非常に中味の濃い議論ー第7回研究会(講師:佐藤明夫弁護士)
3月4日は佐藤明夫弁護士(当協会理事)を講師とし「富裕層向け法務の可能性」というテーマで研究会を行った。結果的に、参加者皆が満足するおもしろい講演、質疑の場になった。
超富裕層向けビジネスに携わっている人の悩み(なかなか超富裕層は慎重でお客さんになるまで時間がかかる、非金融サービスの比率が高いがここでいかにフィーを取るか、等々)について懇談する機会というのは、実はあまりない。だから、皆、自己流で失敗を繰り返しながらやっているのだ。
特に、富裕層向け営業の方法というのは、ものの本には出ていない。実際に富裕層をうまく顧客にしている人は本を書かないし(その時間が取れない)、なかなか漠然としている。また一方方向の講演など聞いても実際には役に立たないだろう。そういう意味で、実務家どうしが懇談する機会は非常に貴重である。
佐藤弁護士は、超富裕層というのは非常にユニークな存在で(だから超富裕層になれた)、佐藤法律事務所の部下にも「お金持ちを相手にするときにはお金の話をするな」と言っているそうだ。なかなか分かりにくい話ではあるが、多分、真実をついていると思われる。佐藤弁護士自身の経験では、5年間無料でコンサルをして6年目に仕事になったこともあるようだ。
確かに、お金の話をしないと最後までタダで使われるのでは、という不安もあろう。但し、私の経験だと「まともな超富裕層」ならば無料でコンサルを受け続けることはない。特に成金はともかく伝統的なお金持ちは「価値があると思うコンサル」に対しては多くの金を払う。もしお金を払ってくればかったのなら、それは自分のコンサルが相手に「価値がない」と思われただけだ。
昨日はいろいろな論点が出てきたが、結論は超富裕層と弁護士、税理士などの専門家をつなげるファミリーオフィスが非常に有益な存在になるということだ。おそらく、参加者の中でも現実に超富裕層のお客さんを持っている人は、目から鱗のポイントが多かったと思われる。
味わい深い話が多かったので、私も論点を整理して、会員の皆様にお送りしようと準備をしている。
ハーバードのOB会に参加ーUNDP(国連開発計画)の活動を聞く
昨日はハーバードOBの研究会があった。講師は村田UNDP(国連開発計画)駐日代表だ。
最近はUNDPも地球温暖化問題がメインイッシュのようだ。但し、一般的な先進国も排出量を減らすという
切り口ではなく、あくまで途上国の視点からこの問題を検討している。
私は超富裕層を顧客とする仕事をしているが(ファミリーオフィス)、世界にはこの対極に立つ人の方が圧倒的に
多い。世界人口の約半数(30億人)は一日2ドルで生活している貧困層だ。まだまだ世界中を見渡すと途上国の
方が多いし、貧困問題というのは地球温暖化の比ではない重大な問題なのだ。
村田代表からいくつか問題提起があったが、私がおもしろいと感じたポイントを整理してみる。
第一に、人間は衣食住のうち衣と住が不足してもそんなに不機嫌にならないが、「食」が不足すると不機嫌になり
紛争が起こり安くなるというデータがあるそうだ。だから、国連UNDPでは、だいたい次にどこで紛争が起こるか
予想しているという。
第二に、日本のユニークさは途上国(特にアジア、アフリカ)と共存している数少ない先進国である点。
さらに、日本の特長は「技術」にある点。自動車に代表されるように日本は「大きいものを小さくする技術」は世界一なのだそうだ。そういわれれば、その通りだと納得できる。
第三に、アメリカオバマ政権はブッシュ時代の「一国主義」の失敗から、「国連重視」に変わってきていること。
温暖化関係では京都議定書の枠組みにアメリカは入っていないが、今度のポスト京都議定書では入ってくる
予定だ。アメリカが交渉に入ってくれば日本にとっても手ごわい。日本も国連重視の姿勢が必要だろう。
第四に、一言で経済の「国際化」と言った場合に日本人は先進国間の国際化を考えるが、途上国を含めた
国際化は先進国間とは全く異なる。先進国間では企業の力が強いので安心して企業同士で契約できるが、
途上国では企業にも国の関与が強いので、企業間で合意しても政府の意向を確認しないと契約は反故に
される可能性がある。商社はそういう点で苦労しているようだ。
最後に村田代表も、ハーバードに行ったことの意義は「素晴らしい人たちと出会い、国内外に素晴らしい人脈
ができたことだ」としみじみと語っていた。
今週は金曜日にMITの研究会があるが(私は準会員)、こういう場所に出ると最新の情報や新たな人脈が
できるので時間の許す限り参加している。
一流大学にいくことのメリットは「人脈」ができることーある経営者の話から
昨日、ある経営者とお話している時に改めて「気づき」があった。学歴の議論で、要は一流大学にいくことのメリットはいい人脈ができることに尽きる、というわけだ。そういわれると、私がハーバードでいろいろとご教示頂いた
ロバート・ライシュ教授(クリントンのエール大の同級生でクリントン政権の労働長官)も著書で同じことを言っている。曰く、一流大学でやっていることは実は大したことではないが、最大のメリットは優秀な人間と知り合えることだ、と。
自分自身の生活を見てみても、先週はボストン大のOB会、今週はハーバードとMIT(MITの経済学の授業に出ていたので準会員になっている)のOB会、この他に3月中にハーバードとエールのOB会に一度ずつ参加する予定だ。ファミリーオフィスの仕事の中で、その中で知り合った方々との縁が実際に役に立っていることに気づく。
ライシュ教授の言うように、ハーバードとはいえども、そこでやっていることは実社会ではさほど役に立たないだろう。私も、高度なポートフォリオ理論を学んだが、それは投資をするときにもほとんど役にたっていない。バフェットやソロスはポートフォリオ理論を学んでもいないし、学ぶ必要性も感じていないようだ。
やはり一流大学にいくことのメリットは「人脈」なのだろうか。最近、日本の週刊誌をみるとオバマ政権ではケネディ政権と同じようにハーバード、エール出身者を集めた「ベスト・アンド・ブライテスト」の陣容を固めているようだ。
但し、ハルバースタムの著書のように、最高に優秀な頭脳がベトナム戦争という泥沼に入っていったのも事実だ。アメリカのためになったかどうかは疑わしいという議論もある。
私自身も、今、お世話になっているのはハーバード、エールの日本同窓会の先輩が多いので、やはり海外留学の経験がなければとても「人脈」が勝負のファミリーオフィスなど立ち上げられなかったことは間違いない。
となると、学歴無用論が議論されている日本でも(この議論はアメリカではあまりない)やはりまだ一流大学にいくことは社会で成功するための一つの要素ではあり続けるのか。
特に、海外の大学のOB会は人数が少なく結束も固いので、海外の一流大学に行くことは「人脈」の点では有利なのかもしれない。各大学のOB名簿を見ると、どこもキラ星のような方がいるので。
ボストン大のOB会に参加ー日本からの留学生の減少傾向止まらず
今日は、ボストン大の日本同窓会の研究会に参加した。同大出身の自民党塚田参議院議員が講師だった。
ボストン大は日本に事務所があって、所長の仕事は日本からの留学生を増やすことだ。しかし、ここでも
日本人の減少傾向は続き、バブルの頃はボストン大全体で500人もの日本人がいたそうだが、現在では200人を
割れているようだ。3分の一くらいに減っていることになる。
なぜ、日本人が減っているかは、いくつかの理由がある。
まず日本人の英語力が落ちていること。逆に中国、韓国人の英語力は伸びているようだ。アメリカの大学は基本的に外国人枠が決まっているので、日本人より中国人を採る傾向にある。
第2に企業派遣という制度がなくなってきていること。たいてい、留学後は日本企業の魅力のなさから外資系に
引張られて転職する人が多いので、職場も派遣という制度をやめているのだ。
第3に日本人の書くエッセイがつまらないこと。日本の教育のせいだろうが、日本人は覚えていることを書く傾向にある。アメリカ人が見るとそんなものは何の価値もない、ということになる。
今年卒業の学生もいて、春休みを利用し日本企業の面接を受けているそうだが、なかなか外資系も日本企業も
採用自体がないらしい。企業もリストラをいかにするかに悩んでおり、新規の採用などする余裕はない。
そういえば、ハーバードクラブの会合が最近ないが、同窓会会長のポルテが新生銀行社長をやめ、今はアメリカにいるそうだから、新しい会長も決めねばならない。ボストン大の日本同窓会は平日の夜でもかなりの人が集まるので大変なものだ。
何とか、日本から留学生を増やすことはできないか、日々頭を悩ますテーマだ。
宇宙飛行士候補が決まるーNASAの宇宙飛行士ジム・ラベルの思い出
今日、新たに宇宙飛行士候補が二人決まったというニュースがあった。両名ともパイロット出身ということで、
日本もアメリカNASA的な選考になってきたかなという印象だ。
私は経団連で宇宙開発の担当が最も長かったので(6年)、結構、宇宙飛行士とは知り合いだ。先週は久々に
向井万起男さん(向井千秋さんの夫、慶應病院勤務)からメールを頂いた。新著のご説明(ご夫婦でアメリカを旅行されたことをエッセイ風にまとめた)をして頂いたのだ。
千秋さんは宇宙大学(フランス)教授をそろそろ退任のはずで、帰国が待たれるところだ。
たまたま、1997年11月の土井さんの宇宙飛行のときに、ケネディ宇宙センターで見学する機会があった。
その爆音は大変なもので、種子島でのロケット打ち上げ時の比ではなかった。
その時にアポロ13号船長のジム・ラベルと懇談することができた(複数でだが)。この人は映画でも有名になったが、そもそもアポロ8号で、人類史上初めて月の裏側を見て「月にはサンタクロースがいた」という有名な言葉を発したのだ。これは、もちろん何かの暗号で、UFO研究者たちは、月の裏側にUFOの基地があったということを言ったのではないか、と勘ぐっているのだ。
映画「アポロ13」ではジム・ラベル役をトム・ハンクスが演じていたが、本人はむしろトム・ハンクスよりハンサムだ。私は圧倒され、UFOのことも聞けなかったが、ジム・ラベルなどNASAの宇宙飛行士は軍のパイロット出身者が多い。
日本的な感覚だと、MIT出身の天才がなっているような気もするが、むしろ彼らはコンピューターの開発など裏方
の仕事をしている。
私も当時、宇宙開発事業団や科学技術庁の人から冗談まじりに「宇宙飛行士への応募」を薦められたが、
何と、理工系でないと応募はできないのだ。文系人間の私には「応募資格」すらない。
悲しいことだが、宇宙への夢は万人に平等だ。
何もしない人が資産運用に勝つ時代ー株式投資の無意味さ
今日も日経平均が「バブル後最安値を一時更新」というニュースが昼休みに日本をかけぬけた。予想されていた
とはいえ、また7000円割れ近くの水準に戻った。これは昨年10月に「大底」が来たと証券会社や投資信託(さわかみ投信の澤上篤人氏など)が言って、あおった水準だ。つまり昨年10月に買った人も含み損を抱える水準になったことを意味する。
たいていの個人投資家は株をもっと高いところで買っている。日経平均が1万5000円を超えたあたりで出来高が
多かったことから、平均の買値はそのくらいだろう。今はその2分の一以下だ。新興市場では株価が10分の1以下に下がった銘柄はかなりの数にのぼる。私の周りでも、保有株の時価は買値の3分の一以下になった人は
多い。バブル崩壊後は、株を長期で持てば持つほど損失も増えるという関係になっている。
つまり、この20年くらいを見ると「何もしない人が圧倒的に資産を防衛している」ことになる。株や不動産を買った人はひどいめに会っている。何もしなくて現金を保有していれば額面は減らない。投資した人はおおよそ資産は3分の一になっている。投資した人は時間をかけて損をする、という最悪の事態になっている。しかしこれは随分と
不公平に聞こえる。これでは今後誰も株式投資などしなくなるだろう。
株を買った人はひどい目に会い、何も考えずに何もしなかった人が被害はなかったというのでは、投資した人がバカをみることになる。これでは日本の株式市場や社会が活性化しない。
当面日本株は上昇はないだろうが、何もしない人が勝ち組になるという構図は本当になんとか改善しなくてはいけない。
水村美苗さんの「日本語が亡びるとき」
水村さんの新著「日本語が亡びるとき」が大変売れているという。この種の本で5万部というのは大変なことらしい。先週土曜日の日経新聞で大きく取り上げられた。
水村さんはエール大の大先輩で、エールで文学を専攻された方だ。20年ほど前の「続・明暗」は大変な著作だ。
何といってもあの夏目漱石の未完の大作「明暗」の続きを書いて、完成させてしまったのだ。普通の日本の作家
では考えられないことだ。帰国子女の水村さんでなくしてはできなかった発想だろう。
新著のタイトルは「日本語が亡びるとき」というセンセーショナルなものだが、中味はいたってまともだ。夏目漱石や森鴎外といった日本文学の正典を日本人の皆が読もうよ、というのが趣旨だ。でも皆、タイトルに目を奪われる。この本が、夏目漱石を皆で読もう、などというタイトルだったら全く売れなかっただろう。本のタイトルはセンセーショナルでないと売れないことがよくわかる。
英語の時代だから、あるいは日本経済が衰退に向かうから「日本語は亡びる」とは誰も考えはしまいが、
少なくとも私がアメリカに留学していた1990年初頭は、アメリカでも日本研究が盛んで、日本語を学ぶアメリカ人が多かったのは事実だ。
ハーバードの寮(100名)で日本人とバカな話しをしていたら、隣にいたアメリカ人に日本語で「話しは全てわかった」といわれ仰天したものだ。そのアメリカ人はアメリカで日本語を学んだだけだそうだが、漢字もそこそこ書け
本当に1年で週3時間くらいの勉強でそこまで伸びるものなのか、恐ろしささえ感じた。そのころは、日本が注目されていたので優秀な学生が競って日本語を学んでいたのだ。
ところが、今は日本語を学んでいるハーバードの学生は数えるほどしかいないそうだ。さびしい話しだ。そういうことから海外で「日本語は亡びる」可能性はあると思っている。
ある大手証券会社のプライベートバンキングー独自のアプローチに驚く
金曜日はある大手証券会社のプライベートバンキング(PB)のご担当の方にお会いした。その業務内容を伺うためだ。
一昨年来、他の大手証券のPBの方からはご連絡を頂いたりして、懇談はしたものの、それ以上の関係はなかった。先方がそれほどやる気がなかったり(会社としての取組みがそうだと感じた)、その部署が縮小されたり(短期的には成果が出なかったため)、日本の證券会社もなかなかPBは厳しいなと感じていた。相変わらず、お客さんの立場で考えておらず、如何にお金持ちから手数料を取るかしか考えていないようにも思えた。
しかし、日本の金融機関がうまくいかないもの当然で、日本より進んでいるはずの外資系証券会社でもPB部門でうまくやっているところは無いに等しい。相次ぐ撤退、あるいは再参入してもうまくいっていないところばかりだ。もちろん再参入したところはまだ一年程度しか経っていないので、評価するのは時期尚早だが、それでも「伸びている」という話題はない。
ところが、金曜日に伺った大手証券では、今までの日本の失敗事例をよく分析し、「顧客重視」の立場から全うなPBを始めているように思えた。短期的な収益に拘らず、当初はコストだけがかかることも経営陣が理解しているようだった。もしこの方針で、あと数年本当に貫ければ、わが国の金融機関としては画期的なことになるだろう。
私も日本の富裕層ビジネス、金融機関のPBがうまく育ってくれることを真に願って、こういう協会を立ち上げたのでこの動きは詳細にフォローしたい。日本の金融機関でPBが駄目な理由の一つは「成功したところがない」、つまり成功モデルがないので、どこの金融機関も懐疑的なのだ。一つの小さな成功事例でもできれば、雪崩を打ったように変わっていくのが日本社会、日本企業の特徴だ。
日本の金融機関で初の成功例になるよう、陰ながら(全く微力ながら)応援したいものだ。
多くの弁護士も富裕層ビジネスを考えているー佐藤明夫弁護士(当協会理事)より
昨日は、次回(3月4日)の当協会研究会の講師である佐藤明夫弁護士(当協会理事)と打合せをした。今回の研究会の話やその他、もろもろのことを雑談した。普通の法学部出身の弁護士とは違い医学部出(東大医学部卒)の弁護士のためか、他の弁護士とは感覚が違うので、私の方も新たな発見があるのだ。
弁護士の世界は今、激変が起こっている。現在3万弱の弁護士の世界に毎年3000人弱の新人弁護士が誕生
している。つまり同じ業界で毎年1割仲間が増えるのだ。こんな業種は世の中広いとはいえ、他にはない。
何が起こっているかというと、新人弁護士の就職が厳しいのだ。ちなみに、佐藤総合法律事務所の場合、昨年は
3人の新人弁護士を採用したが、応募は300人あったそうだ。競争率100倍でやはり変わりダネを採用したそうだ。
今年は大企業も採用を絞るので、かなりの競争率にはなろうが、100倍とはすごい。しかも簡単になったとはいえ、皆司法試験を受かった人の中での倍率なので「質」も違う。ゾッとする話だ。
こんな感じなので、新司法試験を受かった人も大半が就職先はない。名前だけ法律事務所の名を借りて(軒先を借りるのでノキ弁)自分で仕事を探すのだが、新人の弁護士に仕事を頼みたい人も少ない。
それではどうするか、、、価格を下げて仕事を請け負うしかない。佐藤明夫弁護士が言うには「参入障壁の低い分野に入ってダンピングする」ということになる。例えば、通常5万円の内容証明を2万円で請け負うというようなやり方だ。でも、これではいづれ行き詰る。そこで誰もが考えるのが「お金持ちを顧客にしたらいいだろうな」ということだ。
既に、民事をやっている街の弁護士(マチ弁)で、「何でもできますよ」とか調子のいいことを言って富裕層に営業をかけている弁護士もいるという。しかし、日本の富裕層はほとんどが企業オーナーであり、自社株をいかに相続するかとか、海外のトラストを利用する、あるいはトラストを国内でつくるとか、ちょっと応用的なことが出てくるとマチ弁では歯が立たない。富裕層の方も「使えない」となり、そこで契約は終る。でも法学部出の弁護士には
なかなか難しい問題である。
そのあたりは佐藤明夫弁護士の専門分野で、佐藤弁護士はファイナンスができる数少ない弁護士だ。そのため
野村證券や大和證券の顧問もしている。最近はジャスダックのコンプライアンス委員長にもなった。競争が激しくなった業界では、何か得意分野がないと生き残っていけないのは当然の市場メカニズムだ。
ともかく、弁護士の世界でも富裕層ビジネスを考えている人は増えているが、なかなかうまくいっていないという現実があるようだ。金融機関やデパートだけでなく、専門家も富裕層ビジネスを成功させている人は稀有だ。
そのあたりの原因を最近私は研究しているのだ。これが私(弊社、当協会)の一つのコアコンピタンスになるのだろうか。
大学3年生を持つ親からの就職相談ー人を推薦することの重み
日本経済はどこまで落ち込むのだろうか。昨年10月から12月の年換算GNP成長率がマイナス2桁とは、冷静に考えると恐ろしいことだ。その結果、来年の就職もまたまた「氷河期」への復活になる。2,3年前に史上最大の採用だったのが夢のようだ。
そこで困るのが、今年就職活動をする大学3年生を持つ親だ。おそらく、相当数の学生が就職できない状態になろう。私などは頼られる存在ではもちろんないが、「経団連」出身ということで大企業には顔が利くと思われるのか、10数人の知り合いから何らかの協力をお願いされている。
でも企業も「人を雇う」ことは相当な経費がかかる一大事なので、優秀な人物しか採りたくないのは当然だ。
たまには「コネ採用」などという話も聞くが、それも企業側が総合的に考えて「得になる」ことがない限り、成立
しない話しだ。人事部長を知っている、だけで採用されるなどはあり得ないことだ。その辺りを勘違いしている人
がまだ多い、あるいは藁にもすがる気持ちもあるのだろうか。
たまに、「こういういい学生がいたら採用したいので紹介してほしい」という企業側からの依頼もある。しかし、
その依頼に値する学生は非常に少ないのも事実だ。ヘタに普通の能力の学生を推薦でもしたら、こちらの
信用が全くなくなることになる。そうなると自営業者は仕事ができなくなる。
私が基本的に「推薦状」は書かないのはそういう理由だ。他人を正しく評価することは、相当な長期の付き合い
がある人でも至難の技だからだ。
だから、ある経団連の先輩(元役員)は就職の世話は一切しないという。過去に痛い経験もしたという。
これが正しい方法かもしれない。