数学美術館  -52ページ目

正しいのは先生?生徒? ~・・・ならば・・・~

こんにちは。

数学学芸員のようじです。




日常でよくある会話です。


先生「今回のテスト、70点以上だった人、手を挙げて~」

A君「は~い( ゚∀゚)ノ」

先生「お?A君、あなたは65点じゃないですか!ウソをついてはいけません!」


さて、間違っているのはA君?先生?
















これ実は、A君はウソをついていません。

だからA君をウソつき呼ばわりした先生が間違いです。









どういうことかというと・・・・。









先生は

「70点以上ならば手を挙げなさい」

といいました。


70点以上⇒手を挙げる


です。





ここからいえることは、


・70点以上の人は全員手を挙げている。

・手を挙げていない人は70点未満である。


ことだけです。


高校数学で学ぶ対偶を覚えていますか?

A⇒Bが成り立つとき、その対偶である(Bの否定)⇒(Aの否定)も成り立ちます。

手を挙げていない人は70点未満である、とは対偶から分かります。



手を挙げている人は全員70点以上かどうかは分かりません。


70点未満の人は手を挙げてはいけないといわれていないので、A君は手を挙げていいのです。







日常では馴染めない感覚です。


日常会話では、ある命題を話すとき、その逆も真であるかのように感じます。


例えば

「私はお金持ちをターゲットにしている」


と聞けば


「じゃあ、お金持ち以外はどうでもいいの!?」


となってしまいます。



しかし、

「私はお金持ちをターゲットにしている」

という命題から

「お金持ち以外はターゲットにしていない」

とは出てきません。


対偶は「ターゲットでない人はお金持ちでない」です。





屁理屈のようですが、数学ではそこまで厳密に分けるのです。


あ、日常会話では

「君の今の発言からは、その命題は導かれない!」なんていわないでくださいね・・・(^ ^A"

数多の宝石を求めて ~素数生成式2~

こんにちは。

数学学芸員のようじです。




素数の謎を解き明かそうとオイラーが、素数生成式を編み出しました。

しかし、それもまだ不完全でした。



不規則な素数の並びに規則性はあるのか?


この疑問にチャレンジしたのが、ベルンハルト・リーマンでした。


数学界最大の謎と呼ばれているリーマン予想は、そんな素数の世界の規則性を見出す予想です。

リーマン予想が解かれたら、もしかしたら宇宙の謎も解明できるかもしれません!

我々の求めていた真理が分かるのかもしれません!!






でも今日はリーマン予想の話でなく、素数生成式の話です。


実はここだけの話ですが・・・





素数を生成する式は存在するのです!!!


1971年にマティヤセヴィッチによって提唱された素数生成式です。

A~Zの26の変数に、自然数を代入していけば、すべての素数に対応するA~Zの数値が存在するのです。

(クリックしてみてくださいね)


上質が分かる知識人のための数学美術館 -素数生成式



・・・



どうでしょうか?


あまりにも美しくない式ですね。

これがこの世の真理を表す式だとしたら、ショックです。


実際、この式はあまり有効ではないようです。

代入しても負の数がよく出てくるし、何よりどのような数列に対してもこのような式を作れるというのです。

ある数学者は「これでは素数の何も分からない!」と言っています。



この式が提唱された時代は、すでに「単純な素数の並び」ではなく、リーマンによってもっと深いところまで学問が進んでいました。



素数の式。

もしかしたら人類の言葉では書き表せないのかもしれませんね。


それをリーマン予想として人間の世界でもわかる形で示そうとしています。

21世紀中に解けると嬉しいですね。

数多の宝石を求めて ~素数生成式~ 

こんにちは。

数学学芸員のようじです。




素数は昔から人類の最大の謎でした。


2,3,5,7,11,13・・・



その出現するパターンは余りにもランダムで、その規則性を見出そうとたくさんの数学者が頭を悩ませました。



18世紀の大数学者レオンハルト・オイラー(1707-83)は、1772年、このような素数を作り出す式(素数生成式)を編み出しました。



上質が分かる知識人のための数学美術館 -素数生成式1


オイラーは100,000までの素数を自分で計算して探し出した超人です。

(コンピューターもない時代によくぞ・・・)



この式にx=1, 2, 3, ・・・と代入していくと素数が次々に出てきます。


41, 43, 47, 53, 61, 71, 83, 97, 113, 131, 151, 173, 197, 223, 251, 281, 313, 347, 383, 421, 461, 503, 547, 593, 641, 691, 743, 797, 853, 911, 971, 1033, 1097, 1163, 1231, 1301, 1373, 1447, 1523, 1601


とx=39までは素数が出てきます。


(x=40のとき、1681となり1681=41×41もちろんx=41のときも素数になりません。)



2から順番に素数が出てくるわけでもなく、1601までのすべての素数が出てくるわけでもありません。

しかし、この一つの式で素数がたくさん出てくることにオイラーもびっくりしたでしょう。



かのオイラーでも、すべての素数を作り出す素数生成式を編み出すことは出来ませんでした。


オイラー曰く

「この世には、人知ではうかがい知れない神秘が存在する。そのことを得心したければ、素数の表を一目見ればいい。そうすれば、そこには秩序も規則もないことがわかるだろう」



世界を創りだしていると考えられた素数が、不規則に出現することに、さぞ昔の人は(現代の人も!)疑問を感じたでしょう。



気まぐれに出てくる素数をすべて網羅した神の式「素数生成式(完全版)」はいつか見つかるのでしょうか?

そしてそこには世界の真理を解き明かす鍵があるのでしょうか???



神聖なる数「10」 ~テトラクテュス~

こんにちは。

パーソナル数学コーチの八田陽児です。




上質が分かる知識人のための数学美術館 -テトラクテュス
その昔、10は神聖な数とされていました。


右の絵をご覧下さい。


これは●が並んでいるだけではありません。


●が1つ、2つ、3つ、4つ。

この形をテトラクテュス(Tetractys)といい、

完全なる形と考えられていました。


正三角形という美しい形が、自然数の和によって表せるのです。




また、音楽においての調和、和音も説明が出来ます。

音楽において、ハーモニーは、振動数が1:2、2:3、3:4のときにうまく調和します。


それがこのテトラクテュスには書かれているのです。




古代ギリシァにおいて、万物は数で出来ていると考えられていました。

テトラクテュスは、そんな世界を象徴するものかもしれませんね。




人が求めているのは素因数分解??

こんにちは。

数学学芸員のようじです。


今日はゆっくりと昼寝をして、のんびり過ごしています。






私も教育関係に携わる者として、教育業界の情報収集はかかせません。

しかし、自分からHOTな話題を見つけ、それについての深い情報を探し出すことは苦手です。


そんな人にオススメのブログが!!

受験数学屋mizu-Changさんのブログ。

http://bit.ly/aTbfGd




教育情報がまとめられています。

これには大助かり!


特に長野県でも来年から屋代高校が公立中高一貫になり、注目が集まっています。

いい記事を発掘できました(^ ^)


mizu-changさんは毎週教育関係の情報をまとめて、記事にしているとのこと!

すごいです!!!









人々はネット上で「自分ではなかなか探し出せないもの」を求めているのではないでしょうか?


例えば、私にとって欲しいものは

「思い出したい音楽のフレーズを口ずさむと、それが何の曲かタイトルを教えてくれる検索エンジン」

「名称を度忘れした数字や数式や定理から、その名前を教えてくれる検索エンジン」

「知りたいビジネステクニックや手順、スキルなどから、それを調べるキーワードを出してくれる検索エンジン」


などです。


これらはすべてコンピューターでは検索が難しいものです。




逆に

「曲の題名からその曲を聞く」

「数式の名前から、その数式について調べる」

「マーケティング、Twitterと言ったワードからその内容や使い道を調べる」


ことはとても簡単です。Googleでキーワードを入れて検索するだけで、たくさんの情報が出てきます。






例えるなら、人の求めているものは「素因数分解」のようなものです!!




91×37は簡単ですが、「3367を2つの素数のかけざんにせよ!(素因数分解せよ!)」、といわれたら難しいです。





片方は簡単なのに、逆は難しい。





この日常にある、素因数分解が人の求めるものなのかなぁと寝ぼけながら思いました・・・(=.=)zzz




この「日常にある素因数分解のようなもの」という概念は、ビジネスの世界で何か名称があるのでしょうか??