アメリカ・フロリダ地域に『グリーン・アノールトカゲ』という生物が生息しています。
このグリーンアノール、元々は木々の低い場所を住処(すみか)としていた普通のトカゲでした。
(グリーン・アノールトカゲ イメージ)
ところが、1950年代、そこに外来種である『ブラウン・アノールトカゲ』種(元々はキューバに生息)が出現しました。
外来種の出現にグリーンアノールは、餌を巡り、危機に直面しました。
(外来種ブラウン・アノールトカゲ イメージ)
グリーンアノール、種絶滅の危機が!!
新種の出現で危機に直面か…。
どこかで聞いたことのある話だな。
家電業界だ!!
60~70年代、家電流通といえば、ほとんどが町の電器店経由だったのが、その後、90年代以降、家電量販店の出現、2010年代にはインターネット通販が台頭し、町の電器店の置かれる状況は大変なことに。
生き残るためにさまざまな工夫を。
アフターサービスが丁寧であることや、電球1個でも配達することなどを強調し…。
が、時すでに遅しだった感も…。
いえ、遅くなかったとしても、電球ぐらい自分で買いに行くよと言われれば、返す言葉もなし。
(トカゲに戻り)
グリーン・アノールトカゲは、種保存のために劇的な変化を遂げました。
鉤爪(かぎづめ・下向きの鉤形に湾曲し、鋭くとがる爪)を備え、胴体にトゲを備え、生活圏を変えることで、外来種との生存競争から脱却したのです。
グリーンアノールは、世代を超えるごとに、高い枝に止まるようになり、細くて滑らかな枝にもつかまれるよう、足裏のパッドが大きくなり、粘着性を増したのです。
結果、地上のエサ争いを尻目に悠々と繁栄することに成功しました。
注目すべきはその進化のスピードです。
進化の始まりから完了まで、なんと!わずか15年!
種は大きな危機を迎えた時ほど爆発的な速さで劇的に進化することが証明されました。
生物の進化論といえば、チャールズ・ダーウィンが有名です。
ガラパゴス島の「フィンチ」という鳥が、食べ物の環境変化により、姿まで変えたとする「進化論」を唱えたのがダーウィンでした。
が、それは誰もその進化プロセスを目撃しておらず、完全には証明されていません。
(ダーウィン「フィンチ」イメージ)
ところがこのグリーン・アノールトカゲの劇的な進化が、進化過程を明らかにする貴重な事例になったというわけです。
その激変ぶりは、約20年で人間の平均身長が175cmから193cmに急激に伸びたようなもの(IRORIOのサイトより)。
人間ついでに、この劇的変化、適応ぶりに電器店が学ぶとすれば…。
グリーン・アノールトカゲのエピソードは、実は、まちのでんきやプロジェクト説明会で、講師のイールアップ・ラボ、中村泰久さんが準備していたものでした。
石川青年部(石川県電器商業組合青年部会)がセッティングし、青年中央会の助成制度を活用し、勉強会をお膳立てしました。
一人でも多くのでんきや仲間に参加していただきたいとのことで、青年部メンバーが皆で手分けして、電話作戦までしました。
(イールアップ・ラボ 中村泰久氏)
中村氏曰く、現在、町の電器店は、「親世代」(おもに65歳以上の高齢者)の方々にかろうじて支持を受け、どうにか食いつないでいるが、その下の「子世代」からは、関心を示されず、「孫世代」に至っては、『町の電器店』という概念すらないと指摘されました。
このままでは町の電器店は、先細りの危機があると説きます。
いえ、本来、誰あろう、町の電器店スタッフ当人が薄々わかっていることです。
お得意様である親世代はいずれはいなくなり、次に支持者となるべく、子世代との接点づくりが急務だとも。
そこで提唱されたのが、まちのでんきやプロジェクトというわけで。
石川商組(石川県電器商業組合)は、このまちのでんきやプロジェクトに乗り、本格的に船出しました(2017.9.8~)。
イノベーション まちのでんきや プロジェクト(これから始まる『まちのでんきやプロジェクト』とは)
短くいえば、組合及び組合店のホームページリニューアルをベースに、危機を脱するべく、オールまちのでんきやで活路を拓く一大プロジェクトです。
プロジェクトでは、まちのでんきやは、これまで通り、家電の担い手として家電を売るのではなく、「地域高齢者支援の担い手」として、まちのでんきやそのものを売る存在へと変革を目指します。
グリーン・アノールトカゲの資料、最後のページで、こう締めています。
大事なのは『種としての進化』。
グリーン・アノールトカゲは、種として進化を遂げたからこそ、生き残ることができた。
群れの中にたまたま木に登れるトカゲが数匹いたとしても、それは単なる「特別変位の個体」でしかなく、群れの生存数が減少すれば、繁殖できずに種はいずれ絶滅すると。
まちのでんきやを動物にたとえると、『小売り目 電器屋科』。
(ここが重要)
各お店の経営方針や系列メーカーなどの枠組を超えて『まちのでんきや』という種そのものを進化させなければ、未来はない…。
(こうも言及)
「組合」には、それに取り組む大きな使命とそれを実現するだけの大きな力があるのです。
う~ん…ここまでお尻を叩いてくれる人が他にいるだろうか。
誰もあまり発想しない視点、オール「まちのでんきや」。
個々のお店の努力、メーカー戦略も結構だが、それよりももっと無限の潜在能力を有する存在は、「まちのでんきや」連合で、その一角というより、相当部分が組合と組合店で、オールでんきやでタッグを組み、プロジェクトを遂行することが肝要であるということ。
(イールアップ・ラボ中村氏の説明会資料とIRORIOのサイトを参考にしました)。
本格的に船出したまちのでんきやプロジェクト。
組合と組合店とがタッグを組んで、オールでんきやで前進あるのみ。
でんきやでありながら、もはや「でんきやでございます」といって宣伝しても、世の中は振り向いてくれません。
ビジネスモデルは大きく変わらないが、魅せ方を変えることで、世間からの見え方をガラリと変える。
「お母さん、まちのでんきやさんがいてくれるから安心ね。」
まちのでんきやはグリーン・アノールトカゲになります。
まちのでんきやは高齢者サポーターとして、地域インフラになります。
まちのでんきやはトータル家電ライフをサポートします。
(まちのでんきやユニフォーム・ご用命は各都道府県商組経由にて石川商組へ)。
(カラーは20数種類あります)。
(まちのでんきやノボリも)。
まちのでんきやアゲイン!