草 種子
味と香り 葉はやや辛味がある
料理
葉はサワークリームや肉、魚の味付けに使用しますが、特にサーモン料理に合います。
種子はピクルス、ビネガー、マリネ、ポテトサラダに特有の風味を添えます。
ディルビネガーはイギリスでは人気があり、ディルピクルスといえばこのビネガーに漬けたキュウリのことで、ドイツやアメリカでもよく食べられています。
精油の主成分はカルボンですがその他αーリモネン、ピネン、ジペンテン、フェランドレンなどが含まれその他の成分はジラノサイト、ミネラルが含まれています。
全草に鎮静作用があり、喘息の発作や胃の不快感、緩和してくれ、駆風作用、利尿作用、
通経作用、あります。種子を入れてあたためたミルクは神経を和らげ不眠症を助け、種子を噛んでいると口臭を防ぎます。
精油は石鹸の香料に用いられます。
クラフト フラワーアレンジメント。種子をスリーピングピローに入れると安眠できます。
その他 フェンネルの近くに植えると互いに交配して香りがなくなります。
ハーブインストラクター講座 STEP1 60種のハーブ補遺より引用
今ではお料理の場で大活躍のディルですが、昔は今からは想像もつかない使われ方をしていたのですね。
家族とケンカをしてしまったら、家族のポケットにそっとディルを忍ばせておくなんてどうでしょう?