塾 寺子屋アテネ 【三重県桑名市】 -5ページ目

塾 寺子屋アテネ 【三重県桑名市】

三重県桑名市で80年の歴史をもつ老舗の塾です。小学生を対象に、目的に合わせて選べる4つのカリキュラムを用意しています。

 

子どもたちには大人になってからも、いきいきと活躍してほしい。

そう願ったときに、子どものうちに磨いておきたい力として、「理解力」「伝える力」についてお話ししました。

 

みっつめは、「発想力」についてお話ししたいと思います。

発想力、数学や研究開発の分野ではひらめきとも言われます。

 

発想力とひらめきについて、AIに聞いたところ、以下のような説明がありました。

 

『発想力とひらめきは、新しいアイデアを生み出す力です。

発想力は、収集した情報や視点などを組み合わせ、一つの考えや形にまとめる力です。

一方、ひらめきは、粘り強く一つのことをやり続け、蓄積された思考をもとに生じる一瞬のアイデアです』

 

この説明を読むと、発想もひらめきも、下地となる様々な情報や経験が積み重なって生まれるものだということが分かります。

 

では、その下地となる情報や視点、経験や考えはどうやって自分の中に取り入れていけばよいのでしょうか?

 

色々方法があると思いますが、

アテネは下記の方法で、発想力とひらめきを養えると考えています。

①全般的な発想力には、楽しんで様々な本を読むこと

②数学のひらめきには、面白いと思える色んな種類の問題にたくさん触れて、自分なりに考えること

③自然体験や科学工作を通して、不思議を面白がりながら、多様な経験をすること

 

大学に入って研究をしている人や、その後研究職に就いたアテネの卒業生の方から話を伺うと、

読書の授業の有難さが大学に入って研究をするようになってから初めて分かった、と言われる方も多いです。

 

アテネの授業は全体的に地味ですが、

数学の授業や自然体験・科学工作と比べて、読書の授業は特に地味にうつります。

 

低学年は絵本を交えて、高学年は主に長編を読む。

そして感想文を書くだけ。

他にも語彙力を増やすための問題や、百人一首、文法の授業なども行いますが、

主軸は本を読むことと感想文を書くことです。

 

シンプルすぎて、そんなの家でもできる!

と思われる方もいるかもしれません。

そんなお遊びみたいなもので、何の力がつくんだ!と思われる方もいるかもしれません。

 

実際、過去に、生徒が読書は月謝泥棒だ、と言っていたという話もあります。

けれども、その生徒が大学に入った時に、連絡を取ったら、読書の授業の凄さが分かった、と言ったそうです。

 

私個人としても、大人になっても役立っているのは数学よりも読書で培った力だなと思っています。

(それは私が文系の学部、文系の職種だったからかもしれませんが…)

 

子どもの頃、読書の授業で読んだ本は大人になってからも特別大好きな本が多いです。

自分では選ばないような本も多く、読書の授業を受けたからこそ出会えた本だと思っています。

 

発想力、というにはささやかなものかもしれませんが、

ブログを書く時やイベントを企画する時のアイディア、

困難に逢った時に自分を見失わないための視点や、考え方。

様々なところで、読書で培った「発想力」が役立っていると感じています。

 

また、自分が普段手に取らないような本を読んでみることの楽しさを知ることが出来たのも、

読書のおかげだと思っています。

 

==================================

2月、3月に入塾説明会を行います。

説明会にご参加下さった方は、体験を2回受けていただけますので、興味のある方はぜひホームページをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どもたちがいきいきと勉強する中で、

大人になってからも役立つ底力を養っていきたい。

 

自分の子どもが大人になった時に、自主的に、希望を持って人の役に立つ仕事をして欲しい。 

そう願ったときに、子どもに身につけてほしい力は、シンプルで、普遍的なものだと考えています。

 

前回の投稿では「理解力」についてお話をしました。

今日は、ふたつめの力「伝える力」について、書きたいと思います。

 

自分の状況を相手に伝える

自分の情報を相手と共有する

自分の分からないところを相手に聞く

 

社会では「報連相」が大切だとよく言われます。

実際、親御さんたちも、「報連相」の重要性を感じていらっしゃる方が多いです。

 

「伝える」というと、上手な伝え方を想像する方もいらっしゃるでしょうが、

「報告」「連絡」「相談」で一番大切なことは、

上手な伝え方(伝え方のテクニック)ではないように、私は感じています。

 

「伝える」上で、一番大切になってくのは、

自分と周りの状態を整理し、理解していることです。

 

「報告」では、自分が何を考えてどう行動し、どういう状態にあるのか、進捗状況や結果を把握していること。

「連絡」では、自分の状況から、相手に共有した方がいい内容を把握していること。

「相談」では、自分がどうやって物事に取り組んだが、何が分からなくて、どこに困っているのかを把握していること。

 

この3つに共通して言えるのは、相手に自分の意図を理解してもらう上で、

「自分が何が大切と思ったから」「どう考えて」行動を起こしたのかを押さえておくことが大切であるということです。

 

ですが、自分が「どう思ったか」「どう考えたのか」というのを把握しておくのは、自分事とはいえ難しいものです。

 

皆さんは人の話を聞いて、意見を求められたときに、とっさに言葉が出てこない、という経験はないでしょうか。

また、分からない事柄を聞きたいが、いったいどこが分かっていないのか把握できていなくて質問ができない、という経験はないでしょうか。

 

「自分がどう思ったのか」「どう考えたのか」という頭の中でぼんやりとしていることを、整理して、言語化するのは、意外と大人でも苦労するものです。

 

読書の授業は、本を読んだ後に、読書感想文を書きます。

本を読んで「自分がどう思ったのか」「どう考えたのか」を自分のペースで紙に書いていきます。

 

読書感想文は、口で自分の考えを述べるのとは違って、とっさに言葉が出てこない子も、焦らずに自分の内面と向き合って、言葉にすることが出来ます。

 

そうやって、何年もかけて自分の頭の中にある思いや考えを言語化する練習をしていきます。

 

私は大学の頃、A41枚のレポートを30分ほどで書き上げていました。

今もこのブログを30分ちょっとの時間で書いています。

 

これだけ、楽で、気軽に自分の思ったことや考えたことが言語化できるのは、読書の授業に小学生・中学生と通っていたおかげだと思っています。

 

読書の授業は、大変地味な授業ですが、大人になった塾生の方からも、役に立った、もっとまじめに授業を受けていればよかったと言われることが多い授業です。

ぜひ、お子さんの「理解力」「伝える力」を、楽しみながら、養っていきましょう。

 

========================

寺子屋アテネは桑名で79年続く老舗の塾です。

長年の実績に基づいた、いつの時代でも役立つ普遍的な要素を抽出したカリキュラムが強みです。

2月と3月に入塾説明会を行います。

興味のある方はぜひホームページをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

子どもたちがいきいきと勉強する中で、

大人になってからも役立つ底力を養っていきたい。

 

では、大人になってからも役立つ底力とは何だろうか?

と考えた時に、一番根幹の部分になってくるのは理解力だと思います。

 

教科書を読んで、理解ができたら、勉強は自分でできますよね。

また、先生の授業を聞いて、理解が出来たら学校の勉強もできると思います。

 

「理解」というものには深さがあると思っていて、

どれだけその背景、成り立ちや意図をくみ取れるかで、

理解度合いは大きく変わってきます。

 

例えば算数や数学の学校の教科書の、

例題を読んで、その背景にある成り立ちや意図までくみ取って応用にも生かせる人もいれば、

行間はくみ取れなくても、例題は理解しているので類題は解けるようになる人もいるし、

例題を見ても、よく分からないなと思う人もいる。

 

どんなレベルの人でも、理解する力を高めていきたい。

そう思ったときに、理解力を深めるためには何がいいかというと、

まず初めのステップは、「理解しようとすること」だと思います。

 

それには自分が面白いと思う本を楽しんで読む。夢中になって物語やお話を楽しむことが、

一番自然で、能動的に、自分のペースで「理解しようとする」ことを子どもたちが体感できると思っています。

そういう経緯もあって、寺子屋アテネは、読書の授業を根幹とし、小学校低学年のうちから開講しています。

 

仕事をすると、

人と関わり、人の話を理解するということが、多くの場面で必要になってくると思います。

理解の度合いが深い人というのは、たとえ相手がぼんやりとした説明をしても、

その人の意図をうまくくみ取って的確に返事や行動をしているなと思います。

 

そこまでの力を身につけられる人は、一部の人なのかもしれませんが、

その根底にある「理解しようとする」姿勢は、その人の経験次第で、

誰にでも身につけられると思っています。

 

読書の授業では「伝える力」も大切にしています。

それは、ふたつめのお話でできればと思っています。

 

===============================

寺子屋アテネは、三重県桑名市で75年以上続く老舗の塾です。

2月、3月に小学生を対象に入塾説明会を開催します。

無料で2回、体験授業が受けられますので、

興味のある方はぜひこの機会にお申し込みください。

塾 寺子屋アテネ | 三重県桑名市 | 塾 | 昭和21年創業

 

 

 

 

 

 

 

 

前回の投稿で、

「いきいきと勉強できる場を作る」

という軸に変えたら世界が変わったというお話をしました。

 

 

今回は、「いきいきと勉強できる」ってどういうこと?というお話をしたいと思います。

 

「いきいきと勉強できる」と、

勉強が楽しくなるし、分かると楽しい!とテンションが上がります。

だんだん調子が出てきて、集中して時間を忘れて勉強に取り組むようになってくると、

できたぞ!と満足感も高く、1日が気持ちよくすっきり過ごせるようになります。

分かりやすく正解がある勉強は、自己肯定感を上げるステップの材料としてぴったりです。

 

この経験は、大人になってからも、大切な経験として生きてきます。

あの時頑張れた自分。

子どもの頃の満足感。

やったぞ!という感覚。

自分の行動に満足して、満ち足りた気持ち。

頑張りが成果として出たときの喜び。

 

与えられた役割を楽しんで、能動的に取り組む力は、

大人になってからも大切になってくる力だと思います。

 

やらなければいけない仕事を嫌々こなすか。

やらなければいけない仕事に満足感と楽しさを感じて取り組むか。

 

どちらの取り組み方をするかで、

人生の楽しさも、仕事への価値観も、大きく変わってくるでしょう。

 

子どもの時の「いきいきと勉強に取り組む」経験は、

これからの人生に良い影響を与えてくれると思います。

 

では、「いきいきと勉強に取り組む」とは何でしょうか?

(親御さんも考えてみてください)

 

私が思う「いきいきと勉強に取り組む」こととは…

 

・周りと比べて一喜一憂しない(周りと競争しない)

テストの1回1回の結果で情緒がジェットコースターにならない。

順位や偏差値を気にして精神不安定にならない。

気楽に自分のペースで勉強と向き合う。

 

・自分軸で勉強する

自分が理解できているか?理解できていないか?

分かっているか?分からないか?それだけに集中する。

他人がどんなにできていようとできていまいと、

自分の理解度がどんどん上がっていけばいいだけのこと。

 

・分からない問題も、一生懸命時間をかけて考えて、

分かった瞬間、「すごくうれしい!」というテンションの高まりを感じられる。

悩んで悩んで悩み抜いた問題ほど、

自力で解けるとすごくうれしいもの。

その嬉しさ、気持ちの高ぶりや満ち足りた感覚を味わう。

 

・今自分がどうであれ、「もっとできるようになりたい」と思う。

勉強ができるほうでも、できないほうでも、もっとできるようになりたいという

新鮮で純粋な欲求を持つ。

それをエネルギーに変えて勉強に向かう!

 

・知らないことを知るのは、楽しい!と思う。

知らないことを知ることは楽しい。

新しいことに取り組むのは楽しい。

まったく興味がなかったのに、

実際に学んでみたらすごく面白かったりして、

世界が広がっていくのが楽しい。

幼少期の「なぜなぜ?質問時代」の心を思い出す。

 

・勉強を自分で工夫することを楽しむ。

ノートの分かりやすい取り方。

どうしたら理解できるんだろう?

間違いを少なくするには?

自分で工夫してもっと良くなっていく感覚を楽しむ。

 

=====================

他にもありますが、

これらをまとめて「いきいきと勉強に取り組む」と表現しています。

 

卒業生(出身者)の声に掲載しているN君のインタビューで、

N君はこんなことを言っていました。

 

『―好きな教科は?』

『数学。答えが分かると気持ちいい。

答えが分からなくても、やり方が分かってなるほど!となると楽しいし、ずっと考えていて分かった時もめっちゃ気持ちいい。』

 

答えが分かっても分からなくても楽しい。

この感覚は最強だと思います。

人生の壁を乗り越える楽しさ。

なるほど!と納得を楽しむ姿勢。

 

例えば公式の導き方(成り立ち)が分かる楽しさ、というのは、

理解できないと思っていた人の思わぬ生い立ち(背景)を知って、

その人の見方がガラリと変わる新鮮さに通ずるものかもしれません。

 

寺子屋アテネは、

お子さんが「いきいきと勉強をする」場の提供を行い、

親御さんと一緒に、お子さんの自主的な成長をサポートしたい、と思っています。

 

生徒さんと親御さんにはお伝えさせていただきましたが、

2026年3月以降、寺子屋アテネが続く可能性は20%です。

 

2月に小学生を対象に、入塾説明会を行います。

最後になるかもしれないこの機会に、ぜひ一緒に「お子さんがいきいきと勉強する場」を経験してみませんか?

 

 

 

 

昨日、N君親子にアテネの思い出について語ってもらった文章を投稿しました。

インタビュー形式で行ったのですが、

お話を伺った後、私の中で大きな変化がありました。

 

2つ前の投稿でも書きましたが、

去年は特に、

「もっと勉強ができるようになって欲しい」

という強い思いを持って、生徒と向き合っていました。

 

でも、その思いが自分を頑なにさせていて、

肩に力が入っていたので、

生徒もしんどかったと思います。

 

そんな時、現在中学1年生のN君親子にアテネの思い出をインタビューすることになり、

親御さんに、最後、

「親御さんから見た、アテネという塾の良いところを教えてください。」

と質問をしました。

 

それに対して親御さんは、

「子どもも小さな大人として見ているところです。」

とはっきり回答されて、その言葉にはっとさせられたのです。

 

確かに子どもたちと近い目線で接することができていた時期はありました。

けれども、今、子どもたちとの距離は大きく離れていないか?

上から見た気になっていないか?

改めてN君の勉強を見ていた、あの時の気持ちを思い出すきっかけになりました。

 

N君の親御さんのインタビューの中のお話で、

『言葉にしたとしても、伝わっていなかったら言っていないのと一緒という話をよくしています。』

『伝わることが目的なので、(N君が好きなもののたとえ話をするなど)手段は問わなかったですね。』

という言葉も身に沁みました。

 

頑なになっている今の私の伝え方では、きっと生徒に伝わっていないだろうと思いました。

 

言葉というのは、水のようなもので、緩んでいる時によく沁みます。

伝える側も、受け取る側も、固まっていては、なかなか入ってこないのですね。

 

今のままではいけない。そう思って、年末年始の休暇中に、自分を見直すことにしました。

そこで何から見直そうか?となった時に、ヒントになったのもまた同じインタビュー内容でした。

 

受験の面接対策で、教育方針、モットー、子育てする上で意識したことなどを、改めて考えなおしたというお話です。

 

そこで、私の仕事でのビジョンを見つめなおすことにしました。

年末年始の、ちょうどリラックスしているタイミングなのも良かったです。

やはり、緊張している時に、心から望んでいる、いい案は出難いからです。

言葉にしたり、色を思い描いたり、光景を想像したり、自分の気分はどうなっていたいか?を考えたり、

様々な方面でアプローチをして、自分の本当の望みを見つめなおしました。

 

「子どもがいきいきと勉強できる空間作りを目指す」

そうして出てきた、私のビジョンです。

 

今までの私のビジョンは、一言でいうと「学力向上」でした。

けれども、その思いに捕らわれるほど、根本の大切なものを忘れてきたような気がしていました。

 

そうして、年末年始の時間をたっぷり使って、自分の大切にしたい価値観を考え直して出てきたのが、この言葉です。

この方針を自分の中で決めてから、まだ数日しか経っていませんが、

何かあると「子どもがいきいきとできるように!」と言葉が頭を過ります。

そうすると、方針とずれるようなことが有っても、はっとこの軸に立ち返れるのです。

 

N君の親御さんは、アテネにお子さんが通ったことで、人生が変わりましたと答えてくださいました。

私も、このインタビューをきっかけに、ビジョンを見直したことで、世界ががらっと変わりました。

かける言葉一つとっても変わりましたし、授業の雰囲気だって、大きく変わったと思っています。

気持ちもだいぶ楽になりました。

 

この方針で、私は人の役に立ちたい。そう思いました。

 

N君のインタビューにもある、教育方針、モットー、子育てする上で意識したことなどを改めて考え直して、

子育てに対するビジョンを明確にするのは、ぜひ他の親御さんにも、やってもらいたいです。

ぜひ、この機会に、自分が本当に心から望む子育ての軸、世界観、ビジョンを見直してみてくださいね。

 

===========

2月に入塾説明会を行います。

興味のある方はぜひご参加ください。

 

 

 

N親子へのインタビュー

(親御さんのご意向により、イニシャルで表記します)

 

N君は、小5の8月にアテネに通い始めました。

年長から小5の6月までは親御さんの仕事の関係でアメリカにいて、コロナ禍だったのでアメリカでの日本語学校がお休みになり、1年ほど日本語の勉強に触れていない中での日本への帰国でした。

 

始まりは読書の個別指導(90分)から。

通常の読書の授業で行っている本の音読と読書感想文に加えて、漢字を覚えてくるのを宿題にして、漢字の確認テストも行いました。

帰国子女の生徒さんに教えるのは初めてだったので、N君も我々教師も初めの方は四苦八苦していたと記憶しています。

3か月くらい経った頃に、学校で使っている漢字ドリルで勉強する方法が一番いいことに気がつきました。

1年生から4年生までの過去の漢字ドリルを購入してもらい、振り返りを行います。

音読と感想文のテキストも、漢字を読むのが苦手なN君にとって読みやすく、かつ面白い本を見つけることが出来ました。

 

学校の算数も補強したいということで、数学の個別指導も追加で行うことになります。

N君の算数の勉強を見ていた塾長が、地元の中学に進学するのではなく、国際系の中学に進学する方が良いのではないかと言いました。講師の中で話し合って、その旨を親御さんに伝えることにしました。

親御さんはこの提案に前向きで、国際系の学校を調べるうちに、N君が同志社国際中学校を気に入り、同志社国際を目指すことになりました。

そこから受験を見据えながらも、こつこつと読書と数学の勉強を積み上げ、同志社国際中学に合格しました。

 

私たちにとって、N君は、思い出深い生徒です。

初めての帰国子女の方向けの授業、色々試しながらN君の反応や成果を見て、良い方法を探っていきました。

国際系の中学を勧めるときは、塾として出しゃばりすぎではないかと内心不安もいっぱいでした。

そんなN君は、現在(2024年)中学1年生です。

N君とお母さんに、アテネの思い出を振り返ったインタビューをお願いしました。

 

◆N君への質問

―どういうところを頑張りたくて、アテネに通っていましたか?

海外にいて英語を使っていて、漢字や日本語に慣れていなかったので、アテネに通って日本語に慣れていくため。

 

―その頑張りたかったところは、アテネに通ってどう変わりましたか?

日本語の文章を書くことが一番変わった。

通っていないよりは相当慣れた。初めはあまり書けなかったけれど、最後の方はたくさん(感想文2枚程度)書けるようになった。

 

―アテネに入る前(アメリカから日本に戻ってきたばかりの小5の7月)と、アテネに通っていた頃(小5の8月~小6の3月)との違いはどうでしたか?

2022年の6月に日本に戻ってきて、最初は学校で教科書を読む(音読)する時漢字が読めなくて大変だった。アテネに通ってだんだん日本語が読めるようになってきて、最後の方も分からない漢字はあったけれど、たいぶ読めるようになった。

 

―アテネに通い始めた頃(小5の8月)から、最後の方、小6の3月ごろの気持ちの変化を教えてください

最初は、日本語が分かってなくて先生も大変かなと思ったけど、楽しく勉強できた。

 

―アテネに通っていて楽しかったところを教えてください

本を読むのが楽しかった。特に、恐竜の本(ロスト・ワールド)が楽しかった。

 

―アテネに通っていて大変だったことは何ですか?

特にないけど、学校でも必死で疲れていて、体が疲れていたので、たまにアテネに通うのが辛かった。

 

―アテネの授業で一番印象に残っているのは何ですか?

感想文を書いたこと。自分が思っていることをいっぱい書けて良かった。

 

―国際系の学校へ通うのはどうかという話が出た時、どんな気持ちでしたか?

楽しそうだなとわくわくした。

 

―国際系の学校について調べる中で、今の中学を知って、そこを目指すと決めた時はどんな気持ちでしたか?

日本語が苦手でも通えるのがいいなと思った。似た経験をした人がいっぱいいいて、友達をいっぱい作れそうで良かった。

 

―アテネでの授業(漢字、読書、数学、面接対策)はどうでしたか?

(読書の話は前の質問でしたので、他の内容について聞きました)

算数は、授業だけじゃ頭に入らないからアテネで復習できたのは良かった。

面接は、コツとか習ったのが使えた。

 

―アテネに通っていて良かったことは何ですか?

日本語をしゃべれるようになって、(学校で)友達を作れて良かった。

 

―今の学校での生活はどうですか?

友だちもいっぱいいて、授業も全教科分かるから勉強が楽しい。

 

―中学で学校や勉強に対する気持ちに変化はありますか?あるとしたらどう変わりましたか?

楽しみながら勉強できるように変わった。

 

―今の学校でどんな勉強をして、将来どんな風になりたいですか?

知らない人でもにぎやかに話せたり、簡単に友達が作れる人になりたい。

 

―英語も日本語も話せるから世界中の人と友達になれますね。話す方が好き?聞く方が好き?

聞く方が好き。

 

―勉強面ではどうですか?

もっと英語力を上げたい。小学校でやっていない技術にも取り組みたい。

 

―好きな教科は?

数学。答えが分かると気持ちいい。

答えが分からなくても、やり方が分かってなるほど!となると楽しいし、ずっと考えていて分かった時もめっちゃ気持ちいい。

 

―ありがとうございました。

 

 

◆親御さんへの質問

 

―アテネを知ったきっかけと、どんな悩みを抱え、どんな思いがあってアテネを選ばれましたか?

知り合いからアテネは手厚いと聞いていて、ホームページの内容を見て、Nに必要なものがこの塾には全てあると思い申し込みをしました。

悩みとしては、コロナの関係で、日本語の補習校が1年休みだったので、相当苦労しました。

Nは苦労した内容も言葉にできない状態で、何が分かっていて何が分かっていないのかも分からなくて、ふわっとなんとなく分かる状況に慣れていました。

きっちり理解できないことに危機感を覚えていました。

 

―アテネにお子さんが通い始めて、意外だったことがあれば教えてください。

知り合いから手厚いとは聞いていたのですが、アテネは個人を見て、トライアルアンドエラーで、その子の様子を見ながら、子どもに合った授業をしようという姿勢が感じられました。

 

―アテネに通っていて、最初の方はアテネ側も、親もお子さんも手探り状態だったかと思います。そこから学校の漢字ワークを使い、勉強方法が安定したと思っています。最初の四苦八苦していた状況から、卒業する小6の3月までの気持ちの変化を教えてください。

学校の教材を使ったのは、良かったと思っています。

Nは、学校以外の勉強を嫌がって、宿題以外の勉強をやりたがらなかったのですが、学校の教材を使うことで、学校でも役に立っている勉強をしている、とアテネの勉強が自分ごとになったと思っています。

余計な勉強をやらされている感じが少なかったのだと思います。

 

―通い始めてしばらく経って、国際系の中学校への進学をアテネから勧められた時、どう思いましたか?

11月に先生からお話をいただいて、その1か月後の12月に同志社国際中学の最後のオープンスクールに行っていました。

お話を頂いてから怒涛の勢いで進んでいったのを覚えています。

オープンスクールでは、Nは自分で考えた質問をたくさんしていて、Nも学校をさらに気に入ったようでした。

 

―アテネに通っていて、今の中学校を受けると決まってから、小6の3月まで、親御さんの気持ちの面、お子さんとの付き合い方でどのような変化がありましたか?

受験を通して、子育てに対する意識は大きく変わりました。

受験に必要な資格は英検準1級で、受験科目は面接だけだったのですが、その面接練習をする過程で、家族の意識が変わりました。

親子でお互いとことん自己分析をして、言葉で説明することを行いました。

今まで特に方針などは無かったのですが、教育方針、モットー、子育てする上で意識したことなど、親としても子育てについて改めて考えさせられた機会でした。

日本語が苦手なNにとって、面接のための自己分析と言語化は、苦しいものだったと思いますが、親子の絆や信頼関係が深まったと思っています。

 

―面接対策の時に考えたモットーについて、お伺いしても良いですか?

はい。豊かな人間性を育てること。思いやりのある人に育てること。

心身ともに健康であって、得意や興味のあることをとことん追求させること。

まずは自分を大切にすること。

自分を大切にする感覚が十分に分かったら、自分を大切にするのと同じように相手を大切にすることです。

 

―子育てをする上で意識したことも伺っても良いですか?

好きなものに絡めて、例え話をたくさんしました。

伝わることが目的なので、手段は問わなかったですね。

大好きな車の話に絡めたり、レーサーの話に絡めたりしました。

Nにも、言葉にしたとしても、伝わっていなかったら言っていないのと一緒という話をよくしています。

 

(―なんのために、どういう理由で、と目的を常に意識することと、伝わってなかったら言っていないのと一緒、というお話が身に沁みました)

 

―今振り返ると、アテネにお子さんが通ったことで、どんな変化があったなと思いますか?

大げさではなく、人生が変わりました。

 

―行動をすると関係が壊れるリスクがあると常に思っていて、正直国際系の学校を勧めるのも出しゃばりすぎではないか、関係性を壊すのではないかと恐怖がありましたが、そう言っていただけて有難いです。

Nの性格を見て、こっちの学校の方が合っている、と思ってくれたのだなと気持ちが伝わってきました。話をいただいた時、Nの幸せの度合いや量を考えた時に、その選択がベストだなとも思いました。

勉強だけでなく、礼儀や上下関係も分かっているようで分かっていない状況だったので、Nはコンプレックスを抱きやすい状態でした。今の学校は、劣等感を抱かずに苦手な教科は救ってくれますし、英語は一番上のクラスで手ごたえのある授業を受けられています。

 

―アテネを通してお母さんが学んだことや気づいたことはありますか?

子どもの勉強に対する精神状態を健全にキープする方法を学べたのが良かったなと思います。

アテネでは模試や試験が無いため、結果を見て神経を尖らせたり、他の子と比較することが無かったのが、我が家には合っていたと思います。

漢字や日本語を小学生のうちにどうにかしなければという焦りもありましたが、アテネでは他と比べるような要素が無かったので、だんだん心にゆとりを持って子どもの勉強に向き合うことができるようになってきました。

子ども自身も、今の自分に素直に向き合うことができ、前向きに勉強を頑張ることが出来ました。その環境が励みになっていたように思います。

親より先生の方がNの勉強のことを考えて下さっている時があったので、私もちゃんとケアしないとだめだなと思ったことが気づきでした。

先生との電話がヒントになることもありました。

愚痴を聞いてもらったりして、健全な精神状態が保てていましたし、先生と連携が取れていたと思います。

 

―アテネに通っていて助かったことはどんなところですか?

個別指導の時間が90分と長かったので、勉強の姿勢が身につきました。

長時間机に座っていられますし、すんなり勉強する習慣ができたなと思います。

宿題を多く出さないのも無理をさせないので、勉強を嫌にならなくて良かったなと思います。

 

―アテネという塾の特徴、他と違うところがあれば教えてください。

アインシュタインの言葉で、「愚行とは、同じことをして違う結果を期待すること」というような言葉があるのですが、アテネはトライアル&エラーで色々なやり方を試してくださって、勉強法が合うまで探してくださるところが他と違うと思います。

色々考えて下さるので、子どもの勉強に対して迷うことが少なかったなと思います。

また、季節の行事や科学の講習会や理科実験イベントがあるところも特徴だと思います。

どのイベントも子供だましじゃない本物が多かったと感じています。

 

―親御さんから見た、アテネという塾の良いところを教えてください。

子どもも小さな大人として見ているところです。

だから算数ではなく数学と言ったりしているのかな?と思ったりもします。

科学の講習会や理科実験イベントは、入り口は子どもが好きそうなものですが、理科や科学の知識が詰まっていたり、季節の行事はこうやって筍を取るのだと学ぶことが出来て、全部が本格的でした。

実験や筍掘りなど体験型の学習ができるのもアテネの魅力のひとつだと思います。

 

―有難うございました。

 

<N君の経歴>

2011年生まれ

2017年~2022年6月 年長~小5の6月まで親の仕事の関係でアメリカに滞在

2022年7月 日本に帰国する

2022年8月~2024年3月 寺子屋アテネに通う

2024年 同志社国際中学校入学

 

=====================

寺子屋アテネは、桑名で75年以上続く老舗の塾です。

2月に小学生を対象として入塾説明会を行います。

 

 

 

 

子どもの成長を考えた時、何が大人にできるのかというと、

まず、大人が自分を緩めることだと最近気が付きました。

 

「もっと頑張ってほしい」

「もっときちんとしてほしい」

大人には、子どもに対する色んな思いがあると思います。

 

私も、生徒たちに、

「もっと勉強ができるようになって欲しい」

という強い思いがありました。

 

でも、その思いを持って子どもに接すると、何か重いのですね。

己の変に肩に力が入る、というか、緊張している、というか。

凝り固まっている、というか、押し固めている、というか。

意識が強いほど、なんだか重く、子どもと接していても摩擦を感じます。

 

緊張は伝染するといいますが、

大人のその重さは、子供にすぐに伝わります。

 

そうすると、子どもも何だかだんだん重くなっていくのです。

 

しかし、子どもがいきいきと勉強に取り組むは軽さが必要なのですね。

 

「真面目に」「きちんと」「自主的に」「しっかり」「集中して」

という勉強につきまといがちなキーワードには、

一見、重さや固さが感じられますが、

実際、その言葉通りの行動をできている人の意識は軽いんだと気がついたのです。

 

私自身、過去を思い返して、

中学1年生の勉強が楽しくて勉強に集中していた時期は、

「自主的に」「しっかり」「集中して」「真面目に」勉強ができていましたが、

体感として、意識の軽さがありました。

純度が高い、というか、摩擦が少ない、というか。

緊張しているか緩んでいるかで言うと、緩んでいて朗らかでした。

ストレート、というか、自然体、というか。

(……うまく言葉にできないので、皆さんも子どもの頃の勉強が楽しかった時のことを思い出してみてください。)

 

人の雰囲気が環境を作ります。

そして場の空気は伝わるものだと思います。

 

そう考えた時に、

子どもにいきいきと勉強に取り組んでもらうために大人ができることは、

大人自身がまず緩んで場の雰囲気を整えることなのではないでしょうか。

 

緩むためには、

自分の心地いい感覚を十分に味わい、

ほっとしていることだと思います。

 

そうして大人が心地の良い場の空気を作る。

 

日常生活に追われていると、

緩むこと、解すことは案外難しいことだと思います。

 

自分が我が家のご神木になったイメージで、

(場の空気を整えるというと、ご神木のイメージがいいかなと思い、最近意識に取り入れています)

まずは自分を整える時間を意識して作ってみるのも案外良いです。

 

手触りの良さ、良い香り、美味しいもの、暖かいもの、好きな音、綺麗なもの、

心地いいものに触れる時間を使って、それを味わってみましょう。

 

環境が人の成長に大きく影響を与えるのならば、

その「環境」とはいったいどういったものなのか?

私なりに考えた仮説です。

その仮説を元に行動していますが、結果は今のところ上々です。

 

お子さんが、いきいきと勉強に向き合える環境はどんな場の雰囲気、空気感だと思いますか?

色に例えると何色でしょう?

親御さんも、ぜひイメージして、

そのイメージを現実で形にしてみてください。

 

=========================

2月に小学生を対象とした入塾説明会を行います。

まだはっきり決まってはいませんが、今年が最後の機会になるかもしれません。

興味ある方は、ぜひこの機会にアテネの授業を体験してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あけましておめでとうございます。

寺子屋アテネも新年の授業が始まりました。

 

塾長はあまり「教える」ということについて話しませんが、

以前、こんな話をしたことがあります。

 

「解説は極力解釈を加えないで行う。

解釈は、生徒が各々で行うべきもの。

先生が解釈を入れて解説をすると、

生徒はその解釈に染まってしまうので良いことではない」

 

教える、という行為において、

分かりやすい解説、

分からないところを誰でも理解できるように説明ができる人が

教えるのが上手い人、と言われがちですが、

考える力をつけるためには、

考える余地を残す、余白のある解説が、大切なんだろうなということに、

私自身、生徒に教える中で気がついた事でした。

 

初めの方は、

分からない問題を分かってもらうことに集中していたので、

どうしたら分かりやすく教えられるかを考えて、

解説をしていたのですが、

次第に、分かりやすくかみ砕いて教えることが、

生徒の考える機会を奪っているのだと考えるようになりました。

 

塾長の解説はシンプルで、

言葉も少なく、

一見誰にでも出来そうな簡素なものですが、

極力無駄を省いた教え方とも言えて、

それができる人は、

なかなかいないのではないかと今なら分かります。

 

「理解してもらおう」

という思いが強いほど、

人は言葉を重ねます。

飽きないようにメリハリを付けたりもします。

分かりやすい様に強調したりもします。

 

淡々とした言葉少ない授業ができる先生は、

パフォーマンス性にかけた

つまらない授業かもしれませんが、

理解したいと言う気持ちが生徒の中にあれば、

その余白は良い教材となります。

 

アテネのホームページに掲載している、卒業生の声に、

木村優奈さんが『正直なところ、何が結果に結びついたのかは今でもわかりません。』

と言っているように、

私も塾長の授業の、どこが生徒の考える力を伸ばす秘訣なのか

最近まで分かりませんでした。

 

授業を重ねる中で、

分かりやすく教えようとすることが、

生徒の考える力を伸ばすのを阻害していることに気づき、

その話を塾長にしたところ、

冒頭に書いた言葉を塾長は言いました。

 

寺子屋アテネは、

アテネに通っていて良かったと大学に入ってから思った、

大人になってから良さが分かったと言う人も多い、

独自のカリキュラムが強みですが、

一番大切なのはカリキュラムではなく、

考える力をつけるための教え方なのだとも思います。

 

その技術は派手さの無い、

素朴なものですが、

人を育てる上での大切なエッセンスが含まれているように思います。

 

======================

 

2月に小学生向けの入塾説明会を行います。

(中学生、高校生は人手不足のため募集を停止しております。先生も募集中です)

現在、塾長は闘病中で、

私や他の先生が授業を行っています。

 

どうしたら、生徒の考える力を伸ばせるのか?

私自身、授業をしていて、

教え方が悪かったな、あの対応は間違えたな、

と落ち込んだり反省したりすることもありますが、

悩みながらも、アテネの良い所を受け継いで、

これからも、残していきたいと思っています。

 

少しずつ時代に合わせて手を加えられながらも、

根本は大切に残された、アテネのカリキュラム、

そして授業を、ぜひ体験してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寺子屋アテネの小学生の読書、数学は、創業から78年の長年の実績に基づいたカリキュラムです。

当塾と他の塾との大きな違いは、卒業後も連絡を取り合う塾生がいることです。

塾生の一生を見届けて、言葉を交わしているからこそ、当塾のカリキュラムの力を実感しています。

「大人になったからこそ良さが分かる」大学へ進学し、社会に出た卒業生にそう言っていただける、

「読書」「数学」の授業を、ぜひ体験してみてください。

 

春の入塾説明会を、完全予約制で行います。
小学生の少人数授業(読書・数学/独自カリキュラム)または、小学生の個別指導・グループ指導の入塾説明会を開催します。
(中学生、高校生は人手不足のためただいま休講中です)
参加希望者はお申し込みフォームにその旨とお子様のお名前・学年をご記載ください。
入塾説明会の日程と都合が合わない方は、個別で説明をすることも可能です。詳しくはお問い合わせください。

 

午前の回
2025年2月9日(日)
10:30~11:30 頃まで

午後の回
2025年2月16日(日)
13:30~14:30 頃まで

場所
寺子屋アテネ
〒511-0077
三重県桑名市末広町10 オリーブビル2階
 

持ち物
筆記用具

スケジュールが分かるもの

 

お申し込みはホームページのメールフォームからお願いいたします。

 

 

 

現在、寺子屋アテネでは、卒業生の方から、アテネの思い出を書いた文章を募っています。
今回は、安田豊さん(1950年(昭和25年)生まれ)からお送りいただいた文章をご紹介します。
 
私は、桑名市の海側にある城南小学校に通っていましたが、小学校6年生の時に、当時、桑名駅西にあった木造のアテネ塾に自転車で通い始めました。西塚茂雄先生に初めてお会いして、その独特の風貌や雰囲気に何やら不思議な気持ちになったことを思い出します。そして驚いたことに、当時の学校で教えていたこととは全く関係なく、「① 岩波少年文庫をできるだけたくさん読む(必ず読書感想文も書く)、② 数学を好きになる、特に「数の生い立ち」「ゼロの発見」などの本を読みながら、あわせて図形・幾何の問題を何通りもの方法で解く、10進数と2進数の変換を手の指の折り方で覚える(これは今でもできます)、大きな数の素因数分解をして素数を自分で見つける」などの授業が行われていました。当時の小学校ではまだ教えていなかった英語の授業もありました。

西塚先生は、いつも「私立校ではなく、地元の公立校に行きなさい。より深いことはアテネで教えます。」と言われていましたが、私は、私立暁中学校、公立だが地元ではない四日市高校に行きましたので、いわゆる「アテネの劣等生」で、私の母も含めて西塚先生にいつも叱られていました。そんなある日、西塚先生から「今度の休みの日に深谷にある自宅に来ないか? がまの穂取りに一緒に行こう」と誘われました。私は「また叱られるのかな?」と思いましたが、思い切って先生のご自宅を訪問しました。先生は小さな舟を持っておられて、近くの川で舟の中から付近に群生しているがまの穂を切って集める作業を私も一緒に手伝いました。その日の夜は先生のお宅で夕食をご馳走になりました。これは今も不思議なことと思っていますが、先生は私に「無駄と思えるようなことにも意味があるのだよ」と諭されたのでしょう。

アテネで学んだことはいっぱいあるのですが、特に思い出深いのは、島崎藤村の「夜明け前」を読んで、それを読了した人だけが夏休みに馬籠・妻籠の木曽路を歩く一泊旅行に連れて行ってもらえる行事のことです。これは高校1年生の時だったと思いますが、「夜明け前」は2部構成の長編で内容もなかなか手強く、直前まで読了できていなかった私や他の数人は、結局、アテネ会館に泊まり込んで蚊に刺されながらやっと読了し、何とか木曽路旅行に連れて行ってもらいました。この夜明け前の第一部に描かれる皇女和宮ご一行の行列が(将軍家茂に嫁ぐため)中山道を通るシーンは強く印象に残っていますが、江戸末期のこの出来事の時代背景やその後の激動のことまで当時は思い至らず、あとになって幕末の慶喜などのドラマを観るたびに、アテネ時代の「夜明け前と木曽路旅行」のことを思い出す次第です。

「アテネで習ったことは大人になってから役立つ」とよく言われますが、本当にその通りで、就職していた会社(KDDI)の知人がアフリカ・マダガスカルに行って撮ったという巨樹バオバブ写真の個展開催時には、アテネで皆で読んだ「星の王子様」を大変身近に感じましたし、娘の鹿児島大学時代に、鹿児島市からレンタカーで海岸沿いに西に走ってたまたま坊津に着いた時に、「この地に鑑真和上が漂着」という記念碑を見つけて、アテネで読んだ「天平の甍」の話を鮮明に思い出したりしました。

手の指で覚えた2進数は、その後のコンピュータ全盛時代には当たり前のこととしてその重要性がよく理解できましたし、素因数分解で苦労した「素数」に関しては、数学のリーマン予想の謎の解明がまだ続いていることや、宇宙や星の真理と素数が深く結びついていそうだという研究成果に今も興味を持ち続けおり、私が宇宙大好き人間になった原点に素数があったような気がします。

また、私のアテネの同級の皆様(このコーナーで紹介されている森田好樹さんや森田哲夫さんも同級です。残念ながら亡くなった方も多いですが・・)には、アテネでの通常の勉強だけでなく、口角泡を飛ばす議論をしたり一緒に遊んだことも含めていろいろ触発されました。また、アテネ卒業の先輩諸氏からも新鮮な授業も含めて多くのことを教えて頂きました。

このように、アテネで学んだ多くのことが、私の人生の幅を拡げ豊かにする上で今も大変役立っていることは間違いありません。

あらためて、アテネと西塚先生に深く感謝したいと思います。
有難うございました。

<経歴>
三重県立四日市高校を経て、京都大学工学部電気系学科修士課程修了。工学博士
1975年KDD入社(現在のKDDI)
研究所衛星通信研究室からKDDI本社、技術統括本部長などを経て、KDDI研究所会長、KDDI財団理事長。
現在、FM TANABE会長など。

<アテネの在籍期間>
1962年~1967年

===================
他の方の「卒業生の声」はホームページにも掲載しております。
上記で触れられている、森田好樹さんや森田哲夫さんからいただいた文章を掲載しています。