第15話:モンスター社員の弱点とは | 本田承太郎

本田承太郎

飲食店開業を目指す為に学ぶべき知識。
スキルと資金・経験を積んで
自分の城を持つ為にやるべき10の事。

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前回までのあらすじ:
藤堂物産で働く本田承太郎はこの会社で10年働くサラリーマン。
自分の職場の意識が以前より低下していて
危機感を感じていた本田は、部署内で個別面談を開始していたが
部内の問題児三浦の行動が本田を手こずらせていました。


第15話:モンスター社員の弱点とは

本田承太郎の部署内にいる30名の部下たちの中でも
度々問題起こすのが三浦という入社2年目の男性社員だ。

彼は、自分への意識が強く、
よく周りが見えなくなる傾向がある。

自分の意見が正しく、曲げない事が美徳だと思っているので
人の注意には何かにつけて反論することが普通だと思っていた。

しかし、そんな性格でも周りへの気遣いや
社交性は高いので完全には嫌われることは無く、
まわりの人間が彼の性格を認める事で関係性が成り立っていた。


本田は、初期の頃から三浦に対して
これから社会人として成長して欲しい反面、
厳しくするだけではすぐに辞めてしまったり、
ネットに不満や文句を書き込む様な

「モンスター社員」の

資質が秘められている事に気付いていた。


その為、元部下の山本には注意するように伝えていたが
山本が辞職したせいで三浦の同列だった「大島」が
役職繰り上げになった事もあり
同期が自分の上司として配属になった事は
三浦の不満を拡大させるには充分だったのだ。

三浦は入社2年目にして社内でも一番の問題児だが
本田が面談で話を聞いてみると、
以前働いていた会社やアルバイト経験で、いわゆる

「ブラック企業」と出会い

痛い目をみてトラウマになった事が
今の三浦を作っていたのでした。


今は上司に対しても上から目線で、
このような言葉がいつも口癖のように出てきます。

「それは自分の仕事じゃないんで無理です」
「そんなこと教わってないんで出来ません」
「こんな仕事やるって聞いてない」
「出るとこ出ても良いんですよ?」
「労働局に訴えようかな」
「先輩のこと部長に報告すれば良いですか?」

自分の不注意でカッターナイフで手を少し切っただけでも
「労災おりるんですか?保証金もらえますか」と
上司を通さず平気で関係各所に問い合せたり、

自分と仲が良い社員に自分の敵と見る上司や社員の
不利益な情報を流し陥れようとする動きが目立ちます。


一応仕事はしているが
重要な仕事は任せられないので適度に対応すると
社内いじめやパワハラを訴えてきます。

他人に対しては
「あいつは全然ダメだ」
「こういうところがダメなんだ」
「だからお前はその程度なんだ」
「あなたに言われたくないです」

こう言う言葉がよく出てきます。

あげくに最近は、
自分の親や知り合いの他の部署の上司に頼んでいて
会社に対し自分の扱いを問い合わせるといった
非常識な場面もあるほど甘やかされ、
自分の味方を作る術も上手いのでした。

さて、
このような「モンスター社員」に対応するにはどうすれば良いでしょうか?

仕事はしているのでこの社員をクビにするわけにもいかず、
直属の上司の係長平嶋には胃の痛い存在でした。


そんな時今回は上司の本田の介入で

平嶋は安心したのか
「あとは全てお任せしますのでよろしくお願いします」と
三浦の全ての業務を本田に丸投げしてきました。

平嶋も問題だとは思いましたが
本田承太郎は早急に三浦の対応を考えることにしました。



世間では他の一般企業でも
「モンスター社員」というものに対する問題が増えてきています。

これは、部下だけではなく
管理職や上司にも当然存在するので更に厄介です。

傾向としてはクレーム色が強く
不満や要求を強く主張してきます。

タイプとしては
・実力不足の上司に多いパワハラタイプ
・人によって態度を変える情緒不安定タイプ
・自分がうつだからと言う嘘うつタイプ
・周りの評価を落とす事で自分が上がれると思っているアピールタイプ
・自分の非は認めない自信過剰タイプ
・なんでも反抗すれば良いと思っている反抗タイプ
・自分に優位な状況を作ろうとする優位タイプ
・モンスターを排除しようとするクラッシャータイプ

このようなパターンがあります。

他にも様々なケースがありますが
問題社員三浦はこれに多く当てはまっていました。


会社はこういった人材を雇ってしまった事を後悔して
「なんであんなの雇ってしまったんだ・・」と
嘆いている人事も少なくありません。


こういう「モンスター社員」には共通する
弱点がある事を本田は知っていました。


今まで企業や上司達の危機感が弱かったせいもあり
モンスター社員に対抗する術を持っていなかった為、
このような「モンスター社員」を
増やしてしまう結果になっていたのでした。


最悪社長がモンスターな場合は仕方ありませんが
上から順番に責任があるといっても過言ではありません。

本田承太郎にはこのような問題を摘み取ること、
そして平嶋のような丸投げ上司に問題解決力を
教育することが役割であり仕事なのでした。


今回の三浦との個別面談が終わった時に本田は、
モンスター度が大きくなってしまった三浦に対しての対応を
既に決めていたのでした。


つづく

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