本日、ご紹介する本はこちら。
「未来の年表」
この本には、人口減少社会が到来することにより生じる問題について書いてあります。
●将来、何が起こるのか?
日本の人口は減少しています。
2017年の1億2653万人をピークに、これ以降、減少し続けています。
「国立社会保障・人口問題研究所」によれば、50年後には約8800万人、100年後には約5000万人に減少するそうです。
この本では、このことを踏まえ、今後、日本で何が起こるのか述べています。
この本が問題にしているのは、人口が減少することではなく、高齢者が増大することです。
高齢者の人口は、2015年時点で3,380万人です。
高齢者とは、65歳以上の方です。2015年時点で、日本は4人に1人が高齢者なんです。
高齢者の内訳ですが、65〜74歳が1,750万人、75歳以上は1,630万人です。
医療、ICT、食生活のレベル向上で、多くの日本人が74歳まで働くことが可能になるでしょう。
しかし、75歳以上となると、流石に難しいです。
運転免許でも、75歳以上になると、認知症検査を行うことになっています。
死ぬまで働くというのは難しいようです。
2015年時点で、65〜74歳が1,750万人、75歳以上は1,630万人ですが、10年後の2025年には、65〜74歳が1,500万人、75歳以上は2,180万人になります。
65〜74歳の方が年を重ねることで、75歳以上の人口が増加していきます。
作者は、このことを「高齢者の高齢化」と呼んでいます。
先程、75歳以上となると働くのが難しくなると説明しました。
定年延長で60〜65歳の方が働き、再雇用65〜74歳の方が働いたとしても、働き手は減少します。
労働者不足
これが最初に顕在化します。
それから、2015年現在、最も人口が多い世代は何歳でしょか?
下図は総務省のHPに掲載されていた日本の人口ピラミッドです。
実は、2015年時点で日本で最も多い年齢は66歳なんです。
1949年前後に生まれた人が多いわけです。
それから、高齢者は女性が多いのがわかります。
女性の平気寿命は87歳くらいです。
そして、1949年に生まれた方は、2036年に87歳を迎えます。
全ての方が健康であるとは言い難い。作者は、次のようなことが発生すると予想しています。
・介護医療施設の不足
・輸血用血液の不足
・火葬場の不足
・空き家の増加
さらに、2045年には、高齢者の人口はピークを迎えます。
そして、2065年には、高齢者の人口は3,380万人に減少します。
2015年と2065年の高齢者人口は、偶然にも同じなんです。
しかし、その内訳は大きく異なります。
65〜74歳が1,130万人、75歳以上は2,250万人になります。
75歳以上の人口は、65〜74歳の倍になるわけです。
この時、日本の総人口は8,800万人です。
つまり、8人中3人が高齢者で、このうち75歳以上の方が2人いる時代が到来するわけです。
高齢者をサポートすることが困難な時代が到来します。
特に、地方よりも、東京で大きな問題になるそうです。
地方は過疎化が問題になりますが、東京は必要施設の不足が大きな問題になります。
なぜなら、東京は、その利便性から、若者だけではなく単身高齢者の人口流入が増加傾向にあります。
ところが、東京は、高齢者向けにデザインされておらず、高齢者の増大により、介護施設、医療機関、病床の不足等の問題が発生するのだそうです。
このため、東京オリンピックで湧き上がっていますが、早い段階で、東京一極集中を回避して、地方分散にシフトすることが不可欠になるわけです。
●では、どうすればいいのか
繰り返しになりますが、この本が問題にしているのは、人口が減少することではなく、高齢者が増大することです。
人口が減少したとしても、成熟したバランスのとれた国になることは可能なのだそうです。
作者は、次のことを提案しています。
戦略的に縮む
具体的には、以下のようなことを言っています。
・24時間社会からの脱却
・非居住エリアの明確化
・都道府県の飛び地での合併
・70代による労働推進
なるほどですね。
この本が出版されて2年半が経過しています。
あの時の未来が近づいてきています。
いろいろと考え、対策を講じる必要があるようです。
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること (講談社現代新書)
821円
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