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それもまた良し

関西のとあるベンチャーで働くSEのブログ。

日々のインプットから、アウトプットを定期的に行うことが目標です。主に組織論やドラッカーの話題が中心ですが、タイトルにもあるように「松下幸之助氏」のような互助の精神を持ち、社会人として成長出来る事が最大の目標です。

再生の町のラストは良かったですね。
地方自治の本来の形を見せて貰った気がします。

行政とは何か、市民とは何か、どのような接点があるべきか。
それよりも何よりも、夢とは何か。



行政が市民に対して見せる「夢」や「ビジョン」は、本来は市民と共に分かち合われるべきではないのか。
なぜ、そこに「市民」はいないのか。

行政は与える側で、市民は与えられる側でしかないのか。


そのあたりを考えさせられました。

組織形成も、組織に所属する人間が、自発的に何かをやってくれるような形が理想ですよね。
相手に気付かせる行為というのは、非常に難しい。
ストレートに言ってしまう場合があるし、相手が気付くよう仕掛ける場合があるし、何もしない場合がある。

問題は相手がそれに気付くことで何を得るか、という点に尽きる。
ストレートに言って何も感じない奴がいれば、感じる奴もいる。


結局、受け手がどう考えるかの問題でしかないが、それが誤解されてしまうと困る。
いわゆる自分中心的に「自分は気付かせているのに、なぜそれが力にならないのだ」という。



その意味で、落合と野村はやっぱすごい……。
実はリストラクチャリングと、ペレストロイカは同意語である。
リストラの本来の意味は、再構築を意味するのだが、いつの間にか日本では首切りの意味になってしまった。

組織を再構築するということは、どういうことか。


例えば、収入にあわせて組織を再編成することが挙げられる。つまり出費の抑制だ。
しかもこの場合、重きをなしているのは組織の再編成である。

つまり、組織内部で求められている再構築とは、役割の変更であり、組織各人の意味付けの変更を意味する。



この部署は、今まではこれをやっていたけど、これもやって欲しい。
或いは、今まで貴方はこれをやっていたけれど、今回からはこれをやって欲しい。

組織にダイナミズムを齎し、躍動させる。
言わば、動脈硬化を起こした血液を、再びサラサラにさせるのが、リストラクチュアリングの使命ではあるまいか、と思っている。



その意味で、野村再生工場とは、選手に対して役割の再構築を命じている。

例えば楽天の山崎。阪神の遠山。ヤクルトの田畑。南海の江夏。
みな、野村再生工場のお古だ。

なんで再生出来たのか?
なんで突如、活躍出来るようになったのか?


再生の方法自体は簡単だと思う。

力配分の変更。
考え方の再構築。
そして、役割の変更。

人間、同じポジションで同じ役割を、一定以上の成果を出すというのは、並大抵のことではない。
いつしか違うポジションになり、違う役割を担うことになる。

ヤクルトのショートが池山、宮本、川島になったように。
そのポジションで一定以上の成果を出せないのであれば、違う人間が出てくる。



しかし、大抵の人間は役割が変わっても納得できない。
どうしても今までのやり方で、違うポジションなのに、前と同じことをしてしまう。

そして通用しなかったら、捨てられてしまう。
前のポジションの型に嵌ったやり方で、違う型に当て嵌まるだろうか?

だから、野村再生工場は、極めてオーソドックスな、再配置をしているに過ぎない。
しかし野村再生工場の極意はここではない。


選手一人一人が、自発的に変化出来るよう、自ら違う型になっていこうと思える環境整備を行っている。
選手への声掛け、配慮。



野村再生工場は教えてくれる。

組織は常に変わらなければいけない。
だからこそ、組織で働く人間が変わらなければいけない。

自ら変わることを恐れてはならない。

時代は変わる。
環境は変わる。

そんな時に、自分が変わらなくてどうする?

時代、状況、環境に合わせて一定以上の成果を出す為には、それに合わせることこそ大切だ。
自分の持てる力を、見方を少し変えるだけで、思う存分発揮することが出来る。

それが野村再生工場の極意だと思う。
組織内部に、SEの務めを果たせる人間がいないという理由で、信じられないぐらい若い年齢で中間管理職、主任とか言う訳の分らない役職に就任することになりました。

新卒として入社して3年目。
上長は「あと1年待ってくれれば……」と言ってくれましたが、僕は2年待って欲しかったですよね。


さて、どういう組織にしていくか、です。

はっきり言ってうちの会社は、Webのシステム開発会社なのに、ベンチャーだから、の言葉で自分自身に言い訳をして手抜き、嘘吐きを繰り返してきた会社です。
めちゃめちゃ優れる部分はあるのですが、個人的な技量によることが大きく、とても組織戦が出来そうにありません。



では、組織戦とは何かと考えます。
組織で戦うということと、個人連合で戦うこと、何が違うか?

僕自身の答えとして、個人連合とは個人が好き勝手に戦うこと、組織で戦うとは各々が役割を意識して明確な目的意識で戦うことだと理解しています。


例えば、ノーアウト1塁、2塁で、右打者が引っ張る、つまり俺がヒットを打って打点を稼いで、ヒーローになるんだ、と思うのは個人連合。部分最適であって、全体最適ではありません。

如何に勝つか、そして如何に負けないかを考えるのが組織であり、組織に所属する人間の考えることだと思っています。



もっと言えば、状況に応じて、バッティングを変えることが出来るかどうか。
つまり、状況に応じて、自分に求められる役割を変えて、それを忠実に実行することが出来るか。

それが、組織にとって大切であり、指導者は、その役割を複数教えることが出来るかが大切かなぁと思っている次第です。



僕のチームの目標としては、四球、盗塁、進塁打、犠飛で1点、それで勝てる組織です。

確かにヒットが打てれば良いです。
ホームランなら最高です。

しかし、ヒットを打つことが大切なのではなく、塁に出ることが大切なのであって、四球であれば恩の字です。
四球は投手にストライクゾーンにボールを4つ投げさせなければ良い訳です。

そして、盗塁で次の塁に行って、進塁打、犠飛。
理想的な、ある意味で確率の高いやり方で1点を採りたいです。



野村監督の考え方は、ある意味で僕の考え方に合っていて、野球は何点取ろうが相手よりも取る点数が少なかったら負けるゲームなんです。

言い換えれば、相手を0点に抑えれば、負けることは無い。引き分けなんです。



仕事も一緒です。
負けたら駄目なんです、大切なことは負けないこと、そして勝つこと。

だからこそ、少ない努力で点を積み重ねて、後はそれで逃げ切れる組織が理想です。
つまり予防型、防止型。



気持ちは、37歳で阪急の監督になった上田利治。
頑張りますか。
組織を強くするには、どうすれば良いか?
これが、来年のテーマになると思っています。

いかにして生産性を高めるか。
いかにして事業部の売上を上げるか。



現在の僕は、横浜の監督代理に就任した田代監督のようなもの。

選手は若者ばかり。

経験不足。
知識不足。
理解不足。

無い無いばかりですよ。
いや、1年目の楽天イーグルスかな。



でも、それでも野村監督は4年かけてチームをAクラスにしたからなぁ。
凄いよ……。

その間、大きな戦力補強と言えば、中村ノリぐらいで、他はドラフトで取ってきた選手。
後は福盛かぁ。

それを思えば、組織は人間で構成されるが、各々の実力よりも調和が醸し出す相乗効果こそ大切である、と切に思いますね。
特に、各々の長所が、各々の短所を打ち消す。



やっぱり、組織としての方向性でしょうか。

自分たちはどこに進むのか。
その方向性が明確に打ち出せる組織は強い。