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飯塚病院 漢方診療科のブログ

漢方診療科へようこそ♪

このブログでは,
漢方についての基本的な内容も
ぼちぼち書いていってるわけですが・・・


ていうか,そもそも,漢方って,何??

健康食品とか,お茶とかと,何が違うの?

とか,

原料に怪しいものが使われていそう・・・!

おまじないみたいなものでしょ?

とか,,,

漢方をやっていると,
漢方に対する色々な誤解に出会うことは,日常茶飯事です

なので今回は,漢方って一体何なのか,
ざっくりと,ご紹介させていただきます



漢方の「漢」とは,
古代中国大陸由来ものを指します。

例えば,中国由来の文字は「漢字」ですね

漢方の「方」とは,医療技術を指します。
薬方,処方,方術などです。

つまり,漢方とは,中国に起源を発する医学・医療のことです。


江戸時代に,鎖国によって,西洋文明はオランダから伝えられたため,
西洋の医学は「蘭方」と呼ばれました。

それに対して,日本で従来行われていた医療のことを,
もともとは中国から伝わってきた医療であるため,
「漢方」と呼んだのです。

ちなみに現代では漢方というと,
漢方薬による薬物療法のことを指すことが多いですが,
広い意味で言うと,
鍼灸・気功なども漢方ということになります。



では,漢方薬とは,どういったものかというと,

生薬(しょうやく:自然界から薬としての効果が発見されている植物・動物・鉱物を
使いやすいように加工したもの)
を,
漢方医学的な理論・方法によって,
数種類を組み合わせて
煎じたり粉にしたり丸薬にしたものです。

この「漢方医学的な理論・方法によって」という所が重要で,
天然物を使っていても,
漢方医学的な体系に基づかない治療は,
漢方薬ではありませんので,あしからず


例えば民間薬は,
各地方で,口コミ的に広がって一般の人々が使用してきたもので,
理論的な整理はされておらず,漢方薬とは違います。
また,単一の生薬を用いることが多いです。
「センブリ」「ゲンノショウコ」「ドクダミ」なんかがそうです。


ということで,漢方薬は,
お茶でもないし,
サプリでもないし,
健康食品でもないし,
民間薬でもありません 


ざっくりとは,伝わったでしょうか。。

ネットや通販では怪しげなニセ漢方もたくさん出回っています。

安全のためには,病院で処方されたものや,
薬局で薬剤師さんに相談して買ったものを,
飲むようにして下さいね

最近,「食事による健康法」が,
にわかにブームになってます

有名なマクロビオティックから始まり,
一日一食の健康法とか,いや三食食べないと身体に悪いとか,
酵素を摂るため生で食べるとか,
ごぼう茶が良いだとか。。

色々ありすぎて,一体どれを実行すれば良いのか,
何だかよくわかりませんね

毎年色々な食事療法が生まれては消えていく中で,
飯塚病院では,漢方医学的理論に基づいた,
とある食事療法を,継続して行っています。

今日はその漢方的食事療法を紹介したいと思います


その名も「和漢食」といって,
日本伝統の精進料理や,漢方の考え方を基に,
昭和の漢方医である小倉重成先生が考案した食事療法です


飯塚病院では,アトピーや膠原病など,慢性的な炎症のある患者様にオススメしています。

これは治療食ですので,守るべきルールがあります



【和漢食ルール】

①体を温める食材を使う

現代はクーラーなどの影響か,冷えて体調を崩している方が多いように感じます。
冷えについて食事の面から見ていくと,
食品は体を温めるものと,体を冷やすものに分けられます。
(それぞれ陽性食品,陰性食品と名付けます)

■陰性食品(体を冷やす)
 ・生もの(生野菜,果物,刺身など)
 ・冷たいもの(牛乳,ジュース,アイス,ビールなど)
 ・砂糖(ケーキ,あんこ,飴など)
 ・酢(酢の物,健康食品の酢など)

■陽性食品(体を温める)
 ・火を通した食べ物(煮物など)
 ・天日に干したもの(干物,昆布,かんぴょう,干ししいたけなど)
 ・漬物(古漬)
 ・温かいもの

 
②菜食(動物性食品を避ける)

肉類は炎症をひどくし,皮膚疾患を悪化させるなどの害が経験されたため,
基本的に動物性食品(肉,魚,乳製品,卵など)は控えます。
たんぱく質は,大豆で摂ります。


③精製したもの,精白したもの,加工食品は避ける。精製抽出油は使わない。

まけば芽の出るものを,調和のとれた食べ物だと考えます。
なので,白米ではなく玄米を食べるようにします。
また,抽出した油脂や過剰な脂質は,経験的に炎症を悪化させるようです。
様々な添加物が含まれる加工食品もとらないようにします。


④小食が基本

過食が生活習慣病を引き起こすことは皆さんご存知だと思います
小倉先生は一日一食を提唱していましたが,それだと栄養のバランスがとりにくいので,
当院では一日二食(1000kcal/日)を基本としています。
(なので,和漢食を食べていると痩せてきます・・・。あくまで治療食なので,普通の人がずっと食べるものではないですが,ダイエットに応用もできると思います


⑤その他・・・その土地でその季節に取れる旬のものを食べる。

季節はずれにビニールハウスや温室で採れたものは,旬のものと比べると,
含まれる栄養素に違いがあると言われています。



また,和漢食は食べ方にも特徴があります。


【食べ方】

①咀嚼玩味(そしゃくがんみ)

良く噛んで食べれば,おいしく,少量でも満腹になります。


②玄米ご飯とおかずは別々に食べる

玄米は硬くて味もあり,白米のようにおかずと一緒に口に含んで食べるのには
適していません。またおかずも薄味で単独で食べて丁度良いようになっています。


③汁まで飲む

煮汁にはカリウムなど成分が含まれているので,汁まで飲むようにして下さい。
塩分摂りすぎにならないよう,薄味で味付けします。




いかかでしょうか??
このルールすべてを毎日3食守るのは,献立作りが大変だと思います

ルールを守って,必要な栄養素を十分にとるには,ちょっとしたコツがあります

そこで,漢方診療科では,「和漢食料理教室」
3ヶ月に一度開催しています

残念ながら,受講は当科に通院中の患者様とそのご家族に限らせて頂いてるのですが,
当科通院中で和漢食に興味のある患者様は,ぜひ主治医に声をかけてみてください

次回は,10/23(火)10:00~開催されます

また,一般の方向けに,和漢食の献立と作り方のわかる,
和漢食DVDも販売しています
季節ごとに分かれていて,とても実用的です

ここ↓から和漢食のHPに飛べるので,もっと詳しく知りたい方は,是非見てみてくださいね
和漢食料理教室
和漢食DVD

10月になり,今日から漢方診療科には二人の先生が
1ヶ月の研修に来てくれました

九州大学の研修医さんと,歯科口腔外科の研修医さんです

二人とも,女医さんです

写真掲載許可をくれた,歯科口腔外科の先生
この先生に歯を治してもらいたい,という患者さんが殺到しそうな可愛さ


ところで,歯科口腔外科って,つまり歯医者さんって,
漢方薬にどう関係があるのかしら??

ってちょっと疑問を感じる方もいるのでは?

実は,歯科領域でも,
漢方薬は結構使えるんです

有名なのは, 「立効散」(りっこうさん)というお薬。

これは,歯の痛みに使われる漢方薬です。

漢方薬の古典の本では,
「牙歯痛んで忍び難く,・・・・・」
「・・・牙歯疼痛を治するの神なるものなり」
「痛むところに含んで,痛立ちどころに止む」
などと記述されており,

歯痛,抜歯後の疼痛に,
一口ずつ口の中にしばらく含んでから飲み下すのが良いそうです。

口に含むと,ピリピリと適度にしびれ感があり,
歯の痛みが和らぎます

立効散は,
細辛・升麻・防風・甘草・竜胆の5種類の生薬で出来ています。

この中で,特に細辛(さいしん)が,ピリピリする原因で,
局所麻酔作用・鎮痛作用があると言われています

近頃親知らずが疼く私は,
抜くことになったら是非試してみようと企んでいます

漢方薬って本当に,
色んな領域で,使える薬があるんですねえ



みなさんこんばんは

残暑は台風が吹き飛ばしてくれたのか,
飯塚市はすっかり,秋を感じる涼しさです


さて,ここ最近の漢方診療科の,トピックスをご紹介します


①柱

季節ごとに変わる柱の装飾が,
ハロウィーンバージョンに変わりました



脚立に乗って,高いところも頑張ります。
うちの科は,本当に何でも頑張っちゃう人たちの集まりなんだと思います。

完成バージョン

おや? 一番上にいる魔法使い,どこかで見たことある顔なんですが・・・


②おめでとうございます   

I藤先生が,内科認定医試験に合格しました

あまり勉強している姿を見せなかったため,
皆からひそかに心配されていましたが,
さすが,心配は無用だったようです

漢方診療科からお祝いのお花をプレゼント


おや? うしろの先生,ついさっきどこかで見たような・・・


③女子力向上

福岡で開催された,女性のための漢方セミナー

今年は飯塚病院の先生が講師ではなかったのですが,
冊子にはちゃんと登場しました

 

 

oldひろみ先生が載っています

「女子力向上」のひびきは,女子としてワクワクしますね

女性の抱える様々な不調に対して,
漢方はすごく頼れる存在なので,(これは女性として実感しています)
そのうちに「女性と漢方」的な話も書こうと思っています

こんにちは

今日は,漢方の煎じ薬の飲み方について,ご紹介します

漢方薬は飲んだことがあるけれど,
エキス製剤しか飲んだことが無いという方,多いのではないかと思います。

煎じ薬というものを処方してもらったら,
一体どんなものを薬局で受け取って,どんな風に作って飲むのでしょうか??


煎じ薬は,生薬(しょうやく)を煮出して作ります。

生薬とは,漢方薬の原料となる植物・動物・鉱物に,
使いやすいように乾燥・粉粋などの加工を加えたものです

当院では,煎じ薬を一日分ずつパックしてお出しします。



これを鍋に開けて,水を加えて,煎じます。



本当は写真のように土瓶で煎じるのがベストです

金属だとイオンが溶け出して影響するという説もあります・・・

でも,普通の鍋でも,かまいません
当院では蓋はしないで煎じます


熱源は,当院では600Wの電気こんろを用いています。
火力が一定なので,出来上がりのバラつきが少ないんです。

600mLの水を入れ,40分煎じると,600mLがおよそ300mLになります。

これが標準的な煎じ方で,常煎法(じょうせんぽう)と呼んでいます。

(※ちなみに中煎法は500mLを煎じて200mLに,小煎法は450mLを煎じて150mLにします。
また,烏頭(うず)という生薬が入る場合は,始めの水の量が,常煎法・中煎法・小煎法それぞれ800mL・700mL・650mLとなり,60分煎じます。)


今は,電気こんろを使っているお宅は少ないと思われますので,
ガスコンロでも,IHでもOKです

出来上がりの規定量が同じになるように煎じてください。

また,市販の煎じ器具もあり,とても便利ですが,
加熱が弱かったり,コンセントが抜けてタイマーだけ動いてた,
なんていう事件があったりするので,注意して使用して下さい

煎じ終わった漢方は,茶こしなどで濾して,
3回~4回(医師の指示通り)に分けて飲みます。




十分に作用を発揮させるには,他の飲食物と胃の中で混ざらない方が良いので,
食事の30分以上前か,食間に飲むのが望ましいです。

煎じたものは,なるべく冷蔵庫に入れて保存し,
飲むときに,レンジでチンでも,火にかけても良いので,
再び温めて飲んでください。

冷蔵庫での保存期限は,煎じてから72時間(3日)です。
これを過ぎたものは,廃棄して下さい




こうやって書くと,なんだか煎じ薬って面倒だな~って思う方もいるかもしれません

しかし,やはりエキス製剤と比較すると,効果は煎じ薬の方が優れています

また,生薬1つ1つを加えたり減らしたり,個々の患者さんの状態で調整することができます

個人に合わせて,言わばオーダーメイドの処方ができるんです

煎じ薬による治療を受けられることが,漢方診療科を受診する醍醐味なんじゃないかと思います。

朝の40分,あるいは前日の夜でも構いません。

煎じる時間がありそうなら,ぜひ,煎じ薬にチャレンジしてみて下さい


写真の出典:飯塚病院漢方診療科ホームページ


飯塚病院漢方診療科ホームページ
 http://aih-net.com/medical/depart/kanpo/

先日,職員の納涼会で,

漢方診療科は水餃子の屋台を出店しました

なぜか毎年,水餃子なんです。

小さな文化祭のような雰囲気と思っていただければ良いのですが,

これが結構大変で、今年も出展するか否か話し合うほど

でも,普段の仕事とはかけ離れた,なかなかおもしろいイベントだったので,
ブログに綴りたいと思います



まず,前日に,各自ニラorねぎを刻んでくることから始まります。

配布されたニラ↓


かばんからハミ出るニラを持ち帰ります

どうして,手間のかかる水餃子なのか・・・
どうして,私は夜独りでにニラを刻んでいるのか・・・
など色々考えながらも刻み終わり,

袋を4重にしても,冷蔵庫に入れても漂ってくるニラ臭と共に,就寝します

翌日の外来は,ほのかなニラ臭がしたとかしないとか


昼休み,材料の下ごしらえです。

刻み担当の女性陣。


エビが大量ぶつ切りにします。
これも前日に頑張って皮を剥いた方々がいます。


具はひき肉,エビ,ニラ,しょうが,しいたけです。
漢方薬は,入っていませんのであしからず

つまみ食い用のエビ焼いてます
こういうのないと頑張れません。



こちらは餃子の皮をこねるチーム。

 



マッチョだけどガラスの肩を持ったD先生はこのあと戦線離脱。


会津医療センターから見学にいらした先生も,巻き込まれています。
 


こねた生地は数時間寝かせておきます。


さて先発隊の出発です。キマってますね


ちなみにおそろいのTシャツ,「トリカブト」と読みます



さてさて,仕事後急いで会場に

お,先発隊の皆さんが着々と準備をしていました。
 

 
つるピッカ亭・・・


さあ会場での餃子づくりスタート

生地を伸ばして皮作り。
粉まみれで頑張ります。



こちらはひたすら包んでます。


 

そして出来たものからどんどん茹でます。


水餃子大人気,長蛇の列が


あまりに人気すぎて,なんと日が暮れる前に完売してしまいました。

作るのに没頭したため,完成品の餃子の写真がありません

試食で1つ食べたのですが,皮はもちもち,エビはぷりぷりで,
とっても美味しかったです

餃子にエビを入れるの,おすすめです
ちょっと大きめに切ったほうが食感が良いようです


大変でしたが,やると決めたからには,
ついテキパキとチームワーク良く頑張ってしまう漢方診療科スタッフ

皆のおかげで,夏の素敵な思い出となりました





今回漢方情報はありません,ごめんなさい


おまけ。
酔うと何でも回すU先生,この日は鍋蓋を回しました。



台風が通過したり,激しい夕立が降ったり,

すっきり晴れない日が続きました

今日の飯塚市も、空は雲に覆われています


雨が降る前,どんよりした雲が浮かんでいる日は,

漢方診療科はなんとなく,どんよりした空気が流れます。

なぜかというと,漢方診療科には,

雨降り前に体がだるくなる,雨雲レーダーのような先生がいるからであり,

それが他の誰でもない部長だからです

「はあ,体がだるい」と,

いつもよりほんのちょっと口数が少なくなり,

大好きなギャグを飛ばす元気もなくなるようです



このように,雨降り前に具合が悪い,頭が痛い,体がだるい重いなどの症状は,

漢方的には「水毒」(すいどく)の症状と考えます。


体を巡って生命活動を支える要素には,気・血・水(き・けつ・すい)の3つがあります。

水は,生体内を巡る無色の液体のことを指します。

水毒とは,水の過剰・停滞・異常分泌状態のことです。


水毒による,雨降り前の頭痛や倦怠感でよく使われる処方が,

「五苓散」(ごれいさん)です。

五苓散は水毒をさばくと言われている4つの生薬(茯苓・朮・沢瀉・猪苓)と,

気を巡らすと言われている桂枝で構成されています。


ちなみに,五苓散を使う上で大切な症状に,

・のどが渇く
・自然発汗の傾向がある
・尿が少ない

の3つが挙げられるのですが,

この応用で,夏ばてや二日酔いにも使ったりします



ちなみに,漢方診療科の雨雲レーダーさんは部長以外にも数人います

「ああ,今日は体が重いから降りますね」

「いや,今日はそんなに重くないから降らないと思いますが」

「早くザーッと降ってくれれば楽になるのに・・・」

なんて天気予報をしてくれるので便利です


そして、飲み会の翌日はみんなおそろいで水毒、

朝から五苓散を飲む光景が、あちらでもこちらでも・・・
漢方診療科では、毎朝漢方の古典を読む抄読会をしています

しかし、8月は抄読会はお休みです

なので、自習自習・・・と

漢方2大古典の一つである「金圚要略」(きんきようりゃく)を読んでいたら、

同じく医局にいたI先生と、内容について大盛り上がりでした

一体なにかというと・・・


終わりのほうに「雑療法 第二十三」という章があるのですが、

その中には「卒死」(そつし)を救う方というのが書いてあります。

「卒死」というのは、急に倒れて仮死状態になったもので、

それを救う方として挙げられていたものが、ものすごいのです

一部をご紹介します。

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卒死を救うには、

・らっきょうの搗き汁を、鼻の中に入れる。

・オスの鶏のとさかを割いて血を取り、それを鼻の中に吹き入れる。


卒死で目を閉じている者には、

・患者に馬乗りになって、ニラの汁を耳の中に注ぎ、さいかち(マメ科の植物)の粉末を鼻中に注ぐ。


鼻と耳が、大変なことになってます。



また、急に死んで手足がダラッとして尿便失禁している人には、

・馬糞を水で煮たもので、身体を洗う。

・ゆるい牛糞を、温かい酒と一緒に、口の中に入れてやる。

そのあとさらに

・心下1寸と臍上3寸と臍下4寸それぞれ100回くらい灸をする


もし、生き返ったら、目覚めの気分はどんなでしょうか・・・。



また、卒死に効く還魂湯(かんこんとう)という処方があり、

これは、有名な麻黄湯(まおうとう)から桂枝(けいし)を抜いたものなのですが、

意識不明の人に飲ませなきゃいけないわけですから、

口も開けてくれないし、大変なのです。

それはもう必死でどうにか飲ませようとするわけです。


どのくらい必死なのかというと、

病人の歯を折って、

髪を左右に分けてつかんで、肩を足で踏んで、

髪を引っ張って飲み込ませなさい。

ということが書いてあります。



また、熱中症で死んだ人に対しては、

草で作った帯をへその周りに巡らせて、

その中に2~3人で小便をして腹を温める
と助けることができる。

もし、お湯があればお湯を使いなさいとのことです。


死人のへそに2~3人で小便をかける光景って凄いですね


溺死を救う方というのもあって、

二石あまりのかまどの灰をとって、溺死者の顔だけ出して、

頭から足までをその灰の中に埋めると、

水が七つの穴から出て生き返る

とあります。

七つの穴とは、口・鼻(2つ)・耳(2つ・陰部・肛門のことです。

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救急医学の発達した現代では、

もちろんこのような方法は用いませんが、
(責任はとれませんので決して試さないでくださいね)

昔の人は本当にやっていたのだと思います


試せないので、効果の程がわからないのが残念です。

もし、今後、どういうわけか無人島に漂着したりして、

誰かが死にかけて、助けの船も来なくて、

らっきょうやら鶏の血やらニラやら牛馬糞やらが手に入ったら、

最後の手段でやってみようかな、と思います





こんばんは

お盆も過ぎましたが、まだまだ暑いですね

飯塚病院漢方診療科には、大学3年生の実習のラスト1組が
今日からやってきました

今回は全員男子です


ブログ見てますよー(*^ー^)ノとのことうれしいです


さて、漢方診療科の月曜日のビッグイベントといえば、
回診と、そのあとの(ながーい)カンファレンスです。。

そしてカンファの最後に実習生にはその日の感想を述べてもらってます


「D倉先生は患者さんととても良い信頼関係を築いているのが感じられた」

「I永先生は患者さんの一見関係なさそうな情報も上手に聞き出して診察に活かしていた」

「部長先生の全体を診るという診察方法に感激した」

など、主に外来での患者さんとのコミュニケーションや診察の姿勢に感心していた様子


部長先生からは、

でも全体だけじゃなくて局所も診てるんだよ。

診察には、鳥の目アリの目魚の目の3つが必要なんだよ」

とのありがたいお言葉を頂きました


鳥の目は、大空から全体を見るように、物事を大きくつかむマクロの視点

アリの目は、空からは見えない地面の上の細かな事象を発見するミクロの視点

魚の目は、魚が水流を感じるように、全体の流れをつかむこと


よーし、私も3つの目を持って頑張るぞ

ちなみにこの3つの目の話は、

医療だけではなく様々分野で参考にされている話のようです。

勉強や仕事で成功するコツとしても紹介されているので、

皆様もそれぞれのお仕事に応用されてみてはいかがでしょう

こんにちは

今回は,漢方独自の診察方法,「四診」(ししん)についてご紹介します

漢方では,病人の状態を判断して適切な処方を導くため,

大きく四つに分かれた診察方を用います。


①望診(ぼうしん)

望むという字の通り,顔色や,動作,皮膚の色など,視覚によって得られる情報を取り入れるのが,望診です。

特徴的なのは,舌の形や色や苔を見る「舌診」が含まれることです。


②聞診(ぶんしん)

患者さんの話し方や,呼吸音,腸の蠕動音など,から聞こえる情報と,

口臭,体臭,便臭など,からのにおいによる情報が含まれます。


③問診(もんしん)

患者さんから病歴や症状など様々なことを聞き出します。

漢方では聞く項目がとても多いので,初診の場合には問診表も用います。

④切診(せつしん)

直接手で触って診察します。手足の冷えが無いかということも触って確かめます。

特徴的なのは「脈診」「腹診」が含まれることです。


脈診は,橈骨動脈という血管に,人差し指・中指・薬指の3本を当てて診ます。

橈骨茎状突起という,親指側の骨のでっぱりくらいの位置に,中指が来ます。


うちの病院では片手ずつ診ますが,両手いっぺんに診るという見方もあります。

浅く抑えたときと強く抑えたときどちらがはっきり触れるか,

強さはどうか,大きさはどうか,伝わり方は滑らかか渋っているか,などを判断します。

腹診は,西洋医学の診察とは違い,膝を伸ばして寝てもらいます。

お腹全体の弾力,腹筋の緊張,お腹の張り具合,どこに圧痛があるか,

動脈の拍動を触れるか,などを判断します。


飯塚病院漢方診療科での全体的な診察の流れとしては,

患者さんが入室してきたときから顔色や動きなどをチェックし(望診),

病歴を聞きながら耳と鼻も駆使し(問診&聞診),

ベッドに横になってもらって足先の冷えを確認したり,

脈を見たりお腹を触って診察し,舌も見る(切診,望診)という感じです。


ベッドに横になってお腹を出すので,

女性はワンピースより上下セパレートになっている服の方がお勧めです

また足首が出せるように,タイツは避けたほうが楽です



四診は,身体の表面に現れているものから身体の中の状態を推測する,

五感を駆使した診察方なのです。

そしてしっかり患者さんに触れる漢方の診察方は,

安心感を与え気持ちが落ちつくという効果もあるようです。

人の温もりって,ほっとしませんか

患者さんに触れることで,私たち診察する側も癒されているのではないかと,

思う時があります