【R2技術士予想問題と解答例】クリプト対策 | 新見一郎

新見一郎

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

【問題2

地表水を水源とする急速ろ過方式の浄水場において、現有施設の改良によりクリプトスポリジウム等対策を講じる方法を複数列記し、それぞれ実施時の留意点を述べよ。

 

 

【解答例】

1 クリプトスポリジウム等対策(これ以降「クリプト対策」と略す)

地表水を水源とする浄水場のクリプト対策としては、①ろ過設備の整備してろ過水濁度を0.1度以下に維持、②ろ過設備と紫外線処理の整備、③汚染の恐れのない水源に変更、④クリプト対策を実施済みの浄水場への統廃合がある。現存する急速ろ過処理の浄水場を改良する場合、「ろ過水濁度を0.1度以下に維持」と「紫外線処理の整備」が有効である。

 

2 ろ過水濁度を0.1度以下に維持する際の留意点

 急速ろ過池の洗浄時、逆流洗浄終了時のスローダウン、ろ過再開時のスロースタートを実施する。ただし、流入・流出サイフォンやバルブ類の改良が必要になる。このため、当面は、ろ過速度の急速な変化を回避し、取水量の段階的な変更調整を行う。また、適正な量の凝集剤、pH調整液等を注入し、凝集の適正化を図る。マッドボール、砂層厚の不均等がブレークスルーの原因になることから、表面洗浄の適正化、ろ過砂の補砂等を実施する。

 

3 紫外線処理の留意点

 クリプトスポリジウム等を99.9%以上不活化できる紫外線処理設備をろ過池の二次側に設置する。紫外線ランプは10mJ/cm2を照射でき、ろ過水の全量に照射できるよう適切に配置する。ランプスリーブ等を洗浄できる機構を設ける。また、紫外線強度計と濁度計を設置し、紫外線照射状況とろ過水濁度を常時監視できる体制を整える。

 

【当該テーマについて上記以外で勉強するべき事柄】

・地下水を水源とする浄水場のクリプトスポリジウム等対策

・紫外線処理設備の設置

 

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