Fri 180216  九州へ/北アルプスが輝いている/2011年3月のこと/新燃岳が心配だ | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 180216  九州へ/北アルプスが輝いている/2011年3月のこと/新燃岳が心配だ

「N山さんは『九州男児』が口グセだった」と書いたのも(スミマセン、昨日の続きです)、実は綾瀬の翌日からしばらく九州に滞在する予定だったからである。

 

 10日はいわゆる「前乗り」で福岡に宿泊。翌11日は午前中が久留米、夕方から鹿児島、鹿児島で懇親会があって、21時の新幹線で博多に帰る。翌12日は福岡県行橋で公開授業がある。

 

 13日には首都圏に帰って、神奈川県の「湘南台」という街で公開授業。翌14日には沖縄県浦添で公開授業、15日にはトンボ返りで東京・成城学園前でお仕事だ。

 

 このスケジュールで心も身体もこわさない今井君とは、要するに鉄人、ないしはプラチナ人、ハッキリ言えばダイアモンド人、ないし超サトイモ人なのである。

 

 だから諸君、日本中のいろんな会社が、今井君をプラチナやらダイヤモンドやらにしてくれる。ANAはダイアモンド。インタコンチはスパイア・ロイヤル・アンバサダー。まさにすげー世界に君臨している。

 

 その特典たるや、「朝8時にチェックインOK」だの「夕暮れ4時までお部屋が使えます」だの「ミニバーのドリンクは全て無料です」だの、いやはや、正直言って「申し訳ございません」と平身低頭したくなるレベルである。

 

 だからと言って素直に平身低頭しないのがサトイモ君のイモ類っぽいところであって、向こうから申し出てくれた特典の数々を、わざわざ平身低頭して遠慮する必要はない。使えるものは使い、使えないものは使わない。

19621 北アルプス

(ヒコーキから、早春の北アルプスを望む)

 

 3月10日、まずはバスタ新宿から羽田空港までマジメにバスで向かうのである。ホンの2年か3年前には羽田までの道のりは「タクシー」と言ふマホーのジュータンを利用して悦に入っていたが、まあ諸君、そういう贅沢には限度があって、あんまり贅沢していると受験生に悪い影響を与えちゃうじゃないか。

 

 ただし諸君、羽田空港までの公共交通機関は、今や中国の人々の天下である。スマホのスピーカーも使い放題、いろんなボリュームの中国語が自由自在に車内に溢れかえって、やかましいことこの上ないが、何しろ我々は大人しい日本人だ。こんなバスの中で超大国の人を相手に悶着を起こすわけにもいかない。

 

 空港に到着したら、直ちにランチに舌鼓を打ちたいじゃないか。というか、3月初旬から中旬の羽田空港は、

「お、今井だ!!」

「あれって今井なんじゃね?」

「そんなわけねーだろ」

という若者たちでいっぱいだ。ランチで店の奥に隠れてでもいないと、「今井だ」「今井だ」「今井だ」のツイートでLINEやツイッターがパンクしかねない。

19622 ホルモン

(今日は福岡へ前乗りだ。ランチに「特製モツ煮込み」を貪る)

 

 というわけで15時45分、ワタクシは福岡行きのヒコーキに乗り込んだ。真っ黄色というか、ゴールドというか、機体はド派手な色に輝き、どうやら「STAR WARS」ということであるらしい。「WARS」とはまた恐ろしい話であるが、航空会社がそういう姿勢なら致し方ない。

 

 東京から福岡に向かう便の場合、富士山は機体の左下であって、「A」の席からしか見えない。この日のワタクシの席は「2K」であって、富士山は最初から諦めていた。というか、どうもこのごろ上からも下からも富士山ばかり見すぎて、タマには別のお山も見てあげたい。

 

 2Kからは、真っ白に輝く早春の北アルプス方面がマコトに美しく見えていた。山は、円錐形ばかりが美しいのではない。あの北アルプスの向こうには、富山があり金沢があって、そういう北陸の町を訪ねたのは、もう1ヶ月も前のことである。

19623 牛タン

(ついでだから、牛タン焼きも追加する)

 

 7年前の大震災の日、ワタクシは金沢に宿泊して富山の公開授業に出かけた。大阪から金沢に到着した直後に大きな地震があった。チェックインしたホテルの窓のブラインドがフリコのように壁にぶつかり、重い音を何度も響かせた。

 

 それが午後3時前のこと。しばらくしてテレビをつけてみて、たいへんなことになっているのを知った。東京湾では石油タンクが大火災を起こしていたし、「宮城と岩手で震度6強」とテロップが入った。当時ワタクシの実家は仙台だったから、「とりあえず仙台と連絡をとらなきゃな」と思った。

 

 さらにしばらくして「名取川の河口から大きな津波が陸に向かって押し寄せてきています」という緊迫した映像が入った。そこから先の映像は、もちろん今もなお我々の目に焼きついている。何もここで再び繰り返すことはない。

 

 しかしとにかく仕事があるから、特急電車に乗って金沢から富山に向かった。あの夜もやっぱり、公開授業はあったのである。東京とも仙台とも連絡がつかないまま、19時半から21時まで授業をして、21時半の普通列車で金沢に帰った。この段階で特急電車は全て運休になっていた。

 

 途中の倶利伽羅峠は大雪で、各駅停車は2時間かけてやっと金沢に到着。金沢で運転打ち切りになった「トワイライトエクスプレス」が真夜中のホームに立ち尽くしていた。

 

 翌朝までずっとテレビにかじりついて、大津波直後の三陸の町が赤い火の手をあげて燃えているのを見つめていた。午前9時、小松空港までタクシー。小松から羽田空港に飛んだ。あの朝も、飛行機は飛んでいたのである。

 

 羽田空港から再びタクシーで自宅に帰った。タクシーは出払っていて、空港の出口で20分ほど待たなければならなかった。前夜の東京では全域で帰宅困難者が溢れ、タクシーの運転手さんは「一睡もしていません」「徹夜でお客さんを運び続けました」と、真剣な様子で語るのだった。

19624 スターウォーズ

(あれから7年。羽田空港から「STAR WARS」デザインのヒコーキで福岡に向かう)

 

 13時、自宅に到着。16時、小田急線に乗って平塚に出発。3月12日は神奈川県平塚で公開授業があった。申込者100名のうち、47名が出席。原発の大惨事がすでに始まっていて、授業が始まるまでずっと控え室でU Streamを見つめていた。

 

 さらに3月13日、足立区綾瀬で公開授業の予定があった。海江田大臣が涙ながらに「計画停電」を発表した直後であって、綾瀬は計画停電区域ギリギリの位置。すぐに本部に連絡して、「今夜からしばらくは公開授業を中止すべきだ」と言ってみた。

 

 もちろんそれでも、完全装備で自宅を出たのである。電車がストップしても徒歩で帰ってこられるように、スニーカー・フラッシュライト・キャンディー・チョコレート・おむすびを持参。防寒具も完璧にした。足立区から渋谷区まで、徹夜してでも歩いて帰ってくる決意だった。

 

 自宅を出た直後に本部から連絡があって、「すべて中止といたします」ということになった。だから諸君、あれから7年が経過した2018年3月9日、綾瀬で公開授業を実施できたことに、大きな感謝を感じるのである。

19625 博多駅前

(2018年3月10日、博多駅前の光景)

 

 ただし諸君、今こうして到着した2018年の九州では、新燃岳が噴火している。7年前との不気味な符合を語っている人も少なくないと思う。7年前にも、1月末から2月にかけて、新燃岳が噴火していた。

 

 火山灰を浴びた農作物の被害、マスク姿で登下校する小学生の列、クルマに積もった火山灰を取り除く人々。7年前の2月に見たのとそっくりの風景が、テレビの画面に映し出される。するとワタクシのようなシロートは、どうしても何かの符合を感じて、身のすくむ思いがするのだ。

 

 今日は3月11日である。これから久留米と鹿児島に出かけて、公開授業のダブルヘッダーであるが、7年前のことを忘れないためにも、もしも時間のある諸君は、2011年3月に今井が書いた次のような記事を読み返してみてくれたまえ。

 

Thu 110317 巨大地震についての虫の知らせ 富山での講演会 巨大地震発生前後のこと

 
 
 
 
 
Tue 110322 仙台市内に暴走族 今こそ今井を使いたまえ 大正12年「復興節」に学ぶ

 

1E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 5/6

2E(Cd) Preston:BACH/ORGELWERKE 6/6

3E(Cd) J.S.BACH/SILVIA(Cantata Opera in 3 Acts)1/2

4E(Cd) J.S.BACH/SILVIA(Cantata Opera in 3 Acts)2/2

5E(Cd) Münchinger & Stuttgart Chamber:BACH/MUSICAL OFFERING

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