第156回 「円高」
相変わらず円高の状況が続いています。
円が強くなっても、経済は成長しないので、メディアは危機感溢れる情報を流します。本来、自国通貨が強くなるのはいいことのはずです。
「円高でGDPが下落」という変化は、いったい何を意味しているのでしょうか?
円高になると、経団連などをはじめとする経済団体が国に円安施策を求めてきます。
これまで、日本は輸出貿易利益で成長してきた国だけに、輸出型の大企業にテコ入れが行われ、保護政策が実施され円の安定を図ってきました。
今、起きているのは円高という現象です。
その原因はドル安・ユーロの暴落から、米欧国での経済先行き不安とギリシャ危機によって、行き場のない国際資本が「避難先」として円に流れ込んできた為替の結果といわれています。
円高が生み出すものは、国内雇用の消失にあり、意味する為替通貨戦争の本質は、「雇用戦争」にあると思います。
円高や高法人税率で、国際競争力を求めて、大手企業は生産も販売も海外移転し、グローバル展開を推進していかなければ存続できないと考えています。そうなると、当然国内の雇用は維持できなくなります。
多くの中小中堅企業や大手企業もグローバル社会に対応できないでいると、かつて明治維新で武士階級が職を失ったと同じ状況を招き、中流階層のサラリーマンが働くステージを失ってしまいます。
今回の円高・株安で、企業と人々の生活の二極化に拍車がかかり、グローバル社会への適応の成否が、人も企業も問われています。
この変化に対応できない企業のサラリーマンや公務員の皆さんが、会社組織や既得権益に守られてきたがために、「ゆでガエル」になり、会社に行けば給与を得られると錯覚している人達を生み出してしまいました。
人は、急激なインパクトには反応します。
しかし、緩やかな目に見えない変化には反応しないものです。
日本のおかれている状況や事の大きさを自覚した上、この国がどうなるのかと悩んでいる暇はありません。
パラダイムシフトは、逆手に取り行動を起こせば、「不況空気」のリスクを跳ね飛ばす飛躍する機会でもあります。
企業や人の選択は、今後訪れる新通貨システムへの移行と円高が崩れる流れのタイムラグを捉え、社会の先端にポジションを取ることだと思います。
今の空気感は、いささか自虐的に感じますが、電車の中で出逢ったニュージーランドから来た50代の旅行客が、日本は世界一安全で、食事もおいしく、緑豊かで、笑顔の絶えない優しい国民で、あこがれの国だと目を輝かせて言っていました。
もっと誇りと希望を持って、ありたいと思います。
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「リザーブドパワー」
人は、肉体と精神共に、使い切っていない潜勢力が、はるかに大きいといわれている。
この連休に読んだ中村天風さんの伝道師の書で、この力を生かすことに気付いた人々に、経済人で松下幸之助氏、稲盛和夫氏、永守重信氏をはじめ、多くの起業家経営者達がいるという内容に目が止まった。
「リザーブドパワーを発揮しておきる前提条件は、人間の使命を自覚することにあるという。
自分は何の為にこの世に来たか、そして、何の為に仕事をするのかを自覚し、心を積極的にすると、充実した価値高い人生を歩むことができる。
生命の力は、体力、胆力、判断力、断行力、精力、能力と言う6つの力に分けられる。
この6つの力を最大限に発揮できれば、病を乗り越え、運命を切り開くことができる。
人の欲望は、火と燃やすべきであり、欲望には、高級なものと低級なものがあって、低級なものは自己本位の欲望で、高級なものは、他の人や世の中の役に立ちたいとの欲望だ。
高級なものを求める人に「リザーブドパワー」が宿り、結果、本人にとって充実した高い価値ある人生を送る事が出来ると。」
「リザーブドパワー」を、身に付けていきたいものだ。
第155回 「競争優位は、信頼の絆」
9月8日、華々しくデビューした振興銀行が破綻し初めてペイオフが発動し、3,500人が自己責任として預金を失った。
日本国が財政悪化にあえぐ中、店頭公開企業数は低迷し、公開企業もピーク・アウトしてしまう企業が後を絶たない。
リーマン、円高、株安は何処の企業も遭遇している。
環境変化を感知し、素早く適応し、成長を維持している企業と衰退する企業の違いはどこにあるのだろうか?
トップの先見性や、特殊な予知能力を持つ人だけでなく、今の社会は、ネットの力によって世界の潮流や出来事を瞬時に掴むことができ、素早く対応ができる。
盛哀の分岐点は、現場の社員が「上が期待しているのは言われた通りに動くことだ」「今の苦悩を解決する策を、上に提案しても無駄だ」という主体性がなく問題意識が欠落し、日々の仕事を漫然とこなしている状態になることから始まる。
変化の兆しは必ず現場のどこかに現れ、メンバーの苦悩の種になる。
上司やトップが「自分ががんばって引っ張っていかなければ下は動かない」「とにかく当面の目標・結果がすべて」という意識での経営の意思決定が続くと、いつか会社は破綻する。
起業時は、全メンバーが顧客の声に敏感に反応し、人がいないので一人ひとりが"自己責任で自分がやるしかない思いで動く"そして、"メンバーを信頼し、チーム全員で目標に向け頑張る"。
ノウハウもインフラも何もない中で、トップを中心に全員が希望を持った活発なコミュニケーションを取り、知恵を出し合い試行錯誤を繰り返しながら、可能性に賭ける状態が、創業時には何処の企業にも共通する。
私が、企業内起業が、企業のイノベーションへのエッセンスと考えたのは、こういったことに起因する。
企業内起業の核心は、会社の経営陣と個人との「信頼の絆」にある。
成長企業の多くはこの互いの信頼の絆を、量的な成長率や効率や能率のために犠牲にしてしまい、風土化できずに風化させてしまっている。
活力を失った企業経営を診ていると、単年度のP/Lの黒字を捻出する為のリストラをし、人材採用を手控えるなど、会社と個人の信頼や希望を失わせている。
自己責任を問うことなく、会社都合で人を減らし雇用を維持しない施策は、信頼の心を萎えさせている。
人は、実績の無い自分に会社が賭けてくれた時、会社のビジョンと自分の仕事と情熱がシンクロし、信頼の絆が築かれ成長ドラマが生まれる。
グローバル社会の荒波を人間力集団で乗り切るには、人への「投資・信頼」をキーワードに、自律した人材を育成することにある。
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第154回 「信頼の歴史が利益をつくる」
利益を安定して確保する企業は、信頼の歴史が利益をつくっている。
利益を出すには、顧客の満足無くしてありえない。
時代を洞察し変化し、顧客を創造してゆく企業」が、利益を出し続ける企業だ。
今のビジネスモデルや商品を守るだけでなく、新しい事業を立ち上げイノベーションしなければ、やがて淘汰されてしまう。
こういった企業の風土は、一朝一夕に育つものではない。
イノベーションしてゆくには、「起業家を育てる」ことだ。
起業家が「育つ」会社に共通する図式は、「全員で応援し、称賛する」風土や環境があり、新規事業の機会の受け皿や、メンターが存在する組織文化がある。
それらの一連が仕組み化され、TOPが強い意志を持って新規事業を育て、責任を取る覚悟をしている。
「経営マネージメント」と「起業」は、違った世界だ。
創業を判断する際、起業家を肯定し、支援・助言するスタンスでいることだ。
起業家の役割は、自分を信じ、会社のルーツや経営資源を確認し、時代を洞察し、未来の自社の姿をイメージし、方向を定め、企業とシンクロさていくことにある。
変えてはいけないDNAや理念と、変化に対応する構想とアイディアを、事業計画に落とし込む英知を集める。
自社は「何屋か」の定義を、経営陣と起業家と、支援する社内インキュベーターとが、共に定めることが肝要だ。
新しい事業とは、「既に起こっている事実で、これからの時代に影響力をもつ事になる変化だが、まだ一般には認識されていない変化を知ること」と捉えることにある。
事業ドメインの中でシナリオを描き、独自の競争力によって、その市場でのオンリーワンでナンバーワンを目指す。
起業家が育つ枠組み。
企業内新規事業は、経営資源を活かすことが、セブン銀行の様に競争優位に
起業家に任せ、経営との整合性をとりながら、人事やメンターを絡め、マーケットに答えを求め、新規事業を支援する外部のインキュベーターが必要だ。
すべて自前主義ではなく、他の企業とアライアンスを組むことが、大切。
上記の枠組から起業家が育ち、事業が創生されてゆく。
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「感謝」
「感謝は実力を数倍にする打ち出の小槌」というコトワザを、週末お会いした年配の方から伺う機会があった。
「人生もビジネスも心の根底に感謝を持っていなかったら、人の為に何かをすると言う考え方や、行動にいたらない」と、
そして、「親が現在の自分を育んでくれたのだから、今度は、親孝行という感謝の気持ちで、関わった方々に、感謝の思いで返せば仕事も人生も輝くんです」と、いう話を伺い、尊敬する経営者の方を思いだした。
この方は、自書にサインする際必ず「感謝」と、書いている。
確かに、感謝し人の為に何かをすることは、様々なパワーを引き寄せることに、繋がっている。
