第164回 「豊かな国、日本!」
最近、「幸せ」という言葉を、多くの人がいたるところで語っています。
人々の豊かさの尺度が、「総生産数値」から、「幸福度」に、移り変わってきているからでしょうか。
OECD(経済協力開発機構)が、2011年5月に発表した「より良い暮らし指標」調査によると、日本は34カ国中19位とのこと。
収入、健康、ワークライフバランスなど、以前の日本は高い位置にいたのが、残念なことに軒並みダウンしています。
日本経済は、スタグフレーションの時代の到来が予想されます。
スタグフレーションとは、景気が悪いのに、インフレが起きている状態のことをいいます。
ここしばらくは、日本経済が厳しい状況が続く現実を受け入れ、身の丈に合った生活が求められるのだと思います。
持続可能性(サステナビリティ)を求めつつ、人々は、「相対的幸福論」でなく、自分自身の幸せの形を見つけていこうということに、気付きはじめたようです。
よく「創造的破壊」という言葉が使われています。
今回の震災は、あまりにも大きな犠牲を伴う破壊でした。
今回の有事が、あるべき市場主義で、人との比較でない自分の幸福の形での生き方を選択する人々が増え、「豊かな国、日本」になって欲しいものです。