第166回 「大内宿」
この夏、福島の大内宿を訪ねました。
江戸時代を今に遺す奇跡といわれる大内宿は、会津若松と日光を結ぶ宿場町だった所です。
ひと筋の古街道の両脇に、草ぶき屋敷が、幾棟も幾棟も向き合わせて並んでいる景観は、そこに参勤交代の行列が歩いていてもおかしくない時空を感じる情緒あふれる村でした。
大内宿で出逢った宿屋のおかみさんから、次の話を聞きました。
「震災以降、福島の風評被害で、ばったりとお客さんが来なくなってしまってね。 悔しいよね。
じっとしていてもしょうがないから、今、ほらインターネットがあるから、インターネットでお客さんに声かけて、泊まりに来てもらったり、アジアから仕入れた雑貨をインターネットで売ったりしてな、なんとかやってんのよ!」と、明るい笑顔で話してくれました。
何故、大内宿だけが、江戸時代の宿場の景観をここまで残すことができたのか尋ねると、江戸時代からこの宿場の暮らしは、半宿半農でやってきたことが、宿場がすたれた明治後に幸いしたのだといいます。
そして、火事を出さない結束や、村人の絆による自立しながらも支え合う生活によって、今日まで変わらない景観を、皆で誇りを持って維持してきたとのことでした。
「お金では買えない私達の大切な居場所は、自分達で守らなければ、誰も守ってくれんからね!」と、語った宿屋のおかみさんの言葉に、力強い決意を感じました。
自分達の守りたい大切な形を、村人の絆の力によって、環境変化に適応し、暮らしてきた大内宿の村民の姿は、混迷している現代の人々の生き方に示唆を与えてくれています。
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第165回 「未来の扉が開いた!」
昨年の7月10日、「現在、従来の携帯端末と、スマートフォンの比率は、97対3ぐらいといわれている。」と、コラムに書きました。
一年後の今、ネットワーク機能、コンテンツ、クラウド、アンドロイド、SNS等の脅威的な発展によって、「スマートフォン」を手にしている姿をいたるところで目にします。
本格的なネットワーク情報端末を搭載した「スマートフォン」は、人々に強烈なインパクトを与え、ライフスタイルを変えつつあります。
更に「スマートフォン」が浸透すると、私達の生活に、いったい何をもたらすのでしょうか?
職場と家庭、地域を超え、境目が見えなくなり、個々人や、企業との接点がいつでもどこでも持てる世界が到来し、境目のない生活のマルチタスク化を可能にする世界の訪れを感じます。
過日、アップルが4-6月期の決算を発表し、予測を超えるほどの好調な決算となりました。
中でもiPadが売り上げを大きく伸ばし、同四半期にiPadは920万台、60億ドルの売り上げを記録、Macの390万台、51億ドルの売り上げを超えた。iPadは発売後1年強で、Mac事業を超えたことになります。
25年前、パソコンを世の中に送り出したアップルのCEOスティーブ・ジョブスが、今年6月6日、サンフランシスコで、「パソコンはデジタルライフの主役でなくなる」と告げました。
ポストPC時代の主役はスマートフォンにあり、アップルが今秋に始める新サービス「アイクラウド」は、また新たな世界を創りだす現実味を感じます。
デジタル社会を牽引してきた希代の起業家スティーブ・ジョブスが、また新たなデジタル社会の未来の扉を開けました!
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第164回 「豊かな国、日本!」
最近、「幸せ」という言葉を、多くの人がいたるところで語っています。
人々の豊かさの尺度が、「総生産数値」から、「幸福度」に、移り変わってきているからでしょうか。
OECD(経済協力開発機構)が、2011年5月に発表した「より良い暮らし指標」調査によると、日本は34カ国中19位とのこと。
収入、健康、ワークライフバランスなど、以前の日本は高い位置にいたのが、残念なことに軒並みダウンしています。
日本経済は、スタグフレーションの時代の到来が予想されます。
スタグフレーションとは、景気が悪いのに、インフレが起きている状態のことをいいます。
ここしばらくは、日本経済が厳しい状況が続く現実を受け入れ、身の丈に合った生活が求められるのだと思います。
持続可能性(サステナビリティ)を求めつつ、人々は、「相対的幸福論」でなく、自分自身の幸せの形を見つけていこうということに、気付きはじめたようです。
よく「創造的破壊」という言葉が使われています。
今回の震災は、あまりにも大きな犠牲を伴う破壊でした。
今回の有事が、あるべき市場主義で、人との比較でない自分の幸福の形での生き方を選択する人々が増え、「豊かな国、日本」になって欲しいものです。
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千駄木の安田邸
週末に、千駄木にある大正の香りのする安田邸を訪ねた。
1918年大正7年に建てられた歴史的日本建築と庭園の空間が、当時と変わることなく現存しており、素晴らしかった。
東京の地に、まだまだ未発見の、こういった歴史的な建物が残っている。
大切に、保存していきたいものです!!
第163回 「オープンイノベーション」
5月27日(金)、2011年度のイントレプレナー講座がスタートしました。
社会が混沌としている中、多彩な顔触れの企業の皆さんにご参加いただき、本講座からどんな事業が創生されるか楽しみです。
講座で、次のような話をしました。
「イノベーションとは、破壊から創造が生まれ、新たな商品や事業を創造してゆく際、経営資源を活かすことが成功要因になる。唯一無二の経営資源は、人であり、その人が持つ知識にある。
知識の本質は、人に他ならない。」
「爆発的なヒット商品や事業が創出される時、そこには必ず「現場」で閃いたアイディアと、社外の異質な人との出逢いが存在し、この掛けあわせの要素が、昨今共通の大きな潮流となってきている。
2000年頃まで大半の企業は、社内ですべての開発を秘密事項としてクローズな世界で行って来た。
2000年以降の大ヒット商品は、「オープンイノベーション」という概念で、社外のパートナーと協働で開発した結果、ハイブリッド商品や事業が数多く創生されている。」
イントレプレナー講座で、様々な業界の異質な皆さんが集い、自社の枠を超え多様な価値が結びついた結果、化学反応が起き、商品や事業が産まれています。
結果をもたらす要因は、「オープンイノベーション」にあります。
相変わらず先行きが見えない不安な社会情勢ですが、先人達は勇気を持って危機に真正面から向き合い、底力を発揮し今日の繁栄を築いてきました。
黒船に対する明治維新の際も、敗戦後の奇跡的な経済成長もしかりです。
有事の今、枠を超えた「オープンイノベーション」のスタンスで、「イントレプレナー講座2011」から、日本再生に繋がる事業が創生される機会になれば嬉しい。
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