【R2技術士予想問題と解答例】高度処理 | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

【問題1

生物活性炭処理とオゾン処理を組み合わせた高度浄水処理について、導入による効果と導入時の留意点を述べよ。

 

 

【解答例】

1 導入による効果

生物活性炭処理は、粒状活性炭内に微生物を生息させることで水処理を行う。粒状活性炭の吸着力により、微細な物質を除去するとともに、活性炭内に生息した微生物により有機物の処理が可能である。オゾン処理は、強力な酸化力を利用して水処理を行う。

生物活性炭処理とオゾン処理を組み合わせた高度浄水処理を導入する効果としては、2MIB等の異臭味物質、有機塩素化合物、トリハロメタン前駆物質、色度、マンガン、鉄等の除去が可能である。また、生物活性炭処理は活性炭の延命化を図ることができる。

 

2 導入時の留意点

オゾンは、注入に伴い臭素酸等を生成するため、後段に粒状活性炭処理を設け、生成物を除去することが水道法で義務付けられている。また、オゾンの過剰注入や漏洩を防止するため、オゾン濃度計による常時監視(発生オゾン、排オゾン、環境オゾン)、オゾン処理施設の密閉性と耐食性を確保する必要がある。

活性炭内の微生物は、前段で塩素注入を行うと死滅するため、活性炭処理の後段で消毒処理を行う。粒状活性炭は使用に伴い吸着力が低下するため、定期的に洗浄を行った上で、必要に応じて活性炭の再生・交換を実施する。この際の能力低下を踏まえた予備力を設ける必要がある。また、高度浄水処理の導入に当たったは、実験プラントで検証を行った上で、現在だけではなく将来の水源水質に対しても最適な方法を選択するべきである。

 

【当該テーマについて上記以外で勉強するべき事柄】

・水道水の異臭味対策

・処理対象物質に配慮した高度浄水処理の組み合わせ

・粉末活性炭と粒状活性炭の違い

 

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