まちのでんきやブログ担当、お得意様から相談を受け、家電品をお届けするのですが、ここ最近、その家電品が存在しないのです。
存在しないというのは、昔から馴染の家電メーカーC社はもちろんのこと、家電の雄A社にも、世界的メーカーF社にも。
家電メーカーに相談してもNGならと、ナンデモ問屋さんに問い合わせるのですが、さんざん時間がかかって、良い返事がなく。
そうなると、どうしても必要なら、家電量販店に走るか、インターネット通販を頼るしかないのですが、あまり聞いたことのないメーカーは、品質がどうか不安ですし…。
オーディオ機器ならまだしも、暖房器具になると、トラブルが火災に直結するので、なるべくオススメしたくありません。
自分自身も、足元を温めようと、セラミックファンヒーターを1000円も出さずに購入したのですが、使用して1週間で故障し、こんなものかと、やはり無名ブランドはダメだなぁと思ったものです。
昨日、サイレントチェンジと題して、下請け企業による部品の無断仕様変更について紹介しましたが、その後、まだ観ていないビデオを再生して、おや?!と思ったテーマが。
モノづくりの現場で不祥事が続く中、こんな事態が起きています。
それは、NHKのクローズアップ現代の特集でした(2017.10.24)。
テーマは『サイレントチェンジ』。
サイレント チェンジが起きる 背景は ~静かなる時限爆弾・サイレントチェンジとは~(昨日のブログより)
(以下番組より)。
液晶プロジェクターが外出中に電源コードから出火。
山形県では、コタツのヒーターが落下して火災に。
サイレントチェンジ・メーカーが知らない間に部品の材料や仕様が替えられること。
事故は数年後に発生することから、静かなる時限爆弾とも。
誰がなんのために?!
事故を起こした部品が次々と持ち込まれるのがNITE。
事故原因の調査を。
原因はヒーターを支えるプラスチック部品が仕様変更され、溶融し、落下したことでした。
本来の仕様より耐熱温度が低くなっていました。
見た目にはまったくわかりません。
いったい誰が…。
日本のメーカーが東南アジアの工場に製造を委託した件のコタツ。
製造後5年後に事故が発生し、メーカーは15万台の回収、返金を。
通信機器は37万台を無償交換、除湿機は2万台を無償修理(いずれも5年以上経過後のこと)。
相当な数を作った後にトラブルが発覚することが厄介の種。
通信機器、使用中にプラグの金属部分がショートし、焼け焦げるトラブルが。
調べると、ショートを防ぐための絶縁樹脂に本来とは違う材料が使われていた。
赤リンという部品。
純粋な赤リンはプラスチックなどに添加するとそのものを燃えにくくする性質が(ディスプレーの外枠、キーボードなどに使用)。
しかし、プラグなど直接電気に触れる場所ではショートを起こす危険性が。
使う場合は表面に別の物質をコーティングする必要がある。
ただし、そのコーティングにはコストがかかる。
事故を調査したNITEによれば、材料が替えられた上に、加工も不十分との見解。
パソコンやDVDレコーダーでもこれが原因のトラブルが発生している。
NITEの片岡孝浩氏「性能よりも値段を最優先して作られた材料ではないか」。
サイレントチェンジの背景にはモノづくりのグローバル化が。
NITEの調査によれば、通信機器プラグのケースで、日本のメーカーは台湾に製造を委託していた。
台湾は仕様通り製造しているはずだと答えた。
さらに調べると、台湾の工場は、さらに中国の金属部品工場に委託をしていた。
この工場は樹脂の加工をさらに中国の下請けに。
NITEは材料を変更したのは、ひ孫請けである樹脂メーカーではないかと見ている。
中国の科学部品に詳しい教授「2000年頃は、赤リンがビジネスになることが知られた時期で得体のしれない工場も数多く建設されました。中には不正をしていた工場もあるかもしれません。発注価格があまりにも低く抑えられると不正が起きてしまうのです。」
(ゲストの)品質管理コンサルタント・根本隆吉さん「背景は二つ、一つは中国に進出した日系企業が2000年以降、現地での部品材料の調達を進めてきた、それに伴って中国企業からの調達も増えてきた。もう一つは、中国は製造業の歴史が浅いため。」
モノづくりには4M管理・Man(人)、Machine(機械)、Materlal(材料)、Method(方法)が肝心だが、それに変更があると品質にも影響が。
認識が甘いと、確認せず、材料変更が行われ、事故に至る。
根本氏「一番の要因はコスト。コストカットのために安い材料が使われている。」
さて、サイレントチェンジを防ぐにはどうしたらよいか。
一つの製品を作るためには、多数の下請け工場が。
ニトリでは…
電子レンジの耐久性を調べるため、全バラ検査を。
家電だけではなく、家具、台所用品に至るまで。
検査機器には1億円、スタッフ100人をかけて。
海外の下請け企業は600社以上あるので、常に品質管理に気を使っている。
ニトリには苦い経験が。
もうお気づきかどうか、昨日のブログと同じですね。
グッドモーニング(テレビ朝日)がクローズアップ現代を参考にコーナー紹介されたということでしょうか(違っていたらスミマセン)。
(番組)中国製の土鍋から有害物質が発生したという苦い記憶から、今日の検査体制が。
検査現場の杉山さんは、月に2回は下請け工場へ視察に。
杉山氏「モノづくりのグローバリゼーションをやるときは、必ずウチだけではなく、ウチの考え方を理解してくれるような取引先、従業員の育成、上から下まで同じ考え方を持ちながら、進んでもらうということをやらざるを得ない。」
(ゲストの)根本氏「日本の企業が海外の下請け企業ではサイレントチェンジが起きるという前提、認識を持たなければならない、確認、チェックを怠らないことが重要。」
(女性キャスター)「不正をしているのは、海外の企業だけではありません。」
(番組では企業名を挙げて放映)。
(キャスター)「今の所、これによるトラブルは発生していませんが、企業が知らないという意味ではサイレントチェンジと同じかもしれません。」
ゲストの向殿氏は、消費者も日頃からニオイや発熱など、異変に注意し、少しでもあやしいと思ったことはメーカーに伝えることが大事と。
昨日のブログと同じですね(てことは、グッドモーニングと同じ)。
(番組)
最後にまとめとして、
根本氏「サイレントチェンジをなくすには、『信頼はしても確認は怠らない』こと。」
向殿氏「『安全にはお金がかかることの理解』、安全は価値、価値にはコストがかかるということです。それをないがしろにすることが企業や文化を劣化させることにつながっているのではないでしょうか。」
(なるほど~~)
同じテーマでしたが、グッドモーニングとクローズアップ現代、間違いなく前者が後者を参考にコーナーを企画したのでしょうが、25分と10分の放映時間で、一番大きな本質の部分で、差が現れていましたね。
まちのでんきやブログ、毎日のブログタイトルは、必ず川柳にしていますが、今回もこれで決まりでしょう。
安全は コストがかかる あたりまえ
モノづくりの4Mというのも勉強になりました。
要因は、Materlal(材料)でしたが、それを引き起こすのは、企業のMan(人)であり、さらに背景は安全に対するコスト意識の欠落、さらなる原因は、自分も含めて、それこそMan(人)たちによる、「安ければいい」という価値観に対する警鐘ということを考えるときではないでしょうか。
まちのでんきやブログ、テレビ報道を通じ、時事問題から、家電流通事情を科学します。
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(まちのでんきやユニフォーム・ご用命は各都道府県商組経由にて石川商組へ)。
ここ最近の注文(北国、東北、関西の商組様より・ありがとうございます)。
(まちのでんきやノボリも)。
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