なぜ沖縄の人は長寿だった? 伝統食の秘密【糖質をうまく活用することが健康につながる】 | 最果てなど無いと知る〜健康を本質から考えるブログ〜

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今回はかつて長寿日本一だった沖縄県の伝統的な食事法を紹介します。

そこには現代的な食事で失われてしまったもののヒントがあると思います。

 

 

ちょっと前にこの記事を書きました。

 

 

糖質が効率の良いエネルギー源であることを紹介しました。

 

 

現在では、糖質は悪者扱いされていることが多いと感じています。

主に太るとか病気になると言われていますね。

 

 

実は伝統的な沖縄料理では、驚くほどの糖質量を食べています。

それをみていきましょう。

 

 

 

伝統的な沖縄料理の秘密

伝統的な沖縄料理の秘密を文献[1]をもとに紹介します。

 

 

伝統的な沖縄料理では、青菜や豆腐や味噌汁などがほとんどの料理に添えられています。

タンパク質源としては、魚、豚肉です。

 

 

調理法は、チャンプルーという炒め料理で、ゴーヤ、キャベツ、タケノコなどの野菜をラードを少量使って炒めています。

また煮物では、カツオだしに少量の魚や豚肉、大根、オクラ、人参、かぼちゃなど水分の多い野菜を使って、味噌で味付けをします。

 

 

イリチーは水分の少ない青パパイヤ、切り干し大根、ごぼう、のりなどを使って、炒め煮のようにして作られます。

 

 

そして、主食に秘密があります。

その主食こそがサツマイモです。

 

 

沖縄は多くの台風にさらされるため、野菜は育っても米が育ちませんでした。

代わりにサツマイモは丈夫で厳しい気候変動にも耐えられるため、かつての沖縄では主食になりました。

 

 

驚くのはサツマイモを食べる量です。

なんと、一日のカロリー摂取量の半分以上をサツマイモから摂取しています。

 

 

糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素の割合で比較すると、

厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準三大栄養素の割合は、エネルギー必要量から算出すると、

糖質50〜65%・脂質20〜30%・タンパク質13〜20%(年齢によって異なるためこの範囲差がある)に対し、

 

 

伝統的な沖縄料理では、

糖質85%・脂質6%・タンパク質9%と驚くべき比率になっています。

タンパク質量が少ないですが、これもサツマイモに秘密があります。

この記事では解説しませんが、気になる方は調べてみてください。

 

 

現在の沖縄は長寿全国一位から転落

沖縄県はかつて、平均寿命が全国一位でした。しかし第二次世界大戦後に食の欧米化が進み、2022年の発表では男性では43位、女性では16位と下降の一途を辿っています。

三大栄養素の比率で言えば、大きく変化したのは脂肪摂取量が最大で27%にも増加しています。

 

 

その影響と考えられますが、沖縄の肥満の割合は若い世代を中心にして増えています。[2]

2005年の調査では、沖縄県の40歳以上の男性の半数以上が肥満であることが報告されています。[3]

 

 

脂肪の摂取量増加が肥満につながることは、以前記事にしました。

 

 

 

 

 

 

沖縄の女性において、内因性エストロゲンによる乳がん発症のリスクが問題となっており、それが肥満と関連していることが確認されています。[4]

内因性エストロゲンの影響は脂肪摂取増加によるもの(特にPUFA)ですが、平均寿命が低下したのも食の欧米化による影響だと考えられます。

 

 

エストロゲン過剰と病気の関係は、これまでに記事にしましたのでそちらをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

サツマイモは超オススメ食材

伝統的な沖縄料理で主食になっているサツマイモは僕個人的に超オススメ食材です。

その理由、ひとつめがエネルギーとなる糖質です。サツマイモ200gあたりで糖質が54gあります。

 

 

日本人の主食である米は200gあたりで糖質が74gです。

サツマイモは糖質の量としては米より少ないものの、伝統沖縄食での摂取カロリーの半分以上がサツマイモというのは驚きです。

 

 

そしてもうひとつが、サツマイモに含まれるビタミンEです。

ビタミンEが多い食材は、ナッツなど脂質も一緒に多いのが特徴ですが、サツマイモだけは例外です。

サツマイモは200gあたりの脂質が0.36gと少ないにも関わらず、ビタミンEは2.73mgとかなり豊富です。

なお、ビタミンEの一日あたりの摂取基準は、3〜7mgです。

 

 

伝統的な沖縄料理では大豆を使った食べ物をたくさん食べますが、問題となるのはイソフラボンによるエストロゲン作用です。

以前の記事でも書いたように、イソフラボンによるエストロゲン作用で病気へのリスクが高まります。

 

 

しかしビタミンEには坑エストロゲン作用があります。[5][6]

他にもビタミンEの代謝産物が、がん細胞の活性を抑制します。[7][8][9][10]

サツマイモは脂質が少ないのにビタミンEが多いという特殊な植物です。ナッツ類に含まれる多価不飽和脂肪酸(PUFA)を気にせずに、ビタミンEを摂取できます。

 

 

ただし、これはあくまで天然のビタミンEの話です。

サプリメントのように合成されたビタミンEを摂取することはオススメしません。

理由は以下の記事を読んでみてください。

 

 

 

伝統的な沖縄料理の特徴

沖縄県の大宜味村では人口3,500人に対し、90歳を超える高齢者が80人います。

そんな大宜味村ではL-セリンというアミノ酸の摂取量が70歳以上の平均摂取量である一日2.5gを超える一日8g以上だったことが確認されています。[11]

 

 

セリンは大豆、海苔、カツオ節に多く含まれていて、ホスファチジルセリンの材料となるアミノ酸で、脳細胞に多い成分です。

そんな大宜味村ではアルツハイマー病が少ないことでも知られています。

 

 

それでは最後に伝統沖縄食の主な特徴をまとめとして紹介します。

・摂取カロリーが少ない

・大豆の摂取量が多い

・根菜と緑黄色野菜の摂取量が多い

・サツマイモの摂取量が多い

・魚介類は控えめ(沿岸部では多い)

・肉類の消費が少ない

・脂肪の摂取量が少ない

・塩分摂取量が他の都道府県よりも少ない

・ミネラル豊富な野菜を摂取している(海からのミネラル)

・穀物摂取量が33%と少ない。他の都道府県では約75%

 

 

身体は食べたものから出来ているというのはよく聞く話ですが、以前の『食用油と健康の逆説』シリーズでお伝えしたように油をたくさん摂取するようになってから、人々の健康状態は悪化しています。

 

 

また、太りやすい食事法でも脂肪の摂取量増加が関連していることを紹介しました。

 

 

伝統的な食事では、現在のように食用油を大量に使用していません。

 

 

たとえばパプアニューギニアの先住民族はイモを大量に食べていて、その三大栄養素の比率は糖質94.6%・脂質3%・タンパク質2.4%です。

それにも関わらず、肥満、高血圧、糖尿病、痛風、虚血性心疾患、黄斑変性症はなく、やせ型で体力があり、健康状態も良好だったと報告されています。[12]

 

もし現在のように、糖質の食べ過ぎが病気や肥満につながるとしたら伝統的な沖縄料理を食べていた人々も、パプアニューギニアの先住民族も、すでに病気になっているはずです。

 

 

伝統的な料理で健康的な生活を送っている民族の食事にこそ、健康の秘訣があると言ってもいいのではないでしょうか。

 

 

【参考文献】

[1] Healthy aging diets other than the Mediterranean: A Focus on the Okinawan Diet

Mech Ageing Dev . 2014 Mar-Apr:136-137:148-62.

 

[2] Overweight and obesity trends among Japanese adults: a 10-year follow-up of the JPHC Study.

Int J Obes (Lond) . 2008 Dec;32(12):1861-7.

 

[3]High prevalence of metabolic syndrome among men in Okinawa. J Atheroscler Thromb. 2005;12(5):284-8.

 

[4]The correlation between body mass index and breast cancer risk or estrogen receptor status in Okinawan women. Tohoku J. Exp. Med., 234, 169-174. 

 

[5] An Update on Tamoxifen and the Chemo-Preventive Potential of Vitamin E in Breast Cancer Management.

J Pers Med. 2023 May; 13(5): 754.

 

[6] Tocotrienols inhibit the growth of human breast cancer cells irrespective of estrogen receptor status.

Lipids . 1998 May;33(5):461-9.

 

[7]Tocotrienol-induced caspase-8 activation is unrelated to death receptor apoptotic signaling in neoplastic mammary epithelial cells

 

[8] Tocotrienols and breast cancer: The evidence to date. 

Genes Nutr. 2012;7:3–9.

 

[9] γ-tocotrienol inhibits neoplastic mammary epithelial cell proliferation by decreasing Akt and nuclear factor κB activity. 

Exp. Biol. Med. 2005;230:235–241.

 

[10] Mechanisms mediating the antiproliferative and apoptotic effects of vitamin E in mammary cancer cells. 

Front. Biosci. 2005;10:699–709.

 

[11]Traditional Food Items in Ogimi, Okinawa: l-Serine Content and the Potential for Neuroprotection.

Curr Nutr Rep . 2017;6(1):24-31.

 

[12]Epidemiological studies in a total highland popula­tion, Tukisenta, New Guinea: cardiovascular disease and relevant clinical, electrocardiographic, radiological and biochemical findings. J Chronic Dis. 1973;26(5):265-290.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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