養護施設の子, 自立へ親代わりの見守り必要
朝日新聞 2016年2月18日(木)から:(全文 張り付けるのは 著作権法違反だそうですが, このブログで一円も稼いでないから 貼りました)東洋大学 ライフデザイン学部教授小林英義さんへのインタビュ: 親による虐待や養育困難で、児童養護施設などで暮らす子どもは約4万6千人。温かい家庭を知らず、苦しむ子どももいる。寂しさを受け止め、見守る人たちを増やす必要がある。 児童養護施設などの職員として23年間、働いていました。児童養護施設や児童自立支援施設には、児童相談所や家庭裁判所の判断で、施設入所になった子どもたちがいます。一緒に暮らしてみると、子どもたちに目に見えないハンディキャップがあることがわかりました。それは、人格形成をするうえで大切な家庭を知らないことによるものです。精神的に不安定だったり、自己肯定感が低かったりします。学生が施設の実習に行くと、「おまえなんか帰れ」と言う子もいます。わざと人を怒らせるようなことをして、愛情を試すのです。 今の時代、家庭があり大学を卒業した人でも、社会で働くというのは難しい。施設の子はただでさえハンディキャップがあるのに、原則18歳で退所し,ひとりで生きていかなければならない。帰るところがないというのは 予想以上に不安定な状態です。昔は住み込みの職場も多く、社長夫妻や先輩がご飯を食べさせてくれるなど、日頃の面倒を見てくれました。いまはそういうつながりも減り、ひとりぽっちになって暴力団員らから声をかけられ、悪い道へ進む子どももいます。一方で、少年院経験があっても一生懸命働いていると、取引先の社長の目にとまり、外資系タイヤメーカーの管理職になったケースもあります。 施設や里親家庭だけでなくヽ長期的に親代わりとして見守ってくれる大人たちが必要です。心が安定すれば、子どもたちは成長し、自立する力があります。(聞き手・貞国聖子)こぱやし・ひでよし 1951年生まれ。児童福祉や司法福祉が専門。学生時代に児童養護施設で住み込みのボランティアをしたのをきっかけに、児童福祉施設の職員に。著書に「児童自立支援施設の子どもと支援」「愛と哀(かな)しみの少年たち(教護院・ある夫婦寮の記録)」など。