森口某がいう「MGH(マサチューセッツ総合病院)」ーこんなことで有名になるとは
iPS細胞が話題になった関係で変な詐欺師(?)が注目を浴びることになった。森口某だが、この人はまさに自らが精神的な病になっている。精神分野ではiPS細胞が効果的かどうか知らないが、ハーバードも変な病人に名前を使われたものだ。森口某はマサチューセッツ総合病院(MGH)の研究員はしていたという。
ハーバードには大学の中に診療所があり、風邪くらいだったらここで済むが、ちょっと難しそうな案件では、医師は「MGH」に行けという。私は最初、この略語が一体何なのかわからず、エズラ・ボーゲルの前の奥さんのスザンナ・ボーゲル(スーさん)が診療所で働いていたので、聞いたことを覚えている。
スーさんはボーゲルとともに市川に長年住んでいたそうで、日本語は完璧だ。MGHは地下鉄レッドラインでハーバードから3つ目の「チャールズ(MGH)」で降りてすぐだという。まあ、駅名のサブタイトルに出ているくらいだから、かなり大きい病院であると想像した。
実際に行ってみると、これがアメリカの近代的病院だという感じで、広くて中で相当迷った。そんなに待たずに名前を呼ばれ、中に入ると、教授のそばには多くの東洋人がいた。これが「研究員」で、実際に手を下すことはない。教授の治療方法を見ているのだ。教授も治療をしながら研究員や大学院たちに説明しているので、患者としては参ってしまう。まさに実験台だ。
日本人もたくさんいて、研究員になるにはお金(授業料)を払えばすぐになれると思われる。森口某は医師免許を持っておらず、看護師の免許しかないそうで、それでも研究員にはなれる。それで、この病院がハーバードの系列なので、日本人にわかりやすいハーバードという名前が言ったのだろう。全くおかしな男だ。
こういう詐欺男でなくても、金融詐欺を行う人間も「ないものをあると思い込む」という精神病患者が多いそうだ。演技力もあるので気をつけたい。
経団連が自民党に接近ーもう民主党や新党は見限り?
経団連が民主党新内閣ではなく、自民党と会合を持ったことがニュースになっている。しかし、これは当たり前ではないか。近々ある総選挙で民主党の下野は間違いなく、「維新」の最近の迷走振りを見ると、自民党圧勝の可能性は高い。次の政権は自民党中心になることはほぼ間違いない状況で、今さら民主党でもあるまい。
経団連は1993年の自民党下野のときに、当時の平岩会長(東電会長)の判断で政治献金を一旦やめている。今は復活しているが、企業も自分たちが汗水たらして稼いだ金を野党に寄付するほど甘くはない。昔の花村仁八郎事務総長(兼副会長)が「見返りを求めない金」ということで始めた政治献金だが、それも自民党政権が安泰だったから自民党に献金していたわけだ。その見返りは表に裏に大きかったはずだ。
マスコミは経団連も日和見だなどと批判するが、より日和見の政治家を相手にするのだから仕方がない。ともかく政治家という生き物は「次の選挙」のことしか頭にないことが、最近の動きからより顕著になった。
「維新」から出れば間違いなく当選できると考えた「選挙に弱い」議員たちが維新に群がったが、雲行きはあやしくなった。
日本人もバカではないので、「維新」のまやかしはすぐに分かる。国民は細川新党以来、新党には騙され続けてきた。「維新」の今の陣容では、日本に維新を起こすなど不可能だ。自分の保身、議員という身分だけはほしい人間の集まりからは、「維新」どころか既得権益を守る発想しか生まれない。
次の選挙は「維新」から出ても当選しないことが分かった議員たちは、また鞍替えするのだろうか。さすがにそれはかっこ悪くてできないから、今回はあきらめ、次回に「風」の吹く政党から出るのだろうか。こんな政治屋の集まりの新党を見限って、自民党についた経団連は賢明かも知れない。しかし、政党の「選択肢」が自民党しかないのでは、何のための55年体制の崩壊だったのか、小沢一郎にかけて政治献金を廃止した平岩会長の英断が空しい。
今週は東京でIMF総会ー篠原尚之IMF副専務理事も大変
今週は約50年ぶりに日本でIMF総会が開かれるということで、都心は警戒態勢に入っている。欧州危機で今ほどIMFが注目されている時期もないと思うが、この時に東京で総会とはまた大変な話である。もっともこのことは何年も前から決まっていただろう。
IMFには日本から財務省ポストがあり、今の副専務理事は元財務省財務官の篠原さんが行っている。篠原さんは甲府一高の10年先輩で、思えば今から20年ほど前に宇宙開発の予算関係の仕事で知り合って以来、ご指導いただいている。日本におられる間は住まいが近かったので、よく土日に路上でお会いして雑談をした。
20年前は篠原さんは主計局の課長で、文部科学技術担当だった。大蔵省としては予算を抑えるのが仕事だが、私の経団連の宇宙開発担当者の立場としては、宇宙予算を増やすことが仕事だったので、ベクトルは反対だったものの、何とか毎年いい線で収めてくれた。ちょうど、田中真紀子さんが科学技術庁長官の末期で、宇宙予算削減の嵐もあり、宇宙関係者が苦慮していた時だ。
その後、 篠原さんはアジア開発銀行の理事をしたり、国際関係の部署にいたが、最後は財務官までいった。大蔵の中でも仕事師として知られ、中川大臣の朦朧会見の時には横に座っていたりした。今回この重要な時期にIMFに行ったことも大蔵、財務省の中で篠原さんの力量が高く評価されているからだろう。
注目の中で欧州問題、円高問題などで篠原さんがどういう発言をするか、今週は目が離せない。
田中真紀子氏が文部科学大臣に「復帰」-官僚たちは戦々恐々か?
田中真紀子さんは1994年に科学技術庁長官として初入閣した。私はその時に経団連で宇宙開発を担当していたが、科学技術庁の幹部は、当初「いい大臣にきてもらった。これで宇宙開発の宣伝にもなる」と歓迎の意向だった。しかし、それも1994年9月の「きく6号」という衛星の打ち上げ不具合で終わった。
そこからはボタンの掛け違いの連続だった。宇宙担当は大臣とのアポもままならず、後に事務次官になる坂田さんなどは宇宙関係の出張途中に帰国命令が出たりもした。通産省からきた新(あたらし)官房長官は打ち合わせ時のちょっとした行き違いで「解任」された。もちろん、大臣にはその権限があるが、それを「行使」する人はまずいない。
今回はどうなるのであろうか。田中氏を入閣された野田総理の意図は、一つは代表選に出馬をしなかったことへの論功行賞であり、もう一つは政権浮揚、人気取りだ。真紀子氏はそういう「勘」は相当鋭い人らしく、自分の役回りは十分理解していると思われる。人気取りのためには、まずは「官僚たたき」が効果がある。
となると、また官僚たちとのバトルが起きるのだろうか。科学技術庁の役人は「最初」だったこともあり、田中大臣とのバトルには負けていたが、外務省の役人は「二度目」なので、状況を科学技術庁の役人からよく聞き、結局はリークにより大臣を追い出した。ただ今回は解散までの「時間」が短いので、そんなに大きなトラブルにもならないだろう。
科学技術庁の知り合いにはまだ今回のことは聞いていないが、今の局長クラスは18年前に課長補佐をやっていた世代だ。大臣とは直接話はしていないが、打ち合わせには同席している。どういう「ものの言い方」をしたらいいかは分かっているし、大臣の方も3度目で大人になっているかもしれない。意外に何もなく終わるかもしれないが、国民は何か起こるのを期待している。もちろん民主党のマニフェストにもあった「政治主導」のきっかけだ。もう証文の出し遅れかもしれないが。
直販投信は広まるかー目立つパイオニア「さわかみ投信」の不振
今週水曜日の日経に直販投信の各ファンドの実績が紹介されていた。驚くべきことに、これらのファンドはかつて澤上篤人さんの勉強会に出ていた「仲間」が、それぞれ独立してつくったものばかりであることだ。しかし、過去3年でみると本家本元の「さわかみファンド」の極端な不振が目立つ。
何と過去3年でマイナス24.27%だ。改めて驚いた。これでは日経平均連動のETFを買った方がいい。さらにさわかみファンドは年間約2%の「配当」を再投資しているので、実質的には過去3年でマイナス30%だ。これでは澤上さんを信じて投資した人が浮かばれない。
他は、藤野さんのひふみ投信が過去3年でプラス9%というのが成績がいい。渋沢さんのコモンズはマイナス9%だからいま一つだ。しかし、投信は成績よりも残高で報酬が決まるので、圧倒的にさわかみ投信が利益が出ている。他のファンドは皆赤字のようだ。藤野さんも、小型株でうまく運用しているのに残高が少ないので、このファンドでは浮かばれない。これは大きな矛盾だ。
大阪のFPが始めた「浪花おふくろファンド」は成績は健闘しているが、残高が少ないので業務としては大変だろう。この方は澤上さんの勉強会でも澤上さんに心酔していることがよく分かったが、本当にファンドを始めるとは思わなかった。家族も反対していたと仄聞した。
他にも似た話を聞いている。やはり「事業」としてするのだから、利益が出ないと続かない。顧客にも迷惑をかけることになる。何より「結果」を出して、どんどんお金を集めて事業として成り立ってくれば、お互いにプラスになるので、そういう状況に早く持っていくことが理想だ。
直販投信はさわかみ投信初め、日本株への運用が目立つ。でも、「これから日本株?」という気がしないでもない。理念は素晴らしいのだが、まずは結果を出さないと直販投信そのものが信用をなくし、広まることもないのではないか。あくまでも投資なのだから、澤上さんがよく言っていたように「儲けてなんぼ」だ。
中国外交と韓国外交の違いー中国人は「大人」?
私がハーバードの東アジア科大学院にいたころ、学科長のワグナー教授とよく懇談をした。教授は韓国研究の権威で、そのころちょうど従軍慰安婦問題が勃発したので、教授に中国外交と韓国外交の違いの背景を聞いた。一言でいうと「自信」の違いということだった。
中国は自国の「文化」に対する絶対的な自信があるので、外交にも「余裕」がある。韓国はそのようなものはなく、中国と日本に攻められた歴史の中で「余裕」がなくなっている。だから外交も過激になっているという。まさに卓見だ。
このことは今日の中国側の反日ストの沈静化策にも表れている。数日前は「今回はどうなるか」と感じたが、中国政府は矛先を収めてきた。中国外交はいつも、最初に高いボールを投げてみて、その後に妥協するのだ。そもそも外交とはそういうものだが、中国人はそういう戦略的な行動を取る事が「大人」だと思っているようだ。
中国とも国交正常化以来、40年間いろいろな問題があった。教科書問題や覇権問題、領土問題などなどだが、その都度「どうなるか」と思わせながら、何となく事なきを得てきた。私の大学のゼミの先生は「日中友好21世紀委員会」の日本側の座長を務めていた石川忠雄・慶大塾長だったが、石川先生にもよく「今度は大丈夫か」と聞いたものだ。
先生は「大丈夫だ」の一言だったが、その理由を聞くと「中国指導者は大局的に外交を考えているので、日本と事を構えるより友好の方が得になることを知っているから」ということだった。「日本が中国にとって魅力がある限り、最後は必ず矛を収めて握手をしてくるのが中国だ」ということで、これも卓見だ。逆に言うと、中国にとって日本が魅力的でなくなると恐いことになるが、現時点では大丈夫だろう。
こう考えると、中国外交の方が韓国外交より一枚か数枚上と言えなくもない。事実、今回の日韓、日中の問題では日韓関係の方がおかしくなっている。誤解があったそうだが、韓国大統領が天皇への謝罪に言及したことはまずかった。韓国旅行者も減り、新大久保の韓流ショップは閑古鳥だ。中国のトップは天皇のことまでは言わない。やはり、中国人の方が「大人(ダーレン)」なのか。
日本人の8割以上が老後の備えに不安?-日銀調査より
日銀が事務局をしている金融広報委員会のアンケートによると、日本人の8割以上が老後資金への備えが十分でないという。これはあくまで「自己申告」であるが、実態はもっとひどいと思われる。下がる給与、減る年金、増税などを考えると「よくなる要素」は何もないからだ。
リーマンショック前はよく投資の「専門家」は、「一億あれば一生暮らしていける」と言っていたものだ。今では誰もこんなことは言わないが、その趣旨は「年率10%で運用すれば生活費は出る」ということだ。確かにその通りだが、この日本でそんな投資先はもうないだろう。外国には新興国中心にあるかもしれないが、為替リスクやカントリーリスクは大きい。
私が、投資家で「さわかみ投信」の澤上篤人さんの勉強会に出始めたのは1999年だったが、その時は澤上さんも「まともな会社に投資していれば年率10%は常識」と言っていた。私もその話を聞いて、まさに「1億円あればファイナンシャル・フリーダム(経済的自由)だな」と思ったものだ。世にはロバート・キヨサキの「金持ち父さんシリーズ」が流行っていた。ITバブルで株価も2万円を超えていた時期だ。
ところが、その後10数年経って、株価は半額以下で株式投資をしていた人は経済的自由どころか「経済的不自由」になっている。投資がダメなら本業はどうか。これも給与水準自体が下がっているし、東電やシャープのような優良大企業でもおかしくなる時代だ。今は優良企業でもいつ「明日はわが身」になるのか誰にもわからない。
さらに政治の貧困もあり、民主党政権が上げないはずの消費税まで引き上げを決めた。まさに「閉塞感」漂う日本だが、なかなか国外逃亡というわけにもいかない。投資もだめ、給与も上がらず、税金も上がり年金も下がる・・・、となるとお先真っ暗だ。この状態で「これだ」という処方箋は誰も持っていないが、確実に言えるのは、国には何も期待できないので個人の「自己責任」で生きるしかないことだ。
1998年の経団連会長争いー今井さんとNEC関本さん
経団連会長とはいかに選ばれるのかー選挙で選ばれるわけでもないし、外からみると非常に曖昧模糊としている。私も上のことは分からないが、だいたい前会長の意向で決まっているようだ。今日の日経「私の履歴書」では1998年1月に豊田会長から今井さんのところに電話がかかってきたところで終わっている。
経団連会長選びで自民党総裁選挙のような熾烈な争いは通常ないが、1998年は別だった。新日鉄今井さんとNEC関本さんとで、どちらになるかマスコミも巻き込んで話題になっていた。関本さんには宇宙開発の委員長を長くして頂き、個人的にも囲碁をしたりお話もさせて頂いた。アメリカの衛星メーカーに出向されていたこともあり、宇宙開発には相当お詳しかった。
関本さんが経団連会長になれば、宇宙開発に熱心なのでこの分野に力を入れてもらえるという期待も宇宙関係者からはあった。他方、今井さんの新日鉄も宇宙開発に関係はあるが(八幡製鉄所跡地を「スペースワールド」にしている)財務・企画畑の今井さんが宇宙開発に大きな関心があるとは思えなかった。
豊田会長も大いに悩まれたと思うが、結局は今井さんが会長で関本さんは評議員会議長になった。評議員会議長から会長になった例もあり、関本さんの経団連会長のルートが消えたわけではなかったが、その年に起きた防衛疑獄で可能性はなくなった。人間社会の無常を感じたものだ。
経団連会長一つとっても、その人の「運」を感じることがある。1994年に会長に就任するはずだったソニーの盛田さんは直前に倒れ、豊田さんが会長になった。私が経団連に入ったときの会長は新日鉄の斉藤英四郎さんだったが、この方は新日鉄の副社長で終わる予定の人だったらしい。社長になるはずの人が急逝され、自身が新日鉄の社長になり、経団連の会長にまでなったのだから非常に運のいい人と言われていた。
サラリーマン社会には人事に関するこのようなエピソードは枚挙に暇がない。経団連事務局のような300人程度の組織でも、当然事務総長になるような人が途中で転んだり、意外な人が役員や事務総長になっている。どんな小さな組織でも似たようなことはあるのではないか。
地方議員が大量に「日本維新の会」候補にーこれで改革が期待できるのか?
日本維新の会が衆議院選に300名もの候補を出すという。しかし、「どこにそんな人材がいるのか」不思議に思うのは私だけではないだろう。最近わかったのだが、全国の地方議員が「千載一遇」のチャンスとみて日本維新の会から立候補を模索しているようだ。しかし、手垢のついた彼らに「改革」が期待できるのか?
最近の国政選挙では、「誰でも風にのった政党から出れば」議員になれる。比例で当選(復活)できるからだ。だから杉村太蔵や派遣のおばさんでも比例で当選できる。そして、次の選挙で当然のように落選するものの、名刺を見ると「元衆議院議員」などという「肩書」になっている。日本の国会議員も随分と軽くなったものだ。
誰でも国会議員になれるのはいいかもしれないが、この人々が「国民代表」となるのだから世も末だ。特に地方議員で「とにかく国会議員になりたい」という人は非常に多い。まさに今回が国会議員になれる唯一のチャンスと考えるのも無理はない。しかし「何をしたいか」はない。
日本人もばかではないので、今回そんなにうまくことが運ぶかは疑問だ。「今」選挙をしたら維新の会は大勝するだろうが、数ヵ月後だと化けの皮がはげるかもしれない。「維新八策」が荒唐無稽なのは冷静に考えれば誰にでもわかる。橋本氏の劇場型政治が次回衆議院選でどこまで通用するか。
我々日本人は小泉郵政選挙、民主党のマニフェスト選挙に酔ったが、ことごとく裏切られた。その前にも細川新党ブームにも裏切られた。今度の橋本劇場に乗るとまた裏切られるのは分かっている。しかし、裏切られると分かっていても、それにすがるしかないとすれば、日本政治の貧困もここに窮まれりだ。
シャープがファミリービジネスのままだったら衰退はなかった?
シャープといえば、かつては優良企業の代表だった。私が1992年に米国留学から帰って、経団連でISO9000を担当したときに、まずお話を伺ったのはシャープの方だった。ISOの問題にも早くから取り組み、当時は一番対応が早かった。将来を見越しての投資だっただろうし、その読みは当たっていたはずだ。
ところが、ここ数年急速に業績が落ち込み大量のリストラをせざるを得なくなった。これで果たして業績が回復するのかも不明だ。また数千人のリストラされた方々はどうなるのかという問題も残る。大企業には社会的な責任もあるからだ。業績急落の原因はテレビの需要予測に誤りがあったと報道では伝えている。しかしそんな表層的な原因なのか。
創業者の早川さんは、当初リストラもしたそうだが、その後そのことに苦しみ二度とリストラはしない、社員は「家族」だと考えたそうだ。日本の強みだった「家族的経営」の走りである。ところが、シャープもサラリーマン社長の時代になって、社員を家族とは見ずに、また経営も短期的な視点になってはいなかったか。
ファミリービジネスのオーナーは一般的には社員を大事にするし、経営も長期的な視点に立つ。いや、そうならざるを得ない。ところがサラリーマン社長になると、どうしても「自分が社長でいる間のこと」しか考えない。善悪はともかく、そうならざるを得ない。10年、20年と長期的視野で考えなかればならない業界においては、この差は決定的になる。
サラリーマン社長の在任期間が4年だとすると、「5年くらいもつもの」に関しては集中投資をする。逆に、「5年後からはよくなる」ものに投資しても仕方がない。シャープの今の状態はそういうことに似ている。世界の亀山モデルの次のことをトップが考えていたとは思えない。確かに5年はもったが、10年はもたなかった。
日本が誇る「家族的経営」「長期的経営」は、やはりファミリービジネスにおいて達成される。経営学の本家である欧米のビジネススクールでは既にこのことに気づいて、有力大学ではファミリービジネスの講座がメジャーになりつつある。本家本元の日本でファミリービジネスが誤解され、研究も進んでいないのでは、日本経済の復活に赤信号がともるのではないか。