数年前からの背中の奇妙な感触「蟻走感(痒み)➡テープの感触➡痺れ➡鈍痛」と変化する原因不明の症状 | 【大阪】 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院         JHSC整体治療室 = 整体コラム / 心のコラム

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数年前からの背中の奇妙な感触

「蟻走感(痒み)➡テープの感触➡痺れ➡鈍痛」…と変化する、原因不明の症状の整体治療
患者Sさん=40才-女性-会社員/主婦の症例

 

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①    Sさんの病歴・・・
患者Sさんは別件(
逆流性食道炎・他の整体治療)で来院されていましたが、そのほとんどは治癒していました。しかし仕事中(デスクワーク)に右の脊柱起立筋部(T6,7,8領域)に蟻か虫がムズムズと動き回っているような痒みに似た感触が生じ、それが次第に「セロハンテープ」をベッタリと縦に張り付けた様な奇妙な感覚に変化するそうです。そのまま仕事を続けていると痺れ感に変化し、最終的には鈍痛に変わっていくそうです。さらに残業時など、時間が経つと腕が上がらなくなるくらい両肩に重度の脱力感と疼痛(☚肩峰の下方)が生じ、思わず近くのソファーに寝込むくらいになるそうです(但し、肩より下方の胸腹部や下肢にかけては無症状)。

 




②    Sさんの診察
・症状が現れる部位は脊柱の右T6~T8付近だそうです。
・数年前にこの件で胆石症・他の検査を受けたそうですが、胆石の所見は無く、逆流性食道炎が確認されました。制酸剤などの治療をされていましたが効果が無かったので、当院で逆流性食道炎・他の治療を受け、逆流性食道炎性の背中痛等は全て解消しましたが、本件だけが残存していました。
・就寝時に仰臥位で寝ると約10分後に脊柱の右T6~T8付近にキリキリと持続的な痛みが生じるそうです。当院での仰臥位での施術中にも、10分後には背中痛が所持ていたそうです。従って就寝時は側臥位でしか寝ることが出来ないそうです。但し、この症状は当院で治療済みです。
・数度の気管支炎や肺炎の既往歴があるそうです。しかし近年は特段の呼吸器疾患の既往は無かったそうです。
・以前は110/80mmHgだったそうですが、2年近く前から原因不明の高血圧症が生じているそうです。 降圧剤を服用していない時の血圧は155/105mmHg前後ですが、高い時は収縮期圧が180mm/130Hgまで上がるそうです。降圧剤の服用で20mmHgほど下がるそうです。110/80mmHgの時も時折あるそうです。但しこの
高血圧症は当院で治療し、寛解状態です。
・上肢と下肢の伸張反射(腱反射)で特段の異常所見はありませんでした。また、知覚検査も正常でした。
・歩行障害や膀胱直腸障害はありませんたでした。プレコックス感もありませんでした。
・頸部と胸部の聴診上、呼吸音に異常所見は無く、心雑音も聴取されませんでした。しかし心音はやや強く聴取されました。胸部大動脈の血管雑音も聴取されませんでした。
・触診上、胸骨の左・右縁に著明な緊張と圧痛があり、また胸椎T6~T8に抵抗感がありました。また、右肋骨(R1)の胸骨付着部付近に特に著明な緊張と圧痛がありました。本件では何度か脊椎-脊柱起立筋部を触診検査していましたが、一度だけ右T6~T8部の脊柱起立筋にプヨプヨとした浮腫感が触知できました。この際、Sさんもそのプヨプヨ感を体感されていました。
原因不明の頻脈の既往歴もありましたが、以前に当院での整体治療で寛解していました。
・胸部聴診上、呼吸音や心音に異常は無く、血管雑音もありませんでした。但し、別件(
逆流性食道炎・他)の当院での治療期間中に社内検診があり、内視鏡検査でそれほど胃-食道接合部に悪化傾向は見られませんでしたが、胸部X線画像で「両肺尖部胸膜下に網状影-陳旧性変化」が確認されました。
・問診上、デスクワーク以外にもこの症状が出る事があるそうで、それは「自宅で4才の子供の洗髪を立ってしていると、1~2分で(一連の)症状が出ます」と仰っていました。その洗髪姿勢は下記3の「礼(お辞儀)をした状態(☚20~30度の体幹の前屈)で両腕を前方に約70~80度屈曲姿勢」です。
そこでその洗髪姿勢・他を再現実験して頂くと次の事が分かりました。
 1. 両腕を大腿外側につけて礼(お辞儀)をした状態(☚20~30度の体幹の前屈)では症状の再現は出来ない
 2. 直立不動の姿勢で両腕を約70~80度屈曲姿勢を取っても症状は再現できない
 3. 礼(お辞儀)をした状態(☚20~30度の体幹の前屈)で両腕を前方に約70~80度屈曲姿勢(☚腕を前方にほぼ水平に伸ばす”前になれの”姿勢)を取ると一連の症状が再現できる(☚子供の洗髪姿勢)
 4. 上記3の際、両腕の約70~80度屈曲姿勢を解除し、両腕を大腿外側に戻すと一連の症状は瞬時に消失する





➂ 治療目標と整体治療

   ⑴    癒着していると推測される「胸膜-T6,7,8領域の脊髄神経後肢(知覚枝・運動枝)」を解放し、「腋窩神経」への絞扼刺激も解放する
   ⑵    上記⑴の目的の為に右肋骨(R1)の胸骨付着部付近を中心とした胸膜の癒着と緊張を解放し、上記⑴へのテンションを解放する
   ⑶    縦隔の気管-気管支分岐部と食道、あるいは左右縦隔胸膜・心膜間、そしてその周辺組織に残存していると考えられる癒着を解放する

・胸膜解放テクニック
・肋骨胸膜解放テクニック
・気管支解放テクニック
・縦隔胸膜-心膜解放テクニック







④    経過と結果・・・
・初診治療後、

子供の洗髪姿勢を取って頂くと、治療前より症状が「激減しています!!」とビックリされていました。


・3診目来院時、

1か月ほど前に某病院でのMRI検査結果を受けられていて、そのCDを持参されたので確認すると、左右のT6,7,8領域の起立筋部(特に右側)に不鮮明な画像部があり、起立筋や肋骨-胸膜付近がにじんで写し出されていました。


・5診目来院時、

「(仕事中の)肩のだるさや脱力感、しびれ感は無かったです。(子供の洗髪時)少しだけテープの感触は出ますがそれ以上は悪化せず、以前の1/10程度です」と仰っていました。そして6診目も、このテープを張ったような奇妙な異常感覚は生じなかったので、本件の治療を終了することにしました。

 




⑤     今回の症例の概説、、、
・Sさんに関しては、本来の主訴である
逆流性食道炎を始め、その他に幾つかの愁訴(腎結石、生理痛、高血圧、発熱、頻脈、他)についても整体治療をしてきましたが、その中でも本件については一番手こずった症例かもしれません。やはり「奇妙な感触➡蟻走感(痒み)➡鈍痛と変化」し、最悪の場合「両腕の挙上不能と肩の疼痛」まで至る病態でからです。


・ただそんな中で大きなヒントとなったものは問診による「子供の洗髪姿勢での症状誘発」と、その再現実験だと思います。特に重要な所見は上記再現実験の4で「上記3の際(お辞儀の状態)、両腕の約70~80度屈曲姿勢を解除し、両腕を大腿外側に戻すと一連の症状は瞬時に消失する」だと思います。この事で症状の誘発には「体幹の軽度前屈」と「両腕の屈曲」が条件だと分かったからです。


・言い換えれば「体幹の軽度前屈」と「両腕の屈曲」によって一番テンションが上がり、そのテンションが如何にして「T6,7,8領域の脊髄神経後肢(知覚枝・運動枝)」に伝わるか?!、の解剖生理学的交差点を診ていけば、自ずとその原因部位=治療部位が分かると考えられます。そこで次のような仮説を考えてみました。

 

 

気管支炎の後遺症(膿瘍の蓄積)が背中の異常感覚に関係する?!

 


・仮説
Sさんの数度に渡る気管支炎と肺炎の既往歴から膿瘍の蓄積と癒着が気管分岐部周辺を始め胸郭内-胸膜の各部で生じ、特に「右肋骨(R1)の胸骨付着部付近に特に著明な緊張部」や➂「治療目標と整体治療」で記した「T6,7,8領域の脊髄神経後肢(知覚枝・運動枝」に残存した。その結果同部を中心とした胸膜の癒着と緊張が各所で生じる事となった。その様な胸膜の緊張状態の中に、Sさんのデスクワーク時(体幹の前屈=猫背、腕の前方挙上姿勢)や子供の洗髪姿勢(同左)によって腕から背中にかけての筋膜が牽引されて緊張し、その筋膜緊張は背中の皮膚や脊柱起立筋内を走行する「T6,7,8領域の脊髄神経後肢(知覚枝・運動枝」を牽引する。ところがこの神経は先述のように椎間孔周辺で胸膜と癒着していると推測されるので、その筋膜からの牽引刺激は胸膜癒着方向からの逆方向からの牽引刺激との間で「綱引き状態」となって双方向から刺激され、その結果「触覚神経➡痒みの神経➡痛覚神経」と順次牽引刺激されてその閾値を超え、一連の症状が誘発される。そして時間と共に最終的に知覚神経だけでなく運動神経までにもその牽引刺激は及んで軽度麻痺になり、一時的に「6~T8部の脊柱起立筋にプヨプヨとした浮腫感が触知」にまで追いやったのでは、と思われます。

 

 

 


・この仮説の元に上記⑶「治療目標と整体治療」に掲げる整体手技を施術すると、治療前より症状が「激減しています!!」とSさんが仰ったことからも、ある程度妥当な仮説では、と考えます。

 




・ちなみに残業時などに「時間が経つと腕が上がらなくなるくらい両肩に重度の脱力感と疼痛が生じ、思わず近くのソファーに寝込む」については、さらに別の解剖生理学的機序が追加・必要と思われます。それは「右肋骨(R1)の胸骨付着部付近に特に著明な緊張と圧痛」所見から推測される事ですが、同緊張部付近を鎖骨下方から腋窩深部を背中方向に向かって通過する腋窩神経が関連していると思われます。

 

 

 


・腋窩神経は知覚神経として「上外側上腕皮神経=肩峰の下方部分を支配」を出し、その支配領域はSさんの方の疼痛部位と一致します。また腋窩神経は運動神経として三角筋と小円筋を支配していますが、これらの筋は腕の挙上に重要な筋肉ですから、Sさんの腕の屈曲不能も、同神経の絞扼性麻痺で説明可能です。


・その絞扼機序は、「右肋骨(R1)の胸骨付着部付近に特に著明な緊張と圧痛」所見から推測して、例えば前出の度重なる気管支炎と肺炎の既往による炎症産物(膿)が腋窩深部の胸郭外側部にまで浸潤し、その炎症残渣物が腋窩神経を絞扼しやすい状態になっていた。その結果腕の前方挙上によって肩甲骨が外転して前方に移動する際に肩甲骨外縁(関節下結節付近)が腋窩深部を走行している腋窩神経を容易に絞扼できるようになり、同神経が麻痺する事で生じていたのでは、と推測されます(☚一種の松葉杖麻痺)。


・従ってこの所見も、上記⑶の「上記⑴の目的の為に右肋骨(R1)の胸骨付着部付近を中心とした胸膜の癒着と緊張を解放し、上記⑴へのテンションを解放する」と言った治療目標で改善するものと思われます。ところで、左側では「右肋骨(R1)の胸骨付着部付近に特に著明な緊張部」の様な緊張部は認められませんでしたが、胸部X線画像で「両肺尖部胸膜下に網状影-陳旧性変化」が確認された事から、左側でも右側と似た機序が働いているものと推測します。

 




・整体治療中にMさんは某病院でMRI検査を受け、それを確認すると胸椎のT6,7,8領域に薄い影があり、同部は他の領域と比べてエッジの効いていない、滲んだ画像、となっていました。これは上記治療目標および仮説の「癒着していると推測される「胸膜-T6,7,8領域の脊髄神経後肢(知覚枝・運動枝)」」を裏付ける根拠になると思われます。

 


 

 

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