中年の危機(友人の場合)

年上の友人ばかりいるので、中年の危機がどうなったのか見ることができる。

というのをすっかり忘れていて、講座で話題になってようやく思い出したので友人Aの中年の危機の時期を見てみた。

Aに中年の危機のアスペクトができたのはつい最近の話である。

こちらで見ている限りは特にこれと言って何があったということもない。

ただ、新しく入ってくる人に全く恵まれず、仕事人間であるAが、ほとほと仕事が嫌になるという…仕事が嫌というよりも、スムーズに仕事ができないこの環境が嫌だ、という感じであった。もう、何なら辞めようか、それとも真由子ちゃんうち来ない？と言ってきたぐらいである。友人同士が同じ会社に入るのはまずかろう。友人としては良くても、仕事のこだわりはやはり友達付き合いでは見えない部分もある。彼女は大手で働いているから安定もしているし願ってもない申し出ではあったのだが、まぁなんといっても自分の仕事もあるし、一時の気の迷いだろうと思って丁重に断った。

毎度毎度入ってくる人がネタみたいな人物だから、デフォルメしてるのかと思うほどだったがそうでもないようで、いつも同じような話が繰り返されるからやはり事実なのだろうと聞きながら毎度毎度驚いていたが、いつもそのさらに上を行くとんでもない人が新しく入ってくるものだから、そういう意味で彼女の器はどんどん大きくなっていった。もはや最初の頃に怒っていた人のことなど「今考えたら大したことなかった」とのたまったほどである。それはまぁそうだろうと聞いていても思う。とんでもない人のネタ帳を作らせたらピカイチになりそうである。

そうして冥王星のスクエア、海王星のスクエアと経験して、昼とも夜とも判別がつかないほどに働きまくり、中年の危機と言えば大体40歳前後で来るものだから「もう体力がない」と言いながら一応何とか乗り越え、そして本当につい最近、むしろこの中年の危機が抜けてから彼女は転職した。

ちなみにまだ天王星のオポジションは来ていないから彼女の中年の危機はただの一時停止である。

しかし、彼女のアセンダント手前1度に天王星が来た時に、転職ができたのだ。ついでに言うとこの天王星はネイタルの火星とスクエアにもなっていたから、仕事に火星を燃やすタイプの彼女からすれば新しい仕事に燃えるということで使われたのだろう。先行きが不透明な感じもしないでもないが、これはネイタルのMCにSAの海王星が重なっているから仕方あるまい。しかし逆に、「こういう風に考えてる」というビジョンは割と明確だから、彼女の場合は海王星をうまく意識できていると言える。

Aのネイタルの冥王星は木星と重なるのみで6ハウスにあるから、今まで散々仕事をしまくったことで正しく冥王星を使っていたので中年の危機として激しく出る必要がなかったのではないかと考える。

海王星の方は8ハウスにあるのだが、母親の夢をかなえるべく、母親が「ここ行ってみたい」と言ったものには即座に反応し、チケットを取って一緒に行ってあげるという親孝行ぶりである。やはり正しく使えている。

中年の危機は怖いばかりではない。まぁ、Aの中年の危機はまだ終わっていないが。

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