列車図鑑 -Train Profile- No.12

しなの鉄道 SR1系一般形直流電車

   SHINANO RAILWAY EMU Series SR1             

 

 北陸新幹線の開業によって信越本線を転換した第三セクター・しなの鉄道。JRから譲渡された115系や169系によって運転されてきましたが,老朽化が進行し置き換えを検討せざるを得なくなってきました。中古車両の導入も検討されましたが,償価減却期間である32年の長期的目線で見たときのコストが新製車両の方が中古車両の半分で済むと試算されたことから新型車両の投入が決まりました。

 

 そこで開発されたのが,JR東日本新潟地区で主力となっているE129系ベースのSR1系です。今回ご紹介するのはライナー用に投入されたデュアルシート装備車の100番台です。基本番台は2021年3月改正から運行を開始する予定です。

 

しなの鉄道 SR1系100番台 一般形直流電車

 

 

国鉄時代に製造された115系電車を置き換えるため,2020年から営業運転に入った。

 

 しなの鉄道としては初めての新製車両で,制御装置にはこれまたしなの鉄道初のVVVFインバータ制御方式を採用しています。

 

 

100番台はデュアルシートを採用し,一般列車運用時にはロングシートで充当される。

 

 車内は前述の通りデュアルシートで,座席指定のライナー運用時にはクロスシートで,一般列車充当時にはロングシート状態で投入されています。また,115系では使用禁止となっていたお手洗いの設備もSR1系では利用可能となっており,車椅子対応の大型トイレが設置されています。

 

 

一部の115系には液晶ディスプレイが設置されるものの,停車駅案内対応の表示器は初めての採用。

 

 座席以外の設備についてはベースとなったE129系の仕様を踏襲しており,ドア上にはしなの鉄道の車両では初めて停車駅等の案内に対応するLED式表示器を設置しています。

 

 

運転台もE129系そのもので,連結時には助士席側は開放される。

 

 2021年3月改正で投入される一般車の200番台では,E129系とほぼ同等の車内設備となる予定で,外装も赤系です。今後26編成が投入され,従来からの115系を全て置き換えていきます。

 

 現段階では運用は固定されており,平日と土日で運用が異なります。しなの鉄道のHPでも公開されているので,ご乗車になる際にはご確認ください。

 

◆運用区間(2021年1月現在)◆

○しなの鉄道線 軽井沢-小諸-上田-戸倉-篠ノ井

○北しなの線  長野-豊野-妙高高原

○JR信越本線 篠ノ井-長野