水毒で天気予報 | 飯塚病院 漢方診療科のブログ

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漢方診療科へようこそ♪

台風が通過したり,激しい夕立が降ったり,

すっきり晴れない日が続きました

今日の飯塚市も、空は雲に覆われています


雨が降る前,どんよりした雲が浮かんでいる日は,

漢方診療科はなんとなく,どんよりした空気が流れます。

なぜかというと,漢方診療科には,

雨降り前に体がだるくなる,雨雲レーダーのような先生がいるからであり,

それが他の誰でもない部長だからです

「はあ,体がだるい」と,

いつもよりほんのちょっと口数が少なくなり,

大好きなギャグを飛ばす元気もなくなるようです



このように,雨降り前に具合が悪い,頭が痛い,体がだるい重いなどの症状は,

漢方的には「水毒」(すいどく)の症状と考えます。


体を巡って生命活動を支える要素には,気・血・水(き・けつ・すい)の3つがあります。

水は,生体内を巡る無色の液体のことを指します。

水毒とは,水の過剰・停滞・異常分泌状態のことです。


水毒による,雨降り前の頭痛や倦怠感でよく使われる処方が,

「五苓散」(ごれいさん)です。

五苓散は水毒をさばくと言われている4つの生薬(茯苓・朮・沢瀉・猪苓)と,

気を巡らすと言われている桂枝で構成されています。


ちなみに,五苓散を使う上で大切な症状に,

・のどが渇く
・自然発汗の傾向がある
・尿が少ない

の3つが挙げられるのですが,

この応用で,夏ばてや二日酔いにも使ったりします



ちなみに,漢方診療科の雨雲レーダーさんは部長以外にも数人います

「ああ,今日は体が重いから降りますね」

「いや,今日はそんなに重くないから降らないと思いますが」

「早くザーッと降ってくれれば楽になるのに・・・」

なんて天気予報をしてくれるので便利です


そして、飲み会の翌日はみんなおそろいで水毒、

朝から五苓散を飲む光景が、あちらでもこちらでも・・・