飯塚病院 漢方診療科のブログ -7ページ目

飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪

Hです。

6月21日から25日まで研修にいらしていたN先生(先月のN先生とはまた別の先生です)に研修の感想をお寄せ頂きました。

 

--------

はじめまして。Nと申します。
普段は東京のとある漢方診療科に所属して専門医を目指している者ですが、両者の連携のシステムを利用して飯塚病院で1週間の研修を受けさせていただくことができました。
大変勉強になり、これからの診療に役立てていこうと思えることがたくさんありましたので、感謝の気持ちとともに研修の感想を述べさせていただきます。

研修は、朝のzoomを利用した抄読会から始まり、午前は外来の陪席、午後は病棟回診やカンファレンス、レクチャーがあり、夕方にも週2回は勉強会があり、盛りだくさんでまさに漢方漬けの毎日でした。
これまでも煎じ薬を用いた漢方治療を行ってはいたのですが、土地が違えば気候も違い、人も違い、薬の出し方が変わってきます。このような話は、ちょうど飯塚に来る数日前にあったWeb勉強会でのY先生のご講演でも「海の漢方、山の漢方」という話題があり、聞いてはいたのですが、実際の飯塚病院の診療場面を見させていただくことでより理解が深まったと思います。具体的には、飯塚の冬寒く夏暑く、そして川が近い、といった土地柄が処方に反映されており、さらに、ちょうど梅雨の時期でこれから夏に向かうという季節柄から、身体を温める生薬(附子や烏頭、乾姜)を減らし、余分な水をさばく生薬(沢潟、茯苓、朮など)を増やすなどの調整が行われていました。このように生薬を調整できるというのは煎じ薬ならではですし、画一的ではない漢方の奥深いところです。
また、大きな特徴として、飯塚病院では漢方診療科で入院治療も行っているという点があり、その様子を見学するのは初めての経験でした。入院治療を行う利点として、漢方治療だけでなく、食事や運動療法など生活指導を含めた複合的な治療をしっかり行うことができ、また、毎日の様子がわかるので漢方の効果もわかりやすく、日々の症状によって処方を変えることもできます。1週間の研修では病棟回診やカンファレンスでしかその様子を垣間見ることができなかったのが少し残念で、もう少し長くいることができれば、入院漢方治療の経験がもっとできたのではないかと思いました。

研修を通して、漢方治療に対する見方がさらに広がった気がしています。漢方にご興味がある先生方、ぜひ一度見学にいらっしゃることをおススメします!

最後になりましたが、短い期間でしたが、お忙しい中で熱心にご指導してくださった先生方、また、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。

 

Hです。

今回は、5月6月と研修においでいただいているN先生に、忙しい合間を縫って研修の様子を伝えて頂きます。

漢方愛が強い、魅力的な先生です。当科研修の感想を熱く語って頂きました。

 

----------

初めまして、大阪で総合診療医をしていますNといいます。5月から2ヶ月の研修をさせていただいており、今で1か月研修を終え、これまでの感想を少しお話させて頂きます。
私がこちらに来させて頂いた理由はいくつかあります。

 

1.漢方をもっと集中的にやりたかったこと
(専門医をとれる立場には一応あったがこれで専門医を名乗れるか?と自信が持てなかった)
2.指導医が複数いて入院まで診る環境があること
3.指導体制がとてもしっかりしていると伺っていたこと

漢方診療科として入院までできる環境は日本には数か所しかありません。
事前に1日見学をしてチームがとても良い雰囲気に感じたので直感でこちらに決めましたが、飯塚病院にきて大正解!!!!でした!!

 

これまでに研修にこられた先生方がとても研修の様子を丁寧に書いて頂いていますので研修の詳細は割愛しますが、研修先を選ぶ時ってやっぱり不安だと思うんですよね。自分みたいなのがいっていいのかな‥QOL大丈夫かな‥人それぞれあると思います。自分も不安でした。

 

でも「漢方を学びたいという熱意」さえあれば大丈夫だと1か月たって思います。
その熱意に応えていただける漢方診療科の先生方がたくさんおられますし、このような素晴らしい環境はそうないと思います。

 

1日の流れとしては、朝の抄読会に始まり、朝の外来、病棟回診、空き時間にはレクチャー、週2で夕方勉強会。暇な時間はほぼありませんw
入院はコロナの影響で人数は少ないですが、一人一人丁寧にみることができます。外来ではアトピー性皮膚炎、ガングリオン、起立性調節障害などいろんな疾患が診れます。

 

どの先生も教育に力を入れておられ、陪診でも丁寧に教えていただけます。もちろん忙しい時には空気を読みながらですが、とても質問しやすいですし、指導医の先生方は皆さん明るくいい先生ばかりです(チームの雰囲気の良さは来たらわかりますw)。

 

楽しく、熱く漢方を学ぶにはこれ以上ない環境ですし、オススメです!
 

Hです。今回は入院治療の症例をご紹介します。

70代の女性。一日に何度も微熱が出て、胸の中が暑くて焼けるようだ、そうなるとだるくて数時間動けなくなるとの症状でおいでになりました。大きな病院で詳しく検査をしたが異常はないので当院へ紹介されました。症状が強く日常生活に支障をきたしていることから入院となりました。

胸のうつ熱様の症状に対して、山梔子(サンシシ)を使った漢方薬を煎じ薬で飲んでいただきました。山梔子はクチナシの実のことで、胸の中がモヤモヤと苦しい症状をとり、疲れすぎて病気が再発するのを防ぐと言われています。
   3日目 胸の熱感とだるさが8割くらいに減った。
   8日目 5割まで改善した。かなり楽に過ごせる。
 11日目 2割まで改善し、つらさはほぼ感じない。微熱も出なくなった。
      自宅へ帰る準備としてリハビリテーションを開始。
 16日目 自宅生活へ戻る自信がついたため退院。

原因不明の熱感で何年も生活に困難を感じていましたが、漢方治療によって2週間程度でよくなり日常生活に戻ることができました。その後も症状は再発せず過ごされています。

 

 今年度より当科へ赴任しましたHです。これまでエキス剤(番号のついた粉薬)を中心に漢方治療をしていましたが、さらなる治療技術の向上を目指して当院へ参りました。どうぞよろしくお願いします。当blogでは、漢方にまつわるお話、一(半?)漢方医として折に触れ感じたことなどを記していきたいと思います。少しでも皆様のお役に立つことができましたら幸いです。
 当科へ赴任して感じたことは、煎じ薬による治療が中心で治療の幅が大変に広く、和漢食や生活指導など、投薬治療以外の面でも患者さんの生涯の生活の質を向上させるための工夫が凝らされていることです。また、漢方診療に関して部長のT先生を中心に活発に議論され、外部への情報発信や、学生、初学者教育にも大きく力を入れられていることも特徴です。漢方治療の知識について基礎から体系的に学習するプログラムが準備されていますので効率的に研鑽を積むことができます。大変素晴らしい環境だと感じています。医療関係者の方には、新型コロナが落ち着いたら一度当科に遊びにおいで下さい、きっと面白いと思いますよ、とお勧めします。
 ところで、最近の出来事といえば、昨年から猛威を振るっている新型コロナウイルスですが、当院でもワクチン接種が行われました。私は、2回目の接種翌日に倦怠感、筋肉痛などの症状がでましたが、この症状は太陽病期の某だろうか?往来寒熱のようだから病期が進んだ?などと漢方医学的に分析してみると大変勉強になりました。症状は一日でおさまりすっかり元通りになりました。今後、国内のワクチン接種が進み、蔓延防止に効が上がることを切に願っています。
 

起立性調節障害は、立ちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、頭痛などの症状を伴う、思春期(10―16歳)に好発する自律神経機能不全です。軽症例を含めると中学生では約10%の有病率で、重症例になると日常生活が著しく損なわれ、長期に及ぶ不登校や引きこもりの原因にもなります。

[症例]

中学生の男児。 もともとあった立ちくらみが、X年2月上旬より悪化した。朝はなんとか起きるものの、気分不良で遅刻するようになった。2月下旬には、気分不良、嘔気、頭痛が1日中持続して学校に行けなくなった。3月に小児科で内服治療、カウンセリングを開始したが改善しない。4月に当科を紹介受診。

[現症]

体格やせ型。起立すると立ちくらみと動悸。口渇があるが、飲水は1L/日未満。尿2-3回/日と少ない。幼少時から乗り物酔いしやすい。

[経過] 

  初診時:苓桂朮甘湯りょうけいじゅっかんとうエキス3包分3を開始した。
  1週間後:漢方薬を飲み始めてから調子が良い感じ。
      きついと言いながらも学校に行けるようになった。
      元気と食欲が出てきた様子。
      母に「おなかがすいた」「行ってきます」と言うようになった。
      (これまでになかったことで、母が驚いている。)
  1ヶ月後:遅刻せずに毎日登校できている。
  2ヶ月後:梅雨に入って、ちょっときついけど大丈夫。
  3ヶ月後:部活で県大会に出場。治療終了。


漢方ではめまいは水分代謝が悪い状態(水毒すいどく)が原因で起こると考えます。苓桂朮甘湯は、水分代謝を調節する漢方薬で、めまいの中でも特に起立性めまい、立ちくらみに頻用します。めまい以外にも頭痛、動悸、倦怠感が苓桂朮甘湯の使用目標となり、起立性調節障害の症状と類似しています。最近では、コロナ禍における自粛、学校や家庭でのトラブル、スマホやゲームへの依存など問題が複雑にからまった症例も増えていますが、体質的な問題が主体な上記のような症例では短期間で改善することも多いです。 

 また難治性であっても、症状にあわせた漢方薬の服用とともに適度な運動やスマホ・ゲームの制限などを指導しながら当科では治療にあたっています。

 

執筆:Y先生

Gです。

 

今回はY先生の症例です。

 

 症例は30歳代女性です。ある年の9月に漢方外来を受診されました。  

頭痛は、20歳頃からあり、市販の鎮痛剤を服用していましたが、9年前から病院を受診して治療を受けています。

頭痛は片側性でこめかみがギューッと痛くなり吐き気を伴う、拍動性ではない、睡眠不足や寝過ぎで増悪する、天気とは関係しない、疲れや人混み、人の体臭や香水を嗅いだときや月経時に増悪する、1ヶ月にトリプタン製剤を6回、解熱鎮痛剤を週に2~3日服用するとのことでした。現在は頭痛時のトリプタン製剤や鎮痛剤の他、予防薬を1日に3種類、7錠の薬を服用されていました。

 痩せ型で顔色は青白く、首や肩の凝りがあり、手足は冷たい。漢方の診察では、手首の脈と舌とお腹を診ます。脈は橈骨動脈の幅は細く、舌は浮腫んでいて辺縁に歯型がついて波型をしていました。腹部は上腹部を軽く叩くとチャポチャポと水の音がしました。また左のふくらはぎに内出血の青あざがありました。

 当帰四逆加呉茱萸生姜湯を処方したところ以下のような経過となりました。

・4週間後、頭痛が少し減り、トリプタン製剤が6回から2,3回に減少

・8週間後、落ち着いている、解熱鎮痛剤を飲む頻度が減った

・12週間後、普通の頭痛はほとんどない、これまでは頭痛は3日間続いたが持続しなくなった

・翌年の6月は漢方薬だけで解熱鎮痛剤やトリプタン製剤は飲んでいない

・その年の9月は漢方薬を飲まなかったところ、処方してもらったトリプタン製剤を全部服用しなくてはならなかった

 

 当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、漢方薬の中で一番名前が長いのと苦くて飲みづらいものです。頭痛に効果のある呉茱萸が配合してあります。手足が氷のようにつめたく、冬にしもやけが出来たり、レイノー症状と言って指先の色が変わったりするときに処方します。また月経痛に頓服でも使用します。

 当帰四逆加呉茱萸生姜湯で、調子の良いときはその他の薬を飲まなくてもよいくらいになりました。

Gです。

症例をもとにした記事をご紹介することになりました。

今回はI先生の担当です。

 

症例は5歳、男児です。いたって健康で大きな病気をしたことはありません。しかし「おねしょ」がなかなか止まらず毎晩紙おむつが必要とのことで受診されました。漢方医学的所見で、脈はやや弱い印象がありましたが、按圧に対するお腹の反発力は普通で腹直筋の張りを認めました(子供によくあるお腹の漢方所見です)。問診ではご飯はあまり食べず、お菓子ばかり食べているとのことです(東洋医学では甘いものを好む人は消化吸収能が弱いと考えます)。以上の所見より小建中湯(しょうけんちゅうとう)が適当だと考えました。投与翌日、彼は「今日はおしっこが出なかった!!」という歓喜の声と共に起床してきたそうです。こんなに即効性があるのかとお母様も驚いたそうですが、その翌日はまた「おねしょ」が復活してしまいました。その後1日おきの「おねしょ」が続いたのですが、我慢強く内服を継続させていると2週間ほどで完全におむつ離れをすることができました。

飯塚病院漢方診療科 実習記 その弐

 

皆さん、こんにちは。外科医Yです。前回にひきつづき、今日は実習中の寮生活についてお話しします。

 

私が入った寮は飯塚病院から歩いて20分くらいのところにあり,昔学校だったところを改築して寮にしたところだったようです。寮に住んでいるのは看護学生さんや建築・美術系の学生さんのようで,20代前後の学生さん達がほとんどでした。全部で200人くらい住んでいたようでした。みなさんとても元気で、毎日が合宿所、のようでした。

 

寮の部屋はいろいろなタイプがありましたが、2食付きで4万円~/月でした。3ヵ月という長い期間だったので私はバス・トイレ別の少し広めの部屋にして(10畳くらい)、ロフト付きというものにして、シーツ・布団をレンタルして光熱費込で6/月程度でした。とても良心的なお値段ですね。

 

 

 

 

値段はとてもよかったのですが、2点とても困ったこと、というか、思い出深かったことがありました。同時期に研修に来ていたA先生も同じような話をしていましたが(A先生は別の寮)、200人という大人数のわりに洗濯機が数台で(女性用と男性用に分かれていました)、毎日洗濯機の争奪戦が繰り広げられることでした。20代前後の学生さんは毎日疲れているのか、洗濯していることさえ忘れてしまうのか、選択したまま放置、ということもよくあり、その度に洗濯したいのに困ったなぁ、という感じでした。飯塚病院の研修中はできるだけたくさんのことを勉強したいと思い、居残り勉強などもしていたのですが、途中から洗濯したい日はいち早く寮に帰る、という生活をしていました(笑)。

 

それから、もう一つの困ったことは、食事の量がとても多い、ということでした。コロナ渦で、食堂での食事は中止となり、毎日食堂のおばちゃんたちが作るごはんがお弁当形式で配られるのですが、食べ盛りの20代前後の学生さん向けに作られているので、とにかく量が多くて、アラフォーの私には食べきれないくらいの量でした。ご飯はお茶碗2膳分くらいで、それにパスタ、ハンバーグ、サラダ、みそ汁、さらにお菓子が付く、みたいなボリュームで、学生さんに本当に優しくてよい寮なのですが・・・食堂のおばちゃんたちは優しくて、お母さん達のようで、食べないと心配する、という感じだったので、私も毎日必死でした(笑)。しかし自分でご飯を作らずとも、実家のように毎日ご飯が出てくる、というのは研修に集中できて本当によかったです。

 

 

 

 

寮のパンフレットにのっていたメニューの1例。

実際はこれより量が多い印象でした。

 

色々ありましたが、とても楽しい経験でした。

 

この3ヵ月の研修があったからこそ、今の私があります。

この研修を受ける前と後では見える世界が変わりました。

とても大きな一生ものの財産を得ることができました、、

ご指導いただきました飯塚病院漢方診療科の先生方、

3か月間本当にありがとうございました。

 

今後も引き続き精進していきたいと思います。

 

 

最後に:

研修終了するころにとった飯塚病院の前に流れる遠賀川河川敷でとった写真です。

ボタ山とコスモスがとてもきれいでした。

 

 

飯塚病院漢方診療科 実習記  その壱

皆さん、こんにちは。

ふと漢方をしっかり勉強したいな、と思い立って、数ヶ月前に飯塚病院漢方診療科に実習医として研修にきた外科医Yと申します。今日は私の実習体験の一部をご紹介します。

飯塚病院漢方診療科は色んな病院と実習提携していて、学生さんや歯科医の先生、研修医、総合診療医の先生など、全国各地からたくさんの先生方が2週間〜2,3ヶ月の実習にきています。私は実習医というシステムを利用して、研修を受けることが出来ました。

"実習医"というシステムは、無給ですが、勉強をしながら診療は通常の勤務医と同様に行うことが出来るシステムです。

実習医って、お給料でないの?とご心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、基本は月曜日〜金曜日までの実習なので、空いた土日は当直などのアルバイトをして、それなりのお給料を稼ぎながら勉強していました。一種の留学みたいなものですね。

私は遠方から研修に来ていたので、寮生活もしていました。その寮での生活はまた今度別のブログに書きますね。

それでは、まず飯塚病院での研修はどんな感じなのか、わかりやすいように、具体的な勉強スケジュールを公開します。
 

 

 

 

こんな感じの一人一人に合わせた予定表が配られます。学生時代を思い出すくらいの、みっちりスケジュールです。

午前中:外来見学
上級医の外来に陪席して、診察の仕方を見学します。問診のやりとりを聞きながら、診察では舌診・腹診・脈診を実際に一緒にさせていただき、自分の触覚や視覚を慣れさせていき、「これくらいの感じが沈んだ脈」「これくらいのお腹の硬さが胸脇苦満」「これくらいが暗赤色の舌」という感覚を体感して覚えていきます。漢方診療の第一歩は師匠の模範から始まるといいますが、なかなかこのように繰り返し繰り返し一緒に診察させてもらい、フィードバックをもらえる機会というのはないと思います。

午後:講義
午前の診療が終わると、午後からは各分野ごとの濃密な講義を受けます。だいたい12コマで、基本は11の講義です。飯塚病院の名物先生方の講義が、日替わりで受けられます。なんて贅沢な時間なんでしょう。知識を体系的に講義してもらえるので、頭の中に基本がしっかり入ります。自分一人でこの量と質の勉強をするのはおそらく難しいでしょう。

また薬局実習などもあって、
実際の生薬に触れたり、写真のような丸薬を作ったり、煎じ薬を作ったりする実習もあります。
試食や試飲などもしました。
百聞は一見にしかず、がまさに体験できます。

 

 

そして、外来診療や講義の合間には、入院患者さんの診察をします。通常外来では2週間〜1ヶ月ごとに変化を見ますが、入院患者さんでは、漢方薬への反応を毎日すぐに見ることができ、話も濃厚に聞くことが出来て、とても勉強会になります。1週間に2回、部長先生率いる漢方診療科の先生方みんなで回診をして、一緒に診察しながら、あれはどうか、これはどうか、とカンファレンスしながら、処方を決めていきます。(ちなみにこちらの漢方回診は通称、白い巨塔ならぬ、「面白い巨塔」と呼ばれていて、部長先生のスパイスの効いた絶妙なギャグやトークが満載の、楽しい、大変ためになる回診です。)
入院での煎じ薬による漢方治療を行える病院は、日本でも数少なく、漢方を集中的に勉強するにはとても恵まれた環境であると、あらためて感じました。

3ヶ月間の研修でしたが、毎日がとても充実していて、研修にきて本当によかったです。

日常診療に戻ってからの日々の診察の仕方や質は、もはや漢方を使わなければどうやって診療しよう?くらいに変わりました。漢方はどのような診療科であっても、臨床現場において、患者さん達の状態をより良くする、色々なお手伝いが出来る素晴らしいお薬です。知っているのと、知らないのとでは医者としての幅が大きく変わってくるかな、と思います。もし、漢方を本気で勉強してみようかな、と思われる先生方がいらっしゃいましたら、一度見学に来られるとよいかもしれません。オススメです♪♪


 

先日、ブログの記事を作成しました某所の総合診療プログラムの漢方診療科ローテーターです。

約2ヶ月間、漢方診療科をローテートさせて頂きました。ローテが終わってしまえば、あっという間で、時間が経つのを非常に早く感じました。

それだけ濃密なレクチャーを受けていたのだと、後になって思います。

教えて頂いた内容を復習しますと、患者さんにそういう意図で処方されていたのか、と考察でき、机上の学習と臨床での実践がつながりました。

長期ローテでしたので、外来患者さんの経過も知ることができ、処方の効果もわかって、まさに活きた知識を得られました。

また、中学生から働き盛りの世代、高齢者の方まで幅広い層の患者様を診療されていたのも大変印象的でした。

漢方診療科の先生方は、診療など大変お忙しい中、講義や指導をしてくださり、感謝の言葉しかありません。

ここで学んだことを最大限活かしてこれからの診療に精進していこうと思います。

どうもありがとうございました。

 

<Gより>

A先生は漢方ローテート後も、朝・夕の勉強会、カンファレンスなどに参加されました。

それだけではなく、昼食も漢方まで来て食べるという熱の入れようで、まったくド肝を抜かれました。

愛知県に帰られてからも、きっとZoomの勉強会に入ってこられることでしょう。

今年はコロナ禍で懇親会(飲み会)はありませんが、禍が落ち着いたらZoomで懇親会にも参加していただき、

漢方談義も味わっていただきたいと思います。