清少納言は、「枕草子」で、春はあけぼのに対して、秋は「夕暮れ」が良いと記している。
太宰治の書いた『斜陽』は、西に傾いた太陽をさすものだが、
かつて勢いのあったものが時流の変化について行けず、衰えていくことを示す言葉でもある。
そこから、『斜陽産業』という言葉が生まれ、かつてはテレビの登場で映画が斜陽化した。
が、そのテレビも、その後インターネットの登場で、すでに斜陽産業だとの意見も。
玩具業界の巨人、アメリカのトイザらスが経営破綻(日本トイザらスは継続)。
夢を売ってきた企業が、(インターネット通販に押され)現実に負けた…。
…と、そんなオープニングメッセージで始まった『そこまで言って委員会』(読売テレビ)。
ブログ担当、もっとも好きなテレビ番組の一つですが、この週のテーマには特にハッとなりました(笑)。
なぜなら、ブログ担当が身を委ねる家電業界が斜陽中の斜陽産業だからです。
すると、ありました!この日取り上げた斜陽産業の中に、『家電業界』が(また後日)。
番組では、外食、アパレル、出版、音楽、家電について斜陽であると紹介し、論客たちが打開策を論じ合うという構成に。
今回のまちのでんきやブログでは、そのうち、『外食産業』について考えます。
ブログ担当、20代の頃は、毎日店の近所の喫茶店に650円の定食を食べに通っていました。
月曜から土曜まで6日間、確実に週3900円、4週とすると月15000円超をランチにお金を落としていた計算になります。
では今は…。
昼食代だけで1カ月15000円…とんで○ない!!(業界の人ゴメンナサイ…家庭の事情が(汗))。
外食がホントに斜陽なのかどうかはわかりませんが、ブログ担当のように考える輩がたくさんいるのだとすれば、まぁ、そうなのでしょう。
外食産業は今…。
その市場規模は、
ファストフードは約1兆円。
居酒屋・ビアホールの市場規模が1兆円強。
寿司店の市場規模が約1兆5000億円。
全体的にはほぼ横ばいといわれる外食産業(全体としては横ばいで、急成長している企業もあるということは、やはり中には斜陽化している分野もあるということ)。
(番組では好調な企業と苦戦する業界を固有名詞を挙げて紹介)。
昨今は、単身世帯が増え、家族が団らんすることなく、一人一人がバラバラの時間に食事する『個食』が増え、コンビニが外食の手強いライバルだといいます。
V字回復を果たした、ファストフードの王者、マクドナルド。
2014年に隣国で使用期限切れ鶏肉の使用が発覚し、信頼を失墜、2015年にはチキンナゲットに異物混入が発覚し、客離れが発覚。
が、2017年、上半期1店舗あたりの売上高は上場以来最高で、通期の最終利益も145億円から200億円に上方修正するほどに。
一方、居酒屋業界では。
80年代、大手居酒屋チェーン展開が活発化。
90年代には白木屋、和民が大躍進。
ところが近年は、若者のアルコール離れ、飲酒運転規制強化などの背景が居酒屋離れに拍車をかける。
(飲酒運転規制はいいことなのに、居酒屋さんにとっては向かい風なのですね)。
大口宴会が減少し、3~4人の小口需要が増え、2016年の市場規模は前年比4.9%減。
そこで外食業界復興会議が招集された(番組のVTR)。
男1「やはり単一チェーンの展開だけでは限界があります。居酒屋なら居酒屋だけと画一化せずに、もっと多様化すべきではないでしょうか!」
女1「多角経営の企業が必ずしも業績がいいわけではないし、焼き鳥だけで成功している所もあるし…」
男2「そうそう、讃岐うどんも好調らしいぞ!」
女2「だったら、焼き鳥とうどんの店を始めたらどう?」
男1「それは短絡的過ぎでしょ!利用者がなにを求めているのか、もっと研究すべきです!」
男2「最近はたばこを吸える店が減ったという愛煙家の声も聞くし、愛煙家専門の店なんかどうだ。」
女1「嫌煙家は絶対来ないじゃない!」
女2「じゃあ、子供メニューだけ全部無料のお店は?」
男1「食べ盛りの子供がいるファミリーに毎日こられたら、店が潰れます!」
会議は暗礁に乗り上げた…。
(VTRはここまで)
そこで皆さんに質問です(スタジオのパネリスト向けに)。
外食産業に、再び陽が昇るためには、どうすればいいと思いますか?
竹田恒泰さん「交際費の損金算入を認めれば、間違いなくV字回復ですよ。企業って、飲食にお金を使っても、経費に認められないわけですよね。無制限で認めていいなら、バンバン接待ですよ。赤提灯も銀座もドッカーン!ですよ。財務省は反対するでしょうけどね。」
須田慎一郎さん「かつては認められていたのに、今は損金算入NGですからね。そのとたん、新地、銀座は大変なことになったんですよ。」
(司会の)辛坊治郎さん「中小企業は、800万円まで交際費無税で、損金算入が認められますからね。」
(司会の)渡辺真理さん「専門家の意見を伺いましょう。」
日本マクドナルドの元CEO、原田泳幸さんの外食産業復活の打開策は…。
『10回に1回の”内食”が外食に移行しただけで市場は倍増に!』
原田泳幸さん「一番大事なのは、客数が上がったかどうかです。客単価を上げて売り上げを伸ばすというのは、一過性の問題。」
(えぇ~そうなんだ、意外!売上は客数×客単価を上げて伸ばすって聞いたけど、外食産業だとまた違うのかな)。
原田泳幸さん「売上と利益は過去、客数は未来」。
(うわぁ~これは重い言葉だ)。
客数は未来。
それでいえば、町の電器店は、はたしてどうでしょう。
ブログ担当の店は、近隣にローラー作戦にて自店チラシを配布していますから、まだしもポツポツ、新規客からのコールがありますが…。
電器店全般ではどうでしょうか。
これは、相当覚悟と体制がないことには、できる話ではありませんし、そもそもやる気があるのかどうか。
原田さん「外食産業は7兆円規模なんですけど、その中にも、外食と中食っていうのがあるんですね。」
(中食:外で買って家で食べるデリバリーやお持ち帰りなど)
原田さん「中食は女性の社会進出などで伸びる側面がある。それ以上に大きいのは、家庭内食、内食(うちしょく)なんです。家庭内調理を外食産業の金額に換算すると、10倍あるんです。したがって、内食のうち10回に1回を外食にしてもらうと、市場は倍増するんです。」
田島陽子さん「じゃあ、これよね。『塩分・油・添加物を減らす』。」
原田さん「100回に1回きていただけるだけでも、10%増えるんですから。」
宋文洲さん「店の数を少なくして、デリバリーを発展させたらどうなんですかね。」
原田さん「〇〇(宅配会社)なんかでも人手不足で値上げしてますよね。数を減らすんじゃなくて、今の10倍をどうやって運ぶかを考えなければならない。」
(これも意外!宅配の過剰負担が言われる折に、むしろ10倍運ぶにはどうしたらいいかだって…)。
確かに外食はいいんだけど、ちょっとダラーッとしたいなと思ってもできませんもんね(笑)。
気安く配達してくれるところがあったら…。
某ファミレスなんかは一部サービスしているみたいですけど、まだまだ…。
原田さん「外食産業だけではないです。デリバリーというのは、ドロップしていくものしかないですよね。オンデマンドで、出来立てのものを宅配するというビジネスはまだないんです。これができたら、とんでもなく売り上げは上がります。日本のシステムがまだ成熟していない。その点、シンガポールは発達している。」
原田さん「たとえばデリバリーの窓口業務だけを担う会社が出てくれば、劇的に変わる。」
須田慎一郎さん「全体のシステムのことはわかるんですけど、現実的に、鳥貴族のように成功している所もありますよね。」
原田さん「成功している所は、やはり美味しいということと、ただ安いというだけではなくて、お得感、納得感があるということ…。」
原田さん「私、7年連続マイナスのマクドナルドをプラスにしたのは…QVC(Q品質・Sサービス・C清潔さ)、これだけです。基本中の基本です。」
原田さん「一つのトレンドは、個別対応(地域限定メニューなど)です。」
神田愛花さん「子供の頃、よくマクドナルドに行って、ワクワクしたんですけど、そうすると、この歳になっても(37歳)、まだ行きたいと思うんですよね。子供がワクワクするようなメニューやお店作りをするとよいのでは。」
原田さん「おっしゃる通り、子供の時の体験は、一生続くものです。マクドナルドはたとえばハッピーセットが強いですね。」
原田さん「商売の原点は、可処分所得の奪い合いと、可処分時間の奪い合いなんです。したがって、時間の価値を外食に見出す。これは物凄いチャンスなんです。」
(なるほど~時間という概念から外食産業が伸びるヒントがあるということか)。
(これは盲点だったなぁ)。
なにも美味しいものを食べる、雰囲気がどうのこうのだけではなくて、自分の時間が大事だと考えれば、外食や中食で済ませば、コストはかかるけど、自分の時間は稼げるよという考え方か…。
辛坊治郎さん「外食産業は結局、安くてうまけりゃ(お客さんは)行くでしょ。」
原田さん「そうそう(笑)。」
辛坊治郎さん「潰れてる所は、要するにマ…(P~~)んですよ。」
渡辺真理さん「まあまあ(辛坊さんを制止する)。原田さん、どうもありがとうございました。」
(拍手)
考えさせられました。
ヘミングウェイの著作のように、斜陽産業に『陽はまた昇る』かどうか。
では、近日、家電業界についての討論も。
VTRでの業界関係者がいみじくも訴えた「顧客のニーズをどう考えるか」、基本ですね。
子供の時のワクワク感、これも大事。
原田さん曰く、可処分所得と時間の奪い合い。
翻って、家電なら家電を安く購入して、慣れない取り付け設置を途方もない時間と手間暇をかけて、不完全に仕上げるぐらいなら、時間を買って、専門家に任せましょうよという方向へ誘導しなければならないということでしょうか。
得るものが多い番組だなぁ~。
問題のザ・斜陽産業『家電業界』は必ず近日。
まちのでんきやはトータル家電ライフをサポートします。
(まちのでんきやユニフォーム・ご用命は各都道府県商組経由にて石川商組へ)。
(カラーは20数種類あります)。
(まちのでんきやノボリも)。
まちのでんきやアゲイン!