R1技術士試験の解答例(④沈殿池) | 技術士を目指す人の会

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2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

令和元年度の技術士二次試験の解答例を作成しました。

上水道及び工業用水道の選択科目Ⅱ-1は,4問の中から1問を選んで解答するものです。

今回は選択科目Ⅱ-1-2です。

 

【問題】

-1-2 凝集沈澱池(横流式)の処理の仕組みと運転における複数の留意点を述べよ。

(答案用紙1枚以内)

 

 

【解答例】

1 横流式沈澱池の処理の仕組み

横流式沈澱池は、後段のろ過処理を適正に行うため、凝集処理で成長したフロックを重力沈降作用により除去する水処理システムである。

施設は、コンクリート構造物、傾斜板、掻き寄せ機、排泥弁で構成される。傾斜板は、表面積を増やすことにより、表面負荷率を低下させ、沈降作用を効率化する。かき寄せ機は、沈澱池の底面に堆積したスラッジをピット内にかき集める。排泥弁は、ピット内に堆積したスラッジを引き抜き、排除する。

 

2 横流式沈澱池の運転上の留意点

(1)キャリーオーバー対策

原水が高濁度時、凝集剤の注入不良時、清掃・点検・工事により稼働沈澱池が減少時、フロックの形成が不十分になり、キャリーオーバーが発生する。こうした事態を回避するためには、系統毎に沈澱池への流入量に常時監視し、流入量を調整する。また、継続的に発生する場合は傾斜板の整備や沈澱池の増設を検討する。

(2)スラッジの排除

 沈降したスラッジの再浮上を防止するため、ピット内の電極や界面計により堆積量を把握し、堆積したスラッジを排泥弁操作により排除する。

(3)保守・点検

傾斜板の破損による偏流・短絡流、コンクリート構造物の劣化によるクラックや漏水を早期発見、早期補修を行うため、定期的な点検を行う。また、沈澱池の内面の状況確認を行うため、概ね5年周期で清掃と内面点検を実施し、適宜、補修を行う。

 

 

【解説】

横流式の凝集沈澱池は、沈澱池のみを指しいて、薬品注入設備、混和池、フロック形成池は含まれないです。

というわけで、これは沈澱池に関する問題です。

キャリーオーバーの予防やスラッジの排除が解答のポイントになります。

このテーマについては、H21-A2に沈澱池の表面負荷率、H22-C3に沈澱池のキャリーオーバー対策、H28-A1に傾斜板が出題されています。

 

 

 

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