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飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪

Hです。

先月から当科で研修中のS先生ですが、早いもの今週でで6週間の研修を終えられます。漢方の勉強は初めてとのことでしたが、入院担当、外来実習、当院名物レクチャーの嵐に見舞われて、処方がすっと思いつくようになられました。今後の診療にも大いに活かしていただきたいと思います。

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リウマチ内科後期研修をしていますSと申します。ありがたい縁をいただきまして2021年から1年間飯塚病院で内科研修をさせていただいております。
2022年1月から始まった漢方科研修も今週まで終了の予定となり、研修を通して学ばせていただいたことブログにまとめたいと思います。
 
恥ずかしながら今まで東洋医学というものを勉強したことがなくほぼ知識ゼロからのスタートとなりました。西洋医学にはないような病態把握尺度で評価することに最初は戸惑っておりましたが、外来陪席やレクチャーのなかで評価について丁寧にご指導くださり段々と理解を深めることができました。

研修を通して学んだことは多いですが、全部はあげられないので、、
特に印象に残ったとこをまとめさせていただきます。
・西洋医学の原則に反する症状に対して西洋学的とは異なる尺度で病態を評価できること
・西洋医学とは違う見方(四診)での診察能力の向上が望めること
・西洋医学に介入しづらい冷えや老化に効果がある治療があること
・ステロイド投与による東洋医学的な病態の変化
・西洋医学の治療と親和性のある治療介入の方法があること
どれも目から鱗の知識でした!!
 
懇切丁寧にご指導くださいました指導医の先生方1ヶ月間本当にありがとうございました。研修は終了となりましが、今後も東洋医学を継続して学ばせていただければと思います。
この度は貴重な機会をありがとうございました!!!

 

Hです。

今月から約1ヶ月半、当院で専修医をされている先生が研修中です。

西洋医学とは異なる考え方で治療する漢方医学は、今後の診療に必ず役立つはずです。

その奥深さに慣れ親しんでいただけたらと思います。

 

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初めまして、東京でリウマチ内科の内科後期研修をしていますSと申します。ありがたい縁をいただきまして1年間飯塚病院で内科研修をさせていただいております。
2022年1月からは1.5ヶ月間漢方科研修の機会をいただきました。研修開始前ということで研修日記を記入させていただきます。
 
他の研修生の日記を拝見しますと学生のうちから漢方に触れ勉強されている方が多い中で、恥ずかしながら今まで東洋医学というものをしっかり勉強したことがなくほぼ知識ゼロからのスタートとなりました。
 
が、
こんな知識ゼロの私にも、指導医の先生方が私の理解度に合わせた指導をしてくださり、毎日とても充実した日々を過ごさせていただいてます。
 
リウマチ科として舌診察は少し勉強してきたつもりですが、東洋医学的な診察のポイントやその独特な評価方法に「こんな考え方があるんだ」と感動したり、
西洋医学では説明できない主訴と病態に対し東洋医学的病態の評価を行うことでその対応法がしっかりあるんだぞということを学んだり、、
まだ研修開始から2日しかたっておりませんが、今までの臨床の悩みを解決するための1つの新しい扉が開けた感じがいたします。
 
出来の悪い私なので色々と不安はありますが、この貴重な機会を精一杯勉強して楽しみたいなと思っております。1.5ヶ月間どうぞよろしくお願いいたします。

 

Hです。

学生見学がありました。

漢方の勉強もされていて大変博識で、熱心に質問されていました。

外来診療に、入院患者さんの回診も見学されて感じるところが多かったようです。

 

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 私はこれまで、飯塚病院の先生方のセミナーや本で漢方の勉強をしてきました。今回の見学では、憧れの先生方に実際にお会いでき、色々とお話しできてとても嬉しかったです。
 午前中はT先生の診察室で外来の様子を見学させていただきました。切診の様子を見るのは初めてでした。特に腹診が意外とスピーディーで驚きました。振水音を聞けたことに感動しました。健康な人はお腹が温かいと伺ったので、自分のお腹の温度に注目して生活してみたいです。また、足首を覆う靴下を履き、三陰交を温めると良いと知りました。見学後、早速意識して生活しています。診察ではどの患者さんに対しても生活習慣、食習慣に関するアドバイスが多かったことが印象的でした。最終的に病気を治すのは、薬でなく体であるため、生活を整えるのが大事だと改めて認識しました。T先生がいつもおっしゃるように、「食う、寝る、出す、遊ぶ」を整えて日々生活していきたいです。
 午後は病棟回診でした。処方をどうしていくかという、プロの議論を聞けたのは貴重でした。
 見学を通して、漢方診療科は穏やかで居心地の良いところだと感じました。先生方とお話しすることで、自分も治療をしていただいた気分になりました。改めて、漢方っていいなあと思った一日でした。お世話してくださった先生方、見学を了承してくださった患者さんにとても感謝しております。ありがとうございました。
 

Hです。
見学の学生さんがいらっしゃいました。

漢方治療には興味を持っていたものの、当院実習枠に入ることができず、個別の見学としておいでになりました。

大変丁寧な方で、将来は患者さんに信頼される医師になられるのだろうと頼もしく感じました。

 

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1日のみの短い見学でしたが、大変お世話になりました。

外来見学では、問診だけでなく脈診や舌診の様子を見学させていただきました。
漢方診療科の医師がどのように患者さんの身体の状態を把握しているのかを
知ることができ、西洋医学との違いを感じました。
また、医師の眼と脈を捉える手の感覚、患者さんが訴える症状を総合して
診断していく漢方診療科の奥深さ、面白さを知りました。

現在は漢方の知識が全くありませんが、将来はどの科に進んだとしても、
患者さん一人一人に合った漢方が処方できるような医師になりたいと思っています。
少しずつでも漢方の知識を増やしていけたらと思います。
本当にありがとうございました。

Hです。最近の入院症例をご紹介します。

 70代の女性。若い頃からストレートネックと言われ肩のこりや痛みがひどかったそうです。頚椎症と診断され、整形外科で首の手術もされましたが痛みがとれずにおいでになりました。両肩が硬く張って痛み、首から腕にかけてビリッと電撃痛が走るため寝起きも困難、腰から足にも症状があるため、歩くにも杖でやっとでした。

電気温鍼という温熱刺激による治療兼検査を行うと、かなり冷えがあることがわかりました。冷えからくる痛みであるとして温める治療が必要と判断しましたので、烏頭(ウズ)を使った漢方薬を煎じ薬で飲んでいただきました。烏頭はトリカブトの根を加圧加熱して毒性を弱めたもので、体を温める作用が強く高度の冷えに用います。副作用に注意が必要なため、入院して量を細かく調整しました。

13日目 肩の痛みが7割くらいに減った。肩の張りがやわらかくなった。
    足腰の痛みが取れ、杖がいらなくなった。
16日目 腕の電撃痛がなかなかとりきれない。
    長年の痛みによる気分の落ち込みも考慮して柴胡を含む方剤を追加。
17日目 肩の傷みがほぼとれ、電撃痛も減ってきた。表情が温和になった。
24日目 痛みはやや残るが、なんとか生活が送れそうとのことで退院。

頚椎症による長年の強い痛みでしたが、西洋医学では対処が難しい「冷え」を目標に治療を行い、症状を緩和して日常生活に戻ることができました。さらに効果があがることを期待して治療を続けています。

 

Hです。

熊本大学から見学の学生さんが来てくださいました。

以前から見学希望があったそうですが、現在実習の受け入れがストップしているため個別の見学として来られました。

大変熱心で漢方診療の未来は明るいと感じました。

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 1日見学で飯塚病院にお世話になりました、医学部生です。私は以前から漢方に興味があり、一度漢方診療科が有名な飯塚病院を見学させていただきたいと思っておりました。急な見学のお願いにもかかわらずY先生、H先生には温かく迎え入れていただき、興味深いお話をたくさん聞かせていただきました。本当にありがとうございました。
 脈診や舌診など漢方独特の診察方法について座学で少し学んだことはありましたが、実際にカルテを見せていただいたのは初めてで、勉強になりました。また、漢方薬局に行き、桂皮や甘草、大棗など代表的な生薬を生まれて初めて試食させていただきました。綺麗に生薬が陳列された薬棚と、それぞれ個性のある香りと味が今も脳裏に焼きついています。憧れの漢方を五感で感じられた、一生忘れられない経験になりました。漢方診療の臨床報告書や書籍など資料もたくさんいただきました。今後の勉強に大いに活用させていただきます。ありがとうございました。
 そして、先生から伺った『病気の原因を追求し局所にアプローチする西洋医学と、病気に身体が反応して生じる様々な症状にアプローチする漢方医学をうまく組み合わせることで、患者さんそれぞれに合ったより良い治療を行うことができる』というお話に心底共感致しました。将来はそんな診療を実践できる医師になりたいと強く思いました。今回体験させていただいたことでますます漢方に興味が湧きました。これからも勉強に励む所存ですので、またぜひご教授いただけますと幸いです。この度は本当にありがとうございました。
 

Hです。

 

新型コロナウイルス感染症が日本で猛威を振るいはじめてから早1年半が経過しました。感染者数の減少とともに、社会生活上の制限が解除されていく見通しとなっています。その一方で、コロナウイルス感染症後の後遺症に苦しんでいる方々が多くおられます。主として倦怠感、疲労感、集中力の低下を中心に、呼吸困難感、筋力低下、睡眠障害などですが、退院から半年たった後も3割ほどの方に症状が残るようです。重い症状なのに、内科治療では限界があって打つ手に乏しいのが現状です。しかし、これらの症状は漢方治療のなかでよく目にする症状で、実際に漢方薬で改善したという報告は多数あげられています。当院でも、主に気血の不足を補う漢方薬を用いて、入院を含め患者さんの症状改善にむけて治療を行っています。

Hです。

前回投稿の新刊書籍につづき、Y先生が医学書院medicinaからも発刊されました。すごい!

ご紹介文にあるようにそれぞれに特色が違いますので、漢方診療の学習に深みが増すと思います。

ぜひご覧ください!

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この度、医学書院medicina7月号「ジェネラリスト漢方」を企画し、発刊されました。
前回ご紹介した「あつまれ!!飯塚漢方カンファレンス」略して、「あつかん」と同時期になりましたが、あわせてお手にとってお読みいただけたらと思います。

あつかんの方は、診察、概念、処方プロセスを学ぶ(じっくり漢方を学ぶ)
medicinaジェネラリスト・漢方は各分野の漢方治療の頻用処方を学ぶ(明日から使える漢方知識を学ぶ)と言ったらわかりやすいでしょうか。。
さらに例えると、あつかんはじっくり乾姜で中から温める、medicinaは急速に附子で温める(知識を入れる??)

 

↑おかげさまでどちらもamazonランキングで上位をkeepできています!

以下、medicinaジェネラリスト漢方の紹介です。

当科からは田原部長(高齢者と漢方)、井上先生(認知症/BPSD)、牧先生(肥満・糖尿病末梢神経障害)が執筆しています。
また本特集はこれまでの漢方を通じた研修や学会などでの私の出会いを最大限に駆使して、北里、女子医大、慶応といった漢方教育施設の先生方にもご協力をいただきました!
総合診療、内科各科に限らず、救急、整形外科、緩和ケア、心療内科、歯科領域と様々な分野に役立つ内容かと思います。

特集内容ですが、
Ⅱ章領域別おすすめ漢方では、各分野の専門医であり漢方専門医である先生方からそれぞれの領域でよく使われる漢方薬のエビデンス・使い方、次の一手を、
Ⅲ章エキスパートに学ぶ!漢方治療の極意では私の指導医、先輩、現在第一線で漢方を活用されているエキスパートの先生方からエビデンスに限定されない各領域の漢方治療の極意を、
Ⅳ章では漢方薬の副作用について正しく、深く学んでいただけるよう、学会のシンポジウムなどでもご講演された経験もある副作用に精通された先生方に書いていただきました。
おまけとして、漢方を勉強するとっかかりとなるように私が漢方を専門にするようになった理由、漢方治療のよい適応、よくある漢方Q&Aを本特集の前座(I章)として書かせていただきました。

ぜひお読みいただき、漢方を役立てていただけたらと思います。
 

Hです。

当科Y先生執筆の新刊書籍のご案内です。

 

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「あつまれ!飯塚漢方カンファレンス」南山堂より7月1日発刊!!

漢方を学ぶ最もよい方法は実際の漢方医の診療を見学することです。

 

これまで地域医療時代、漢方診療科にきてからと,漢方指導医の先生方から教わってきた症例を通じた漢方の学びを書籍上で再現したいと一冊の本にまとめました。

実際の漢方医の診療をLINE風に,私が専攻医役(ペリカン)になり,指導医のT部長(ヤギ),ヒロミ先生(ネコ)からカンファレンス形式で漢方の基本的な概念・診察と処方プロセスを学んでいく構成です。

お読みいただき、リョウ先生とともに漢方の基本概念,診察,さらには漢方医の処方プロセスを身につけていって欲しいと思います。T部長のギャグも満載で当科の雰囲気が伝わる内容です。ヒロミ先生曰く、書籍に登場するヒロミ先生(ネコ)は、本物よりも随分お利口でこのネコは「リョウ先生の妄想の産物」と言っています。

アマゾンHPでご購入いただけますので、ぜひお手にとってみてください!また、書籍作成の裏話、表紙の秘密(えんとつやトリカブト)などが南山堂「治療」編集部の担当者様がNoteに詳しく書かれており、こちらも注目です!

アマゾンサイト

 

南山堂「治療」編集部Noteサイト

 

Hです。

学生実習にいらしたMさんから感想をいただきました。今年もコロナウイルス流行の影響で実習が途切れがちでしたが、ワクチン接種を済ませて来てくださいました。

 

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こんにちは。九州のとある医学部生のMと申します。臨床実習の一環で6月下旬から2週間、飯塚病院の漢方診療科にお世話になりました。この2週間の実習について振り返ってお話しさせて頂きます。

実習の内容についてです。午前に抄読会や外来見学、午後にレクチャー、病棟回診、カンファレンスが主な内容で、そのほかにも日によって薬局や老人ホームの見学、勉強会がありました。

私は、研修に来られている先生とは異なり、漢方の知識や経験があまりなかったため不安でした。しかし日々のレクチャーで漢方の基本的な事について繰り返し学ぶことが出来たので、抄読会や勉強会の内容が少しずつ理解できるようになりました。薬局の見学では様々な生薬や煎じ薬を味わうことが出来ます。私は前日の勉強会のテーマになっていた柴胡加竜骨牡蠣湯を煎じて頂きました。実際に味わうことで漢方への親近感が増したと思います。

実習の中で、外来見学と最終日の総括が、特に印象に残っています。外来中、先生は患者さんに気さくに話しかけながら、脈やお腹、舌の所見だけでなく体温、腹温からも体の状態を敏感に感じ取り、生薬の量を細かく調整されていました。患者さんとのやりとりを最も大事にする点に温かみがあり、とても魅力的でした。また最終日の総括では、漢方の今後の可能性についてのお話しがありました。漢方の需要はこれからますます高まっていく事、漢方を従来の治療に組み合わせることが出来ればより良い治療につながるなど、非常に興味深い内容でした。

この2週間の実習を通じて、私は漢方についてより興味が湧き勉強を続けたいと思うようになりました。私のような漢方の知識が少ない学生でも、先生がゼロから熱心に教えて下さるので、心配はいらないと思います。もし少しでもご興味があれば、学生の方でも実習されてみてはいかがでしょうか。最後になりますが、充実した実習をさせて頂き、先生やスタッフの方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。