H31技術士合格法(6.3:極めて重要なテーマ) | 技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

(4)極めて重要なテーマ

「出題頻度」と「話題性」の2条件でのマトリックスによって、「極めて重要なテーマ」を抽出することができます。

 

●出題頻度の把握

出題頻度は、過去問を整理すれば把握することができます。

10〜15年分の出題頻度を調査して、ベスト5ぐらいを把握することをお勧めします。

出題頻度が高いということは、重要であることを意味するわけですから、これらのテーマは何らかの勉強する必要があります。

例えば、上下水道部門の水道科目について、H21〜H30年度までの10年間の過去問を集計して、出題頻度が高いテーマを調査しました。管路は出題率が高いです。トータルで15回、管路(設計)と管路(維持管理)に分けても高い出題率になっています。このため、管路については、必ず、勉強をしておくべきです。また、設備についても、出題率が高いです。技術士には、上下水道部門とは別個に機械部門、電気部門が存在するため、水道で設備の問題を取り扱う必要がなかったのかもしれませんが、近年では、出題傾向が高まっているようです。 高度浄水処理、水質管理(全体)も出題率が高いです。これらのテーマは、水循環に関するテーマでもあり、上下水道全体のテーマで、今後の必須科目対策としても、勉強するべきテーマです。それから、更新についても高い出題率になっています。高度成長期に整備したインフラの老朽化は社会的な問題になっています。今後も診断、更新、長寿命化、アセットマネジメントについて、出題される可能性は高いです。

 

●話題性の把握

話題性の高いテーマは今日的なテーマです。過去問を集計・整理しただけでは、話題性の高いテーマをクローズアップできません。

では、どうやって話題性の高いテーマを抽出するのでしょうか。

一般に、話題性について調査するためには、業界紙、新聞等の媒体により調査するものです。

これらには最新の技術が掲載されています。

これらの媒体から情報収集することも重要です。

でも、もっと確実な方法があります。

そもそもですが、技術士は国家資格です。

国が威厳と責任をもって試験を行うわけですから、研究段階、普及途上の最新技術ではなく、国が認定した最新技術を取り扱うことが前提になります。

 

つまり、話題性の高いテーマとは、技術士の専門分野に係る国家組織が通知・報告したことを見れば、自ずと見えてきます。

 

例えば、水道分野については、当然、厚生労働省水道課の通知・報告が重要になります。これまでに10年以上、試験問題の出題傾向を研究してきましたが、厚生労働省水道課のホームページのうち、「通知・事務連絡」と「報告書・手引き等」で取り扱われたテーマから出題されたケースが多いです。これらが重要であることは間違いありません。このため、厚生労働省水道課のホームページ(以下のアドレス)をチェックして、どのような「通知・事務連絡」と「報告書・手引き等」が行われているか確認してみましょう。

 

 

H30年以降、「通知・事務連絡」、「報告書・手引き等」で取り上げられたテーマは、下表のとおりです。これをまとめると、H31年度の試験では、災害対策、給水装置、管理(委託化、広域化等)、水質管理(全体)、管路が話題性の高いテーマになるわけです。特に、災害対策は3回も出現しているので、確実に勉強をしておくべきです。

 

●極めて重要なテーマの決定

水道の筆記試験の出題テーマについて、出題頻度と話題性によってマトリックスを作ると下図のようになります。

出題頻度と話題性の両方が高い「極めて重要」なテーマは、マトリックスの右上欄のテーマです。

H31年度は、①水質管理(全体)、②管路(設計)、③更新が該当します。

この3つのテーマは確実に勉強をしておいてください。

厚生労働省水道課の通知・事務連絡を確認することはもちろんですが、設計指針、過去問を理解して、予想問題を2~4問くらい作って、しっかり解答を作成しておくべきです。

出題頻度、話題性のいずれかが高い「重要」なテーマは、マトリックスの左上欄と右下欄のテーマです。

H31年度は、④設備、⑤管路(維持管理)、⑥高度処理、⑦災害対策、⑧給水装置、⑨管理が該当します。

これらについても、勉強をするべきです。予想問題を1~2問くらい作って、解答を作成しておくべきです。

マトリックスでは左下の部分は「重要ではない」です。極めて重要、重要について勉強して、時間があれば、解答を作ればいいでしょう。

 

 

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