【勉強法を紹介3】司法試験のカリスマ塾長のやり方 | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

僕は、これまでに200冊以上の勉強本を読んできました。

作者さんが、勉強について何を語っているのか、紹介していきたいと思います。

今回は、伊藤真さんです。

 

●作者の紹介

作者の職業は、資格試験予備校「伊藤塾」の塾長です。

弁護士でもあります。

司法試験をはじめ、司法書士、行政書士等について、数多くの参考書や問題集を発刊しています。

出身大学は、東京大学です。

 

●勉強本の紹介

『夢をかなえる勉強法』、『記憶する技術』を読みました。

 

 

 

●勉強本に書いてあること

勉強本は数多く存在しますが、概ね、以下の3つのことが書いてあります。

 ①何を勉強するべきか(例えば、英語、行政書士)

 ②何のために勉強するべきか(例えば、大学入試、資格取得)

 ③どう勉強するべきか(例えば、時間管理、記憶、速読、モチベーション維持等)

これら3つのうち、作者が何を重視するかによって、勉強本の内容が異なってきます。

それでは、この作者が語っていることを説明したいと思います。

 

●何を勉強するべきか

作者は、何について勉強するべきか、進言しているわけではありません。

ただ、作者は、資格試験予備校「伊藤塾」の塾長であり、弁護士です。

このため、書籍のなかでは、司法試験について勉強しているときの話が紹介されています。

 

●何のために勉強するべきか

作者は、勉強する目的について、以下のように語っています。

 人生の夢をかなえるため

 

伊藤塾の生徒で、司法試験にチャレンジを続けている人がいたそうです。

その生徒は、5回受験しても、合格できませんでした。

もちろん、司法試験は超難関です。

合格できないのが普通です。

ただ、5回落ちても諦めないので、その生徒に対して、本当に弁護士になりたいのか質問したそうです。

すると、その生徒は、「親から勧められたので受験することを決めて、今は意地で勉強している。だから、弁護士になりたいわけではない。」と答えたそうです。

この受験生は、自分の夢がありませんでした。

そんな人が、意地だけで勉強しても、超難関試験には合格できないというわけです。

作者は、こうした経験があったからか、自分の授業初日、受験生にリアルな合格体験記を書いてもらっているそうです。

目標を実現した時のことを明確にイメージすることにより、今現在の自分を激励し、勉強に注力してもらうわけですね。

 

もちろん、資格試験に合格することが人生のゴールではないです。

でも、資格試験には合格しなければ、有資格者になれません。

まずは、有資格者になることを目標に掲げ、勉強する必要があります。

ただし、有資格者になることがゴールではありません。

有資格者になって、幸せな人生を送ることが最終的な目標です。

作者は、人が幸せになるためには、不安を取り除く必要があると言っています。

そして、勉強をすることによって、こうした根源的な不安から自由になれると説明しています。
なるほどですね。

 

●どう勉強するべきか

まず、『夢をかなえる勉強法』の目次を見てみます。

 第1章 いちばん大切なこと
 第2章 勉強のコツをマスターする
 第3章 挫折しそうになったときの対処法
 第4章 勉強すればするほど人は磨かれる
 第5章 夢をかなえる思考術

次に、『記憶する技術』の目次を見てみます。 第1章 学びにおける記憶のしくみ
 第2章 記憶するための具体的な方法
 第3章 日常生活で記憶力を伸ばすトレーニング
 第4章 記憶力がいい人、悪い人
 第5章 記憶力が人生を変える
これら2つ書籍に書いてあるノウハウを紹介します。


●記憶法について

試験に合格するためには、様々な情報を記憶する必要があります。

たくさんのことを記憶することで、たくさんの問題を解くことができるようになります。

作者は、五感を使って記憶することを推奨しています。

「目で見る」、「耳で聴く」、「口を動かした話す」、「手で触る」等、体のありったけの感覚を総動員して、情報を記憶するわけです。

具体的な記憶法として、セルフレクチャーという方法を勧めています。

これは、講義で聴いた内容を、後で、自分に対して自分が講義をするというものです。

講義を目で見て、耳で聴いた後、口を動かして話すわけですから、五感を使っています。

それから、誰かに説明を行うことで、理解が深まるります。、頭の整理をする上でも有効な方法です。

重要なのは、講義を受ける時点で、セルフレクチャーを行う前提で、話しを聴くことなのだそうです。

アウトプットを行うことを前提に、インプットをすることが重要なんですね。

これ以外では、架空のストーリーを作って、イメージする方法とかも紹介されています。

例えば、池谷裕二さんという名前を憶えたいとします。

この場合、「池」のある「谷」にむかって歩く「裕」福な「二」人の男性をイメージすると、記憶に残りやすいそうです。

ちなみに、池谷裕二さんは、脳科学者です。

こうした記憶法については、池谷さんも同じようなことを言っています。

伊藤さんの経験則は、脳科学的にも有効な方法です。

ちなみに、池谷さんが書いた勉強本については、 こちら をどうぞ。

 

●合格するためにやるべきこと

ここまで記憶法について述べてきました。

記憶力が良いことは、あらゆる資格試験において、大きなプラスになります。

しかしながら、司法試験については、記憶力が良いだけでは合格できないのだそうです。

記憶力だけで、なぜ合格できないか?

 

作者は曰く、試験には、二種類の問題があるそうです。

自分が知っている問題と、自分が知らない問題です。

これは当たり前の話のように見えますが、司法試験のような難関試験の場合、このことは極めて重要です。

多くの人は試験対策のため、過去問をたくさん解きます。

自分の知っている問題を増やします。

その上で、過去問に出題されたテーマについて勉強をします。

自分の知っている情報を増やします。

ところが、試験では、過去問と同じ問題は出題されません。

これまでに一度も出題されたことのないテーマを扱った問題が出題されます。

その場合、お手上げです。

もちろん、こうした新しいテーマに関する問題数は限られています。

過去問と同じテーマに関する問題の方が多いはずです。

しかしながら、司法試験は超難関試験です。

過去問と同じ問題は出題されません。

一見、テーマは同じように見えても、論点は違う問題が出題されます。

つまり、こういうことです。

 

試験では、自分の知っている問題と、自分の知らない問題が出題される。

自分の知らない問題にどう対処するかによって、合否が決まる。

 

こうしたことは、司法試験に限らったことではありません。

技術士試験、行政書士にも、同じようなことが言えます。

こうした試験は、事前に憶えたことを、試験本番で思い出すことによって、得点できる問題が多いです。

こうした問題を確実に得点する必要があります。

しかしながら、これだけでは他の受験生間で差がつきません。

試験には、その場で考える必要のある問題があります。

こうした問題を、完全に解けないまでも、部分点を取ることは可能です。

こうした問題で、得点することによって、他の受験生と差をつけることができます。

つまり、合格を手繰り寄せることができるわけです。


試験に合格するためには、思い出すだけではなく、考える必要があるわけです。

逆に言えば、考える力が身に付く勉強法が必要になるわけです。

 

作者は、考える力を身に付けるため、以下のことを推奨しています。

①全体を俯瞰して理解する

=まずは、全体の流れをつかむ。全体のなかの部分を意識する。例えば、読書の際、目次をコピーして、目次を見ながら本を読んでいく。

②問題を予想して準備する

=過去問等を解いた後に、出題させそうな論点を探し、予想問題を作って勉強する

③量をこなすことによって、質に昇華する

=過去問を繰り返し解いた上で、他の問題を解いて、問題を解く力を身に付ける

 

これらのことをやっている、受験生はいると思います。

しかしながら、基本点には、自分の知っている問題を増やすための努力です。

自分の知らない問題に対処することを想定していません。

考える力を身に付けるために、こうした勉強をやっている人は少ないと思います。

考える力を意識することで、大きな差が出ます。

これは大切なことですね。

 

●挫折しそうになった時の対処法について

勉強しているとスランプにぶつかります。

モチベーションを維持できなくなり、挫折しそうになります。

作者は、こうした時にやるべきことを示しています。

以下の通りです。

①頭にあることを目に見える形で顕在化する (例えば、不安要素を紙に書き出す)

②「やればできる」と繰り返し言う(自己催眠のような効果が期待できる)

③ご褒美を用意しておく(勉強後の褒美、試験に合格した際の褒美等)

④夢に関するノートを作る(目標を明確にして、常に意識する)

 

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