医学ニュースの深層 -53ページ目

医学生理学賞で日本人有力 ノーベル賞、米会社予測

 米国の情報会社、トムソン・ロイターは24日、
論文の引用回数などに基づく独自のノーベル賞の有力候補者を発表、
日本人では医学生理学賞で元浜野生命科学研究財団小川脳機能研究所長の小川誠二氏(75)
(東北福祉大特任教授)が有力だとした。

 小川氏は、MRI(磁気共鳴画像装置)を利用し、

脳の活動を画像化する「fMRI」という方法の基本原理を発見した。

 同社によると、2002年から昨年までに、

候補者に選んだ92人のうち11人が実際にノーベル賞を受賞したという。

 ことしのノーベル賞は10月5日から各賞が発表される。



コメント:


 いつもMRIには、お世話になっております。


でも、ここの予想は、よくはずれます。


まるで、私の予想のように≧(´▽`)≦


 これは、生理・医学賞よりも、むしろ物理学賞じゃないのか?

・・・と「予想」してみる(笑)。

どんな天才でも・・・

どんな天才医師でも、自分の技量以上には患者さんを助けられない。

けれど、治療法の進歩は、それを可能にする。。。

と思う今日、この頃。

新型インフルで7歳男児死亡 滋賀で国内最年少、18人目

 滋賀県は22日、新型インフルエンザに感染した同県守山市の小学1年の男子児童(7)が21日にインフルエンザ脳症で死亡したと発表した。国内の死者は疑い例を含め18人目で最年少。厚生労働省によると、新型インフルエンザで脳症による死亡例は初めて。

 男児は原因不明の発熱を繰り返す周期性発熱症候群の既往歴があったが、県は「インフルエンザ脳症との因果関係は、現時点では分からない」としている。

 県によると、男児は19日朝から発熱。20日に40・6度の高熱となり、簡易検査でA型の陽性を示した。その後、吐き気やけいれんなどの症状が出たため、県内の病院の集中治療室(ICU)病棟に入院した。

 入院後は人工呼吸器を装着してタミフルを投与。別の病院の小児科病棟に転院し治療を続けていたが、21日夜に死亡した。

 21日に県衛生科学センターが実施した詳細(PCR)検査で新型インフルエンザの感染を確認した。

 国内では、17日に死亡した横浜市内の小6男児(12)がこれまでの最年少だった。この男児は気管支ぜんそくの既往症があった。(47 News)



 コメント:


 大変、残念な知らせだ。

ワクチン云々よりも、繰り返すが、治療薬の優先審査を急いで欲しい。

そして、あるいは、この件に関して、緊急時に、その新しい治療を行えるよう認めてもらいたい。


 民主党はじめ、与党の皆さん、100日もの間、あなた方の成果とやらをじっと待つほど余裕がありません。


 自民も民主も、あんまり変わらないなというのが、私の感想です。


新型インフルで滋賀の7歳重症 ICUで治療

 滋賀県は21日、同県守山市の小学1年の男子児童(7)が新型インフルエンザに感染し、一時集中治療室(ICU)で治療を受け、現在も人工呼吸器を装着していると発表した。

 県によると、男児は19日朝に発熱。20日に40・6度の高熱となり、簡易検査でA型の陽性を示した。吐き気やけいれんなどの症状がみられたためICU病棟に入院した。

 現在は別の病院の小児科病棟に転院、人工呼吸器を装着して治療を受けている。(47News)



コメント:


 好転してもらいたいものだ。

ここ数日で、全国的に、特に、こうした重症患者が増加している。

むろん、感染者数が増加しているからでもあるが。


 私は、治療の選択肢の整備に尽力します。



 すいません、というわけで、米国での仕事絵日記の掲載は、もうちょっと待っててください。




 


統合失調症、患者からiPS細胞 慶応・米大チーム、解明に活用

精神疾患の1つ統合失調症の患者から新型万能細胞(iPS細胞)を作ることに、慶応義塾大学の岡野栄之教授と米ジョンズ・ホプキンズ大学の沢明教授の研究チームが成功した。神経細胞に成長させて、発症原因の解明や、患者の遺伝子タイプと治療薬の効きやすさとの関連性などを調べる。

 19日に都内で開かれた特定非営利活動法人(NPO法人)日本せきずい基金主催の再生医療に関するシンポジウムで発表した。

 米国で統合失調症と診断された4人の皮膚の細胞をもとに、慶応大学がiPS細胞を作製。iPS細胞から神経のもとになる神経幹細胞にまで育てた。(日経新聞)



コメント:


 忙しいので、聞きにいけなかったけど。

こういう話題をしてたのか・・・。

 本当に難しいのは、ここからだが、1つでも有力な手がかりが掴めればいい。




新型インフルとがん患者、そしてワクチン

 新型インフルエンザ対策で、厚生労働省は18日、国内産のワクチンについては季節性のインフルエンザワクチンとの同時接種を認めることを決めた。医師が必要と判断した場合に認め、接種を受ける人は通院回数を減らせる。ただ輸入ワクチンは安全性の確認が不十分のため「当面の間、同時接種を差し控えることが望ましい」とした。同日開かれた政府の対策本部諮問委員会メンバーらとの意見交換会で示した。

 さらに意見交換会で、同省は優先接種の対象者とする9分類の基礎疾患(持病)を提示。具体的には、(1)慢性呼吸器疾患(ぜんそくなど)(2)慢性心疾患(3)慢性腎疾患(透析患者含む)(4)肝硬変(5)神経疾患・神経筋疾患(免疫異常や呼吸障害など)(6)血液疾患(7)糖尿病(8)疾患や治療に伴う免疫抑制状態(がん患者など)(9)脳性まひなど小児の疾患――とした。

 このうち特に優先して接種する患者の基準も示し、同省は「接種する医師の判断の目安にしてほしい」としている。(日本経済新聞)



コメント:


 まず、昨日の記事で書き、各所で述べていたことだが、「新型インフルのハイリスク群に「がん患者」を明記せよ」が取り入れられた。


 ワクチンですが、少なくとも、ハイリスクでない方は、無理してまで打つ必要はありません。ワクチンが大好きな専門家は、かなり煽ってますが(笑)。


 日常的に、基本的な予防策(手洗い、うがいの励行と、人ごみは必要以外はなるべく避ける)を各自が行うほうが、よっぽど効果的です。


 なんか、体調がおかしいなと思ったら、はやめに医療機関へ。

「最年少記録」は随時更新?!:新型インフルで12歳男児死亡 横浜、国内最年少

横浜市によると、新型インフルエンザに感染した同市内の市立小学校6年の男児(12)が17日、死亡した。気管支ぜんそくの既往症があったという。新型インフルエンザに感染した患者の死亡としては国内15例目。最年少で、未成年は初めて。

 男児は2日に39度の発熱や嘔吐(おうと)の症状を訴えて医療機関で受診。熱が下がらず、意識がもうろうとなったため、3日に再受診し入院した。その際、心臓の筋肉が炎症を起こす心筋炎と診断され、治療を受けていた。

 14日に横浜市衛生研究所の検査で新型インフルエンザと確認され、集中治療室(ICU)で治療を受けていたが、17日午後、頭蓋(ずがい)内出血で死亡した。心筋炎の治療を優先したため、治療薬タミフルなどは投与されなかったという。

 横浜市の担当者は17日の記者会見で「新型インフルエンザ感染と、死因となった頭蓋内出血に因果関係があるかどうかは、現時点では分からない」としている。

 厚生労働省によると、新型インフルエンザの感染は未成年に広がっており、12日までの1週間に臨時休校や学級閉鎖などの措置を取った小中学校、高校、幼稚園、保育園は前週の約2・8倍の約2100施設に上っている。

 15日までの1週間に入院した102人(速報値)のうち、19歳以下の未成年は約8割にあたる84人。一方、約3割が基礎疾患(持病)があるなど重症化のリスクが高い人だった。




コメント:


 これからも、報道では、このような、「不幸な最年少記録」が随時、更新されていくだろう。


 それにしても重症化リスクが高いとされる疾患群の中に、「がん患者」が明記されていないのは問題である。「インフル」の専門家で、どうも、これに気づいている人は少ないようだ。



 癌の治療及び研究に携わる専門家なら、季節インフルのときでさえ、「がん患者」がインフル感染で命を落とすことが結構あることは、わかっているが・・・。

 「がん患者」は、抗がん剤や、その他の治療で通常よりも免疫力が低下しているから、今回のような「第1波」でも、罹れば重症化するリスクは高い。


 ハイリスク群の中に「がん患者」(癌種を問わず)を明示すべきだ。










 




 






今やらねばならないこと;新型インフルの24歳死亡 国内最年少、基礎疾患なし

 沖縄県は15日、基礎疾患のない新型インフルエンザ患者の女性(24)=同県南風原町=が死亡したと発表した。厚生労働省によると、国内の死亡患者では最も若く、基礎疾患のない患者の死亡は大阪府の男性(45)に続き2例目。国内の死者は感染疑い例を含めて14人となった。

 県によると、女性の直接の死因は、くも膜下出血。女性は8月26日から発熱し、医療機関を受診して簡易キットでA型と診断された。治療薬リレンザを使ったが発熱は続き、呼吸困難も起きたため、同31日に再度受診。ウイルス性肺炎の発症が認められ、緊急入院した。

 その後、人工呼吸器などで集中治療を行ったが、症状は改善せず、15日午前11時すぎ死亡した。(47Nesw)



コメント:


 上記の報道によれば、この若い患者さんには、リレンザが投与されていたそうだが、経口投与ではなく、最近の記事で紹介したように、リレンザを「静注」していたら、どうだったか?


 紹介したケースでは劇的な効果をもたらした。

(そのLancet論文は、9月4日には閲覧可能)。


 むろん、すべてにあてはまらないが、投与方法の少しの変更で、そのような効果が現れるのは他の様々な疾患治療でも、そうである。


 ただし、今の時代、能書きに書かれてあること以外の方法(未承認の方法)を用いるには勇気がいる。でも、ほかに手立てがない緊急の場合、患者さん(あるいは家族が代わりになる場合はある)に、インフォームドコンセントをとって、同じクスリの投与法を変えるくらいは、許可してもいいのではないか?


 新型インフルのワクチンでは、これから、他の新薬ほどのきちんとした臨床試験を経ずに、いきなり膨大な「人体実験」(といっても過言でなかろう)が行われるではないか・・・。


 当然、野放しにしろとは言わない。ただ、新規の治療法について、ある程度しっかりしたデータ(まだ不十分だが)があるとき、現場に、柔軟な裁量を認めて欲しいなと。

山中・京大教授がラスカー賞受賞 再生医学へ道開く、日本人6人目

 米国で最も権威がある医学賞で、ノーベル賞の登竜門ともいわれる「ラスカー賞」の今年の受賞者に、
京都大の山中伸哉教授が選ばれた。米国のラスカー財団が14日発表した。

 日本人の受賞者としては、ノーベル生理学・医学賞を受賞した利根川進氏や昨年のラスカー臨床医学研究賞受賞者である遠藤章氏らに続き6人目となる。

 京都大によると、山中教授は新型万能細胞(iPS細胞)をつくり、難病の病態解明や細胞移植など再生医学への新たな道を開いたことが受賞理由という。



コメント:


 めでたい!


イチローの9年連続200本安打達成(メジャー新記録)と同じくらいだ。



 山中先生の今年か来年のラスカー受賞(基礎医学部門)は、実は4月1日の「京都人」氏のブログ・コメントで「予想」を書いておりました。


 私のこういう予想とインフルエンザ関連のものは、まず、当たります!


・・・全部、医学関連のみじゃないかという声が・・・。

まあ、ええじゃないか(笑)。


 ちなみに、ノーベル賞は、今年は、昨年のラスカー賞(臨床医学部門)受賞者の遠藤先生で行ってほしいな(高齢なもんで)。

 そして、あと、1年ないし、2年後くらいで、山中先生が受賞というのが、いろんな意味で理想。


 なお、ノーベル賞の受賞枠は部門別で毎年3人までです。


 その点、今回のラスカー賞では、山中、ガードンの2人。

もし、ノーベル賞のあと1枠というなら、iPS細胞を利用して癌の新しいメカニズムを解明したり、iPS細胞の癌化を防ぐ方法を見いだしたりする人かもよ。


・・・と予想しておきます≧(´▽`)≦






 









「英断」!・・・抗ウイルス薬の静注で新型インフルエンザの重症患者が回復



 新型(H1N1豚)インフルエンザに罹患して
生命の危機に瀕していた22歳の癌患者の女性が、
抗ウイルス薬ザナミビル(商品名:リレンザ)を
静脈注射(静注)するという例外的な治療方法に
よって完全に回復したとの報告が、
英医学誌「Lancet」オンライン版に9月4日掲載された。
リレンザは錠剤または吸入薬の形で認可されているが、
静注薬としては認可されていない。

 研究著者の一人である英ロンドン大学(UCL)病院の

Michael Kidd博士によると、今回の症例では、

消化器系の障害のため抗ウイルス薬オセルタミビル

(商品名:タミフル)を吸収できていない徴候があり、

粉状の吸入薬リレンザも多量の浸出液で

肺がひどい炎症を生じていたため、

十分に浸透していないと思われる状態であったという。

患者は集中治療室(ICU)に入って16日が経過しており、

肺に浸出液がたまってからは人工呼吸器を使用。

癌の化学療法により免疫系も著しく低下していた。

 経口でも吸入でも薬剤が肺に届かなかったことから、

Kidd氏らは病院および親族との協議のもと、

承認されていないリレンザの静注に踏み切った。

この治療が奏効し、女性は急速に回復に向かい、

体内のH1N1ウイルスが大幅に減少。

5日後には自力で呼吸できるようになり、

1週間余りでICUを出ることができた。

著者らによると、ウイルスの増殖が抑制された後に

炎症を鎮める目的で、

リレンザ静注と同時に副腎皮質ステロイドも投与したという。

 Kidd氏は、今回の奏効例から、

この秋冬の新型インフルエンザの重症患者に対する

リレンザの静注が今後広く受け入れられるようになることが

予測されると述べ、

この治療法が臨床現場へのプレッシャーを

緩和することにもなると付け加えている。

米国の専門家もこれに同意し、

今回極めてリスクの高かった患者を救ったことは

大きな業績であると述べている。

 米国疾病管理予防センター(CDC)では、

喘息、糖尿病、癌などの基礎疾患のある患者や

免疫システムに障害のある患者をH1N1ウイルス感染による

重症化リスクの高い患者と位置づけている。

Kidd氏によると、今回の患者に副作用は認められていない。

過去の臨床試験では、

リレンザ静注は高用量でも成人で優れた忍容性が

みられるほか、

生後6カ月以降の小児にも使用可能であるという。

腎疾患患者での用量調整の必要性や

妊婦での安全性が確立されていないなど、

いくつかの禁忌(きんき)に関わる問題はあるが、

妊婦も新型インフルエンザの高リスクグループとされており、

重篤な呼吸器疾患を来した場合、

リスクを上回る利益が期待できるとKidd氏は述べている。

(日経ネット)

コメント:

きわめて重要な報告です。

超一流誌であるLancetでの報告になりましたね。

 この治療方法なんですが・・・。

実は、私、今の「第1波」でこういうケースの場合、

「リレンザを静注したらいい」と、

欧州での会議の際に提案していたんです。

 なんせ、新型ウイルスは肺で増殖するのが特徴的ですから。

 なお、私は、この特徴を踏まえて緊急性が高い場合で、

もう1つ有効性が高いと

思われる治療法も言っておきました。

 皆さん「一考に値する。

ただ、これから条件を整備すべきだ」

という意見で一致しました。

 ・・・で、今回、英国の先生方が、

第1例の実施を英断されたわけです。

今の時代、「理屈」が良くても、

いろいろ手続きが煩雑なので、

大変だったと思うのですが。

ともあれ、成功して、よかったです。

 ・・・ただし、この成功例がありながら、

日本の医療機関でも同様の措置をとるか否かは、

まだ?なんですけれどね・・・。

「手続き」がネックでね・・・。