人の作りし数
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
10月と11月にセミナーを開催します。
ネタはすでに色々とあるのですが、なかなか重い腰が上がりませんでした。
5ヶ月の充電を終えたあとなので、素敵なセミナーにしたいと思います。
自然数(Natural number)は神が創ったものです。
6や28が完全数であることや、220と284が友愛数 であること。
これらは自然数の美しさです。
人工的なものでなく、すでにそこに存在した、そう野に咲く美しい花々のようなものです。
しかし、人類はそこから数を発展させました。
というのも、日常や数学を構築していく上で、自然数だけでは表せない(説明できない)ことが色々と発見されたからです。
まず人類は整数(Integer)を作りました。
インドで0が発明され、マイナスの計算をする際、負の数が作られました。
お金を貸すと持ち金がマイナスになると数字の上でも表せるようになったのです。
さらに割り算を表すために有理数(Rational number)が発明されました。
ピタゴラスやアルキメデスにより、比という考え方が作り出され、それを表すために分数が使われました。
有理数のおかげで、音楽の調和や美しさ(黄金比)を数で捉えられるようになりました。
そして、次は有理数で表せない数、無理数(Irrational number)が作られました。
アルキメデスの時代には、まだ無理数は考えることができず、ルートなどは黙殺されていたのです。
余談ですが、無理数の中には超越数 (Transcendental number)というものもあります。
無理数までの数の世界をまとめて実数(Real number)と呼びます。
自然数、整数、有理数、無理数、実数の話は、高校数学で出てきます。
それぞれの名称も意味のあるものなのですね。英語を見ればよくわかります。
(が、Integerの語源は!?)
だまされないためのお金数学 解答2
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
今回はセミナーの内容とかぶりますので、アメンバ限定記事です。
アメンバ限定記事といえども、素晴らしい内容のものではありません。
ただ限定記事と言うだけです・・・。
問題4)
ルーレットで赤か黒に賭けます。
もう1500回も続けて黒が出ています。
どうしますか?
①黒に賭ける
②赤に賭ける
③賭けない
答え③
1500回はちょっとおおげさでしたが、100回でもありえません。
ありえないというのは、日常的にということです。
確かに、数学的には1/2の1500乗の確率で起こりえます。
しかし、それは宝くじが続けて何度もあたるくらい稀なこと。
ここは数学的に考えるのでなく、常識的に考えてみましょう。
1500回も黒が出るということからこれは詐欺(ディーラーが色を作為的に選んでいる!?)と考えます。
ですから、「今回は100円賭けて、あたったら100万円当たりだよ!」と最高の条件を提示されても、この賭けに乗るべきでありません。
怪しいものは手を出さないことが一番ですね。
問題5)
キノという数字当てゲームがあります。
1から99までの数字を4つ選びます。
カジノ側が1~99の書かれたボールを選んでいき、一番早いターンで4つの数が揃った人が勝ちです。但し、複数人いるときは分配します。
このとき・・・
①すべて同じ確率だから、どれを選んでも一緒。
②実はお得な数字が存在する。
③お得な数字は存在しないが、損する数字は存在する。
答え③
これは①と思った方が多いのではないでしょうか?
確かに、1~99まで出る確率は同じです。
ですので、(1,2,3,4)と選ぼうが、(20、10、9、8)と選ぼうが、当たる確率は一緒です。
しかし・・・。
同時に当たった人が複数人いるときは賞金を分配する
というのがポイントなのです。
みなさんは適当に数字を選ぼうとすると、どう選びますか?
(19、80、8、14)
というように誕生日を選ぶ人は多いでしょう。(実際、多いのです。)
ということは・・・。
そう。よく選ばれる数字は選ばないほうがいいのです。
だって、当たったとき、他の人も当たってる可能性が高くなるのですから。
19はEvil Number(悪魔の数字)と呼ばれ、カジノ業界では嫌われているそうです。
スクラッチのくじなどでも、19は選ばないようにしましょう!
いかがでしたか?
今回の2問はそれぞれ、数学だけにとどまりませんでした。
数学だけで話をすると、現実味がなくなります。
我々はコンピューターではありませんので、数学の厳密性に人間としての柔軟性を取り入れられます。
だまされないためには、このバランスが大切だと思います。
ありがとうございました(^ ^)
ぜひセミナーに興味ありましたら、ご参加くださいね!
だまされないためのお金数学 ~解答1~
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
先日、知人が遭遇した詐欺はこんなものだったようです。
「1時間ネットをするだけで月に5万円稼げます!!!」
内容は書けませんが、色々と巧妙だったようです。
冷静に考えると、数学的に矛盾をはらんでいるものでした。
しかしこの「冷静」という言葉がネックです。
お金が絡むと、なぜか人は「冷静」でいられないのですから・・・。
さて、先日の解答です。
問題1)
20%引きのクーポンがあります。
これを使えば、すべての商品が20%値引きされます。
更に5%引きの会員割引きもあります。
レジで少しでも多く値引きしてもらいたい人にとって、正しい考え方はどれ?
①20%引きを使ってから、5%引きを使う。
②5%引きを使ってから、20%引きを使う。
③どちらも一緒。
答えは、③番。
もちろん、「25%引きになるのでは?」という解答は論外です!!!
20%引き=0.8
5%引き=0.95
ですので、
0.8×0.95=0.95×0.8
すなわち、どちらを先に使っても一緒ということです。
問題2)
2008年の利益は前年比で30%増加しました。
また2009年の利益は前年比で30%減少しました。
さて、2009年は2年前と比べて増えた?減った?
①増えた
②減った
③ほぼ変化なし。
答えは、②
2007年の利益は2006年に比べて30%増加したといっています。
2006年の利益を1としましょう。
すると、2007年の利益は1.3です。
2008年の利益は2007年に比べて30%減少したのですから、
1.3×(1-0.3)
となります。答えは、0.91.
約1割減少することになります。
これは中学で学ぶ公式
(a+b)(a-b)=a^2-b^2
です。(a^2はaの2乗)
(1+0.3)(1-0.3)=1-0.09
と必ず1よりも小さくなることが分かります。
問題3)
ルーレットで赤か黒に賭けます。
もう15回も続けて黒が出ています。
次は黒でしょうか?
①黒ばかりだから黒。
②黒ばかりだからもうすぐ赤。
③黒も赤も同じ確率。
答えは③
15回もずっと黒が出ているからといって、過去の事象がこれからの事象に影響することはありません。
ルーレットは1回1回がそれぞれ独立した事象なのです。
ちなみに、ルーレットで10回以上同じ色が出ることは、そんなに稀なことではありません。
(私はカジノ大好きなのです…)
ある本によれば、ドイツのバート・ホンブルクで51回続けて黒が出たと書いてありました・・・。
ここまで出たらすごいですね!
問題4)以降の解答は、セミナーの内容とかぶってきますので、アメンバ限定とさせて頂きますm(_ _)m本当にごめんなさい!
(なんでも無料で情報を出していると、セミナーの意味がなくなってきますので・・・)
だまされないためのお金数学
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
近々、「お金と数学」というセミナーを開催することにしました。
私自身、数学と同じくらいお金は興味のあるテーマです。
ただ、お金について書いている方はたくさんいらっしゃるので、自分の専門としては取り扱わないようにしていました。
しかし、先日、知人がある詐欺まがいのことの被害にあったと聞いて考えました。
「もし数学の知識があったら、詐欺に合う前に回避できたかもしれない」
私は金融工学に詳しいわけでも、金融知識があるわけでもありません。
(FP3級程度です。)
しかし、お金はたいてい足し算や引き算で終わります。
邪な感情が入らなければ、お金の計算は簡単なはずです。
数学という冷静なツールを武器に持っておけば、だまされることも少なくなるかもしれません。
そう思い、セミナーを開催することにしました。
最初は長野市内で小ぢんまりと開催しようと思います。
興味のある方はぜひメッセージくださいね。
では、以下にだまされないお金数学を書きました。
直感で答えてくださいね。
ではいきます。
問題1)
20%引きのクーポンがあります。
これを使えば、すべての商品が20%値引きされます。
更に5%引きの会員割引きもあります。
レジで少しでも多く値引きしてもらいたい人にとって、正しい考え方はどれ?
①20%引きを使ってから、5%引きを使う。
②5%引きを使ってから、20%引きを使う。
③どちらも一緒。
問題2)
2008年の利益は前年比で30%増加しました。
また2009年の利益は前年比で30%減少しました。
さて、2009年の利益は2年前と比べて増えた?減った?
①増えた
②減った
③ほぼ変化なし。
問題3)
ルーレットで赤か黒に賭けます。
もう15回も続けて黒が出ています。
次は黒でしょうか?
①黒ばかりだから黒。
②黒ばかりだからもうすぐ赤。
③黒も赤も同じ確率。
問題4)
ルーレットで赤か黒に賭けます。
もう1500回も続けて黒が出ています。
どうしますか?
①黒に賭ける
②赤に賭ける
③賭けない
問題5)
キノという数字当てゲームがあります。
1から99までの数字を4つ選びます。
カジノ側が1~99の書かれたボールを選んでいき、一番早いターンで4つの数が揃った人が勝ちです。但し、複数人いるときは分配します。
このとき・・・
①すべて同じ確率だから、どれを選んでも一緒。
②実はお得な数字が存在する。
③お得な数字は存在しないが、損する数字は存在する。
どうでしょうか?
すべてに直感で答えられましたか?
それぞれの解説はまた次回・・・。
エジプト分数。昔の人はすごい!
こんにちは。
数学学芸員のようじです。
前回の続き。
エジプト分数に触れたので、もうちょっと書いてみようと思います。
昔のエジプト(どれくらい昔かはよく知りません・・・)では、単位分数に分ける計算が発展したそうです。
(単位分数とは、1/2や1/5といった、分子が1の分数)
これすなわち、物をたくさんの人で分けることが多かったからだそうな。
またまた例題をしてみましょう。
7つのケーキを16人で分けるとき、どのようにわけたらいいでしょう?
7つのケーキをすべて16等分して、それぞれが7ピースずつ取る、といった方法は美しくないですね。
エジプトの人は、もっと大きいピースで分けられるように、単位分数の和に直していったのです。
7/16=1/4+1/8+1/16
ですので、
4つのケーキを4等分して、1/4のケーキを16ピース。
2つのケーキを8等分して、1/8のケーキを16ピース。
1つのケーキを16等分して、1/16のケーキを16ピース。
そして3種類のピースを1人ずつ取ればOKです。
単位分数に分ける式さえ押さえておけば、どのようなケーキの個数、どのような人数でも分けられることになります。
古代エジプトの方は、単位分数の分け方を表にして覚えていたそうです。
生活の知恵から数学が発展していくのですね。