シンポジウム12/3予告/成績入力妨害差し止め調停/研究室配属授業/市村訴訟/嘘をつく医師の養成 | 医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故や医学部・大学等の事件の分析から、事故の無い医療と適正な研究教育の実現を!金沢大学准教授・小川和宏のブログ

医療事故死は年間2万-4万人と推計されており(厚労省資料)交通事故死の約4-8倍です。医療問題やその他の事件が頻発している金沢大学の小川が、医療事故防止と事故調査の適正化や医学部・大学等の諸問題と改善を考えます。メール igakubuziken@yahoo.co.jp(なりすまし注意)

御茶ノ水シンポジウム12/3予告/
 成績入力妨害差し止め調停が1月11日/
  研究室配属授業/
   市村訴訟などで扱われている虚報群/
    嘘をつく医師はどうして養成されるのか
     (医学部大学等事件81)


1、シンポジウム予告(お茶の水、12月3日)

 12月3日(今度の日曜)の13時30分から16時30分、東京の全労連会館(御茶ノ水駅から徒歩約10分)で、群馬大学病院の死亡事故を中心としたシンポジウムが開かれます(予約不要)。
 私は金沢大学病院での死亡事件についてお話しします。
東京シンポ1
 幾つもの事件・事故群を比較することで、見えてくることがあるかもしれません。
 一昨日の日曜(11月26日)が配布資料の締切りでしたので、千葉の学会から戻って、深夜にメールで提出しました。

2、成績入力妨害差止め等を求める調停が1月11日

 金沢大学や堀修氏、金子周一氏などを被告とする訴訟の提起と、
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12328398781.html
その初回弁論が12月25日であることを、先日お知らせしましたが、この訴訟とは別に、3年生の成績入力妨害の差止め等を求める調停を、金沢簡易裁判所に11月14日に申立て、その第1回が年明け1月11日午後に開かれます。申立人は私・小川、相手方は次の方々です(敬称略)。

国立大学法人金沢大学
金子周一(医薬保健研究域長・同学域長、第1内科教授)
堀修  (医薬保健学総合研究科長、第3解剖教授)
多久和陽(医学部長、医学類長、医学系長、第1生理教授)
安藤仁 (細胞分子機能学教授)


3、研究室配属の授業、学部学生からの医療安全

 昨年から始めた、薬物治療や関連領域における医療安全等の研究室配属授業ですが、
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12324218907.html
昨年の4名から7名に増えながら、概ね順調に進んでいます。

 自分で調査しながらテーマ自体を見つけてそれを進めていくのは、普段とは異なる種類の体験でしょう。特に医学部では必要とされる暗記量が膨大なので、自分で見つける、自分で考え出す、という経験が増えるほうが良いと考えています。

 また、定員5名のところ、7名の学生が希望すると申し入れてきた時、複数名が、医療事故を扱っている研究室がここだけだから、という理由でした。

 週3回開いている全員での報告・討論会では、学生が判決例なども発表しています。判決を読むと、何が問題になったかや、どうすれば死亡や後遺症残存を回避できたかなど、問題点や改善すべき点が分かりやすいです。過去の不幸な事例を再発防止に役立てたいと考えています。

 医学部の教育でいかに医療安全の感覚を身につけるかは、先週末の学会においても重要課題の1つでしたし、今年2年目になるこの研究室配属は昨年好評で今回は人数も増え、今年も機材や進行方法などを充実・改善させながら進めているので、この授業方式をさらに改良・発展させていこうと考えています。

4、なぜウソをつく医師が養成される?〜市村訴訟などから考える

「ウソを平気でつく医師が多いが、高校を卒業して医学部に入学した時には、そうではなくて普通の人だったんじゃないの?医学部の教育でいつからそうなるの?」
といったご指摘をよく受けます(先週末の学会会場でもありました)。

 ウソをつかないのが当たり前なのか、ウソをつくのが当たり前なのか、この感覚の差とそれによって生じる結果の差は極めて大きいでしょう。

 市村宏氏(医学部医学類教育委員長、ウイルス学教授)との訴訟で、私の授業や配布資料の評判についての争いが扱われています。

 私は、「一部学生のウワサ」ではなく、医学部が学生全員から集計した授業評価や、学生が記名で責任を持って書いてくる感想を中心に、「評価」として授業や資料の改善に用いています。
 例えば、医学部集計の次の授業評価結果は、裁判の証拠にも用いており(裁判では教員は黒塗りなしの実名で提出)、もちろん被告側も本物であると認めています。最後の4枚目が、私などが担当の「薬物治療の基礎」科目(この秋から「薬理学」に改称)です。
授業評価1
授業評価2
授業評価3
授業評価4
 一方、市村被告(教育委員長)は、「自らが指導している2つのサークルやフィールド調査の学生のウワサ」を用いて、この授業や配布資料の高い評価を否定しようとするなどして、訴訟に至りました(他にも多くの出来事があり、これは連続した行為群の1コマ)。

 訴訟で証拠提出した、市村氏からのメールより、一部を引用します。

<以下、一部を引用>
 一般論として、通常の教員は、他の科目の評判(「レジメがわかりやすい」「プリントが見やすい」といった学生からの意見など)に触れる機会はほとんどないと存じます。
 個人的には、2つのサークルの顧問をしていたり、フィールド調査に学生を同行したりするため他の教員より学生と寝食をともにする機会が多いと思っております。食事中や休憩中にどの授業が面白いか、などの話題が出ることもありますので、どの先生の講義が一番面白いか等について、それぞれの時代の学生の生の声を聞いております。ただ、講義の「レジメがわかりやすい」「プリントが見やすい」といったコメントを学生から聞いたことはございません。
 また、あくまで噂話ですし、限られた学生の話ですので、真剣に取り上げる意味はございませんが、ここ10数年間、少なくとも小川先生の講義が話題に登ったことはございません。
<一部引用ここまで>

 すなわち、市村被告は、「自分が指導している一部の学生のウワサ」でもって、医学部集計や、授業で学生が記名・自筆で責任を持って書いてきた感想という、「ウワサでない評価」を否定しようというメールを送信してきました。

 「自分が指導している一部の学生」にウワサをたてさせてそれだけが正しいと扱えば、どんな真に正しい情報でも否定できますし、虚報の作出もできます。こうした体験や環境に慣れた学生が、どのような医師になりやすいかは、容易に想像できます。

 入試や学内定期試験も扱う、宝町キャンパスの事務部学生課において、私を貶める虚報が作出・発信され、そのうちの1つについては事務部長が撤回と謝罪のメールを送ってきました。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12309592412.html

 また、安藤被告が、低い点数の一部の学生を高得点の学生と逆転させて合格させた件についても、こうしたことが常態化しているかについて、多久和被告(医学部長・医学類長)などから返答がなく、常態化しているものと推認せざるを得ない状況です(上と次のURL)。
https://ameblo.jp/iryouziko/entry-12307665268.html

 こうした環境が、残念ながら、ここ医学部にはあります。