受け入れられない正しさと、相手が変わることを願う苦しさ | ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

ASD【自閉症スペクトラム】女係長 鹿島じゅんの日常生活はサバイバル!

25年以上1つの会社に健常者として勤務し、係長として人の上に立つようになった私が、
どのようにASD(自閉症スペクトラム)の特性と折り合いをつけて生活しているか、
その方法をお伝えしていきたいと思います。

ブログにお越しいただきありがとうございます^^
 
ASD(自閉症スペクトラム)
愛着障害当事者から
"幸せになるための心理セラピスト"
鹿島じゅんです。
 
私の発達障害に関する診断結果
コチラです。
 
私の愛着障害に関する生育歴
コチラです。
 
*******************
 
私は今年の3月に、
今の営業所に転勤してきたけれど、
いまだに以前所属していた支社の部下Bから、
相談の電話やLINEが来ることがあります。


この部下Bと一緒の支社で働くのは、
前回の支社での勤務で2度目だったのですが、
1度目は、
私は平社員で部下Bは先輩という立場であり、
私と部下Bは仲が悪かったため、
2度目に私が彼女の上司として、
一緒に働くことになった時には、
部下Bに対してかなり気を遣って接しました。

その気遣いの中で、
発達障害専門カウンセリングで学んだことや、
自分が今まで学んで会得してきた、
コミュニケーション法を駆使した結果、
部下Bとは私の転勤が決まった時に、
仲良くなることが出来ました。


 この部下Bは定型発達者なのですが、

1つの支社で長く働いているいわゆるお局様で、
機嫌を損ねると大変なことになるため、
彼女に逆らうような女性社員は、
1回目に一緒に働いた私以外、
存在していませんでした。
(こんな人に対しても自分の信念を貫こうとするのが、
私がASDたる所以だと思われますf^_^;)

私も2回目に彼女と一緒に働いていた時に、
自分の業務のやり方に対する拘りが、
部下Bのやり方と違っていたために、
部下Bと揉めていたことを理解していたため、
規則や法律に反しない限りは、
彼女のやり方に口を出すことはしませんでした。

それが、良かったのだと思います。

私が部下Bのやり方を尊重したために、
部下Bも私の意見を尊重してくれるようになりました。



そうやって私と部下Bは、
信頼関係を築いていくことが出来たのですが、
最近新たに、
部下Bに意見する女性社員が現れたようで、
それが部下Bには我慢ならず、
私に相談のLINEを送ってきたようでした。

その女性社員は、
上司に可愛がられているために、
態度が大きくなってしまっているらしく、
確かに部下Bの話の通りだと、
とても先輩にとっていい態度ではない、
眉をひそめてしまう言動を行っていました。

その女性社員は、
私も知っている人間だったため、
私はその女性社員の性格を踏まえた、
部下Bがその女性社員から、
尊大な態度を取られない方法を、
考えて伝えたのですが、
部下Bの心の中には、

「私は悪くないのに、なぜ私がそんなことをしなければならないのか?!」

という気持ちが大きく、
自分から行動を起こすのは嫌なようでした。

そんな部下Bとやり取りをしていて、

まるで以前の、
自分の発達障害の特性を理解していなかった、
自分を見ているようだ

と感じました。

以前の私は、
自分が発達障害(ASD)だということを、
理解しておらず、
人と揉めてしまうたびに、

「正しいのは私なのに、なぜ皆んな私を悪く言うのか!!」

と、
周囲の人間達に腹が立ってたまりませんでした。



でも、人の心理を学んだ今なら分かります。

人は必ずしも正しい方に味方しません。
自分が共感出来る方に味方します。

だから、
いくら声高に自分の正しさを主張しても、
共感が得られなければ、
周囲に受け入れられる訳ではないのです。

自分の考えに固執し、

「自分が正しい。相手が間違っている」

と主張して曲げないのは、
発達障害の特性でもありますが、

定型発達者の中にも、
このような人間は存在します。

今回の部下Bがまさしくそうで、
自分が正しいのだから相手が態度を変えるべきだ、
と考えていて全く行動しないため、
自分の現況が変化することはなく、

自分の思い通りにならない現状に、
苦しんでいました。


部下Bは私に、
その苦しさを訴えてきたけれど、
この苦しさの根底にあるのは、

自分は変わらずに、
相手に自分の望み通り変わって欲しい

という、他力本願な願いです。

そしてこの願いは、

叶えられることは殆どないため、
この苦しみが終わることはありません。

他人が自分の気に入るように変わってくれることなど、
そうそうある訳ではないからです。

だから、現状を変えたいと思ったら、
自分が変わるしかありません。

これは私が25年間、
社会人生活を送ってきて学んだ真理なのですが、
現状に不満はあっても、
相手が悪いのだから、
自分は何もしたくないと思っている部下Bには、
多分、
今話しても伝わらないだろうと思ったため、
怒りで眠れないと言っている部下Bに対し、


とLINEを送りました。

この言葉は部下Bの気持ちに添えていたらしく、
彼女からはお礼の言葉と、
おやすみなさいのスタンプが届きました。

少しでも彼女の心がラクになったのなら、
良かった、と思いましたが、
私は部下Bが現状を変えるために、
行動することを願わずにはいられませんでした。

なぜなら。

相手に変わって欲しいと願う気持ちは、
自分を不幸にするからです。


人は、
自分で変えようと思って変えられるのは、
自分のことだけです。

たとえ、
どんなに相手が悪くて、
反省して欲しいとこちらが望んだとしても、
相手が自分の思うとおり、
反省してくれるなんてことはまずありません。

叶わない願いを抱き続けていても、
自分を苦しくしていくだけです。

その苦しさから逃れられるなら、
相手が悪いのだから相手が動くべき、
などという、
役に立たない意地など、
私は簡単に捨てられます。



これは私がASDで、
人とぶつかることで苦労してきたからこそ、
たどり着いた心境なのかもしれません。

でも、この心境にたどり着いたお陰で、
私は人とぶつからなくなり、
生きるのが随分ラクになりました。

以前、仲が悪かった相手から、
相談を受けるくらいの、
人当たりの良さも保持しています(笑)

このブログを読んでくれているアナタが、
自分が正しいのに人に受け入れられないと、
もし、苦しんでいるとしたら。

正しさが必ず受け入れられるものでは無いと、
知ってください。

人は、善悪といった意識より、
感情を優先してしまうことも多いのです。

そして、
私からのこの提案を考えてみて下さい。

正しさを主張して苦しむよりも、
自分をラクにするために、
少しだけその主張を、
周囲の状況に合わせてみませんか?

どの選択を選ぶのも、
もちろん本人の自由なのだけれど。

もし、
正しさを主張する以外の道を知らずに、
苦しんでいるのなら。

別な道もあるのだと知ってください。

いつだって選択肢は、
複数持っていていいのです。