お付き合い頂きまして有難うございます。(。-人-。)
こちらはこんな感じの続きがイイ…というご要望からヒントを得て綴らせて頂きました。
少しでもお楽しみいただけたら嬉しいです♡
前のお話こちら↓
①ニヤリはっと …キョーコちゃんside
②相宿秒読み …社さんside
③親密な夜長 …蓮くんside
⑤真夜中の揺籃 …キョーコちゃんside
⑥尊敬人 …蓮くんside
⑦暗中飛躍 …キョーコちゃんside
⑧寄り添いめぐり<前編 ・中編 ・後編> …前・キョside/中後・蓮side
■ よたびの朝 ■
敦賀さんと社さんが荷物を置いていたホテルの一室。
思わぬ停電でその部屋に閉じ込められた私たちが東京に戻れたのはもちろんその翌日のこと。
敦賀さんは社さんと一緒に再びお仕事に向かって、私はといえば、新たに購入した一丁の包丁をお土産にだるまやに戻った。
「 キョーコちゃん、お帰り~。どうだったい?新潟は 」
「 はい、色々ありましたけど楽しかったです。あ、大将 」
「 おう 」
「 お預かりした包丁は砥ぎ職人さんが後日送付して下さるということでした。それでこれ、お土産です。大将の新たな相棒としてお仲間に加えて下さい 」
「 ……それは有難く受け取るが、お前、なんだその顔は 」
「 へ? 」
「 ひょっとしたら熱でもあんじゃねぇか? 」
「 え? 」
もしかしたら、昨夜、雨で濡れたあとに空調の効かない部屋で寝たのが原因かもしれない。
最上キョーコ、全然平気だと思っていたのにまさかの熱を出してしまいました……。
「 じゃあね、キョーコちゃん。ちゃんと大人しく寝ているんだよ 」
「 ふあ~い 」
熱がある、と気付いてしまったらやたらと頭がフラフラする気がして、昼間だというのにお布団に入った私は天井を見上げてからぐるりと一周、自分の部屋を見回した。
にっくきショータローを睨んだあと、敦賀さんのポスターを見つめていたら、壁と紙の隙間影がやたらと気になった。
それが黒い虫に見えてみたり、床に置き去りにしていたバッグが作る陰影の中で何かが息づいているような気がして、そんな変な想像をするなんて本当に熱が出ちゃったんだな、と思った。
「 いらっしゃーい 」
「 おかみさん、いつものー 」
「 あいよ 」
耳を澄ますと階下の活気が聞こえた。
たぶんいま沢山のお客さんが大将の料理に舌鼓を打っているに違いない。
昨日、敦賀さんに抱き締められながら眠りに落ちた事を思い出し、私は掛布団の端を一部丸めて布団をギュッと抱きしめた。
「 …あ、これなら眠れそ…… 」
そのままゆっくりウトウトし出して、夢も見ずに意識を落とす。
それからしばらくして敦賀さんの声が微かに聞こえて来たから、ようやく夢を見始めたのだと思った。
いま自分のおでこに手を乗せているのが敦賀さんだ…という夢を見ていた。
「 まだ熱があるみたいですね 」
「 そうなんだよ。ちょっと心配だよねぇ 」
「 ……はい 」
「 ……敦賀さん、手、気持ちいい…… 」
「 最上さん?ごめん、起きちゃったね。平気? 」
「 へいきじゃ…ないです。つるがさんが、そんな心配そうな声で、ここにいる…なんて…… 」
幸せ過ぎて、さらに熱が出ちゃいそう。
「 え?最上さん? 」
「 …熱が、出そ… 」
「 キョーコちゃん?さらに熱が出そうなのかい?どうしようか。もう少し氷を持って来ようか? 」
「 最上さん、俺にして欲しいこと、ある? 」
して欲しいこと?
いま私が敦賀さんにして欲しいこと、なんて
たった一つしか有りませんけど……
「 ――――――― また、添い寝をして下さい…… 」
「 …っ!! 」
「 はい?キョーコちゃん…まさか敦賀さんとキョーコちゃんって… 」
「 あの……いま聞いたことは一応、内緒にしてもらえます? 」
「 は…はは、ふふふ……。いいよ、いいよ、構わないよ!おやおや、そうだったのかい。どうりでねぇ~。
キョーコちゃん、やっぱり恋をしていたんだねぇ 」
「 すみませんが、この子の風邪が他の人にうつったらいけないので最上さんを移動させても良いですか? 」
「 うん、うん、そうだねぇ。キョーコちゃんもそれを望んでいるみたいだし。敦賀さんに添い寝をしてもらうならここじゃできないしねぇ。どうぞ、どうぞ 」
「 ありがとうございます 」
相当熱があるのが、頭がゆらりと大きく揺れた。
それから身体が軽くなり、同時に寒さを感じる。
肩が震えそうになったけど、それほどの間を置かずに私は温もりに包まれた。
おかみさんと敦賀さんの声が聞こえていた気がしたのに、そこに社さんも加わった。
ああ、いつものお二人だって、ちょっとだけ嬉しい気分になった。
「 蓮!お前、何してんだ 」
「 しっ!大声を出さないであげて下さい 」
「 キョーコちゃんがねぇ、敦賀さんの添い寝が欲しいって(笑) 」
「 添い寝?! 」
「 本当ですよ。本当にそう言ったんです。最上さん、もう一度言って。俺にして欲しいこと 」
やだ、なんだかちょっとだけ寒くなってきちゃった。
もしかしたら熱が上がって来たのかも。
「 さむい… 」
「 ごめんね。あと少し我慢してくれたら添い寝をしてあげるから 」
「 うん、嬉しい…… 」
「 …と、いうことです 」
「 言わせた感120% 」
「 でも証人は3人になったしねぇ。なによりキョーコちゃんがそれを望んでいるんだから、私としてはそれでいいと思うけどね。心配だけど、よろしくお願いするよ 」
それから、自分がどういう道を辿ったのかは判らない。
何しろ自分の記憶がないのだ。
だからもちろん叫びましたです。
翌日、敦賀さんのベッドですっきり目が覚めた四度の朝に。
E N D
これより完結に向かうべく、キョーコちゃんを素直にさせてみました。しかしこの流れは過去の蓮キョ愛で書いた事があるわ…。ワンパターンになっちゃった。
しかもまだ完結までの道のりが見えていないので、しばし紆余曲折するかと思います。
取り敢えず、次にお届けするのはこれのおまけになります。
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※おまけっぽいけど本編として届けます⇒「各自の思惑」
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