寺子屋アテネこぼれ話「分かりやすく」教えない? | 塾 寺子屋アテネ 【三重県桑名市】

塾 寺子屋アテネ 【三重県桑名市】

三重県桑名市で79年の歴史をもつ老舗の塾です。小学生を対象に、目的に合わせて選べる4つのカリキュラムを用意しています。

あけましておめでとうございます。

寺子屋アテネも新年の授業が始まりました。

 

塾長はあまり「教える」ということについて話しませんが、

以前、こんな話をしたことがあります。

 

「解説は極力解釈を加えないで行う。

解釈は、生徒が各々で行うべきもの。

先生が解釈を入れて解説をすると、

生徒はその解釈に染まってしまうので良いことではない」

 

教える、という行為において、

分かりやすい解説、

分からないところを誰でも理解できるように説明ができる人が

教えるのが上手い人、と言われがちですが、

考える力をつけるためには、

考える余地を残す、余白のある解説が、大切なんだろうなということに、

私自身、生徒に教える中で気がついた事でした。

 

初めの方は、

分からない問題を分かってもらうことに集中していたので、

どうしたら分かりやすく教えられるかを考えて、

解説をしていたのですが、

次第に、分かりやすくかみ砕いて教えることが、

生徒の考える機会を奪っているのだと考えるようになりました。

 

塾長の解説はシンプルで、

言葉も少なく、

一見誰にでも出来そうな簡素なものですが、

極力無駄を省いた教え方とも言えて、

それができる人は、

なかなかいないのではないかと今なら分かります。

 

「理解してもらおう」

という思いが強いほど、

人は言葉を重ねます。

飽きないようにメリハリを付けたりもします。

分かりやすい様に強調したりもします。

 

淡々とした言葉少ない授業ができる先生は、

パフォーマンス性にかけた

つまらない授業かもしれませんが、

理解したいと言う気持ちが生徒の中にあれば、

その余白は良い教材となります。

 

アテネのホームページに掲載している、卒業生の声に、

木村優奈さんが『正直なところ、何が結果に結びついたのかは今でもわかりません。』

と言っているように、

私も塾長の授業の、どこが生徒の考える力を伸ばす秘訣なのか

最近まで分かりませんでした。

 

授業を重ねる中で、

分かりやすく教えようとすることが、

生徒の考える力を伸ばすのを阻害していることに気づき、

その話を塾長にしたところ、

冒頭に書いた言葉を塾長は言いました。

 

寺子屋アテネは、

アテネに通っていて良かったと大学に入ってから思った、

大人になってから良さが分かったと言う人も多い、

独自のカリキュラムが強みですが、

一番大切なのはカリキュラムではなく、

考える力をつけるための教え方なのだとも思います。

 

その技術は派手さの無い、

素朴なものですが、

人を育てる上での大切なエッセンスが含まれているように思います。

 

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2月に小学生向けの入塾説明会を行います。

(中学生、高校生は人手不足のため募集を停止しております。先生も募集中です)

現在、塾長は闘病中で、

私や他の先生が授業を行っています。

 

どうしたら、生徒の考える力を伸ばせるのか?

私自身、授業をしていて、

教え方が悪かったな、あの対応は間違えたな、

と落ち込んだり反省したりすることもありますが、

悩みながらも、アテネの良い所を受け継いで、

これからも、残していきたいと思っています。

 

少しずつ時代に合わせて手を加えられながらも、

根本は大切に残された、アテネのカリキュラム、

そして授業を、ぜひ体験してみてください。