「マネジメント」
これは、文科省技術士分科会が提唱した「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」の一つです。
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ところで、「マネジメント」とはどういう意味なんでしょうか?
辞書で引くとマネジメントは以下の意味になっています。
管理する
例えば、アセットマネジメントは資産管理です。リスクマネジメントは危機管理。マネージャーは管理職です。
望ましい状態にする行為をマネジメントと呼んでいるわけです。
ちなみに、ドラッガーは、マネジメントの役割は3つあると説明しています。
①組織の使命を果たす
②社会的責任を果たす
③働く人をいかす
望ましい状態とは、組織の使命を果たすことです。利益の追求であり、顧客満足を得ることです。
その一方で、こうした行為により、社会的責任、つまり、公共の福祉が損なわれないようにすることです。
これらのために必要な行動がマネジメントです。
また、望ましい状態にするための資源が、人材であり、これを活かすのがマネジメントです。
それでは、「技術士に求められる資質能力」では、マネジメントについて以下のように説明されています。
業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。
マネジメントとは、以下の意味になります。
要求事項を満たすために資源を配分すること
まず、マネジメントの対象ですが、4つの過程にスポットが当てられています。
「過程」とは、
①計画、②実行、③検証、④是正(変更)等 です。
計画、実行、検証、是正の4段階になっていますが、これはPDCAサイクルを意味します。
これらPDCAの各段階において、要求事項を満足させる必要があります。
つまり、技術士の仕事はPDCAサイクルが前提になっているわけです。
このため、技術士試験において「PDCAサイクル」は重要なキーワードになります。
次に、要求事項ですが、2つあります。
1つ目は、目標に関するものです。
①品質、②コスト、③納期・生産性、④リスク対応 です。
品質、コスト、納期、生産性は当然です。最後にリスク対応とあります。
つまり、業務には必ずリスクが存在することを意味します。
2つ目は、成果物(製品、施設、システム、検討結果等)に関するものです。
①必要性、②機能性、③技術的実現性、④安全性、⑤経済性 です。
これら必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性は、「問題解決」でも出てきました。
つまり、これらはトレードオフの関係にあります。
そして、これら要求事項を満たすため、配分するべき資源について書いてあります。
「資源」とは、
①人員、②設備、③金銭、④情報等 です。
これらをまとめると、
マネジメントとは、品質、コスト、納期等の目標を達成するため、人・モノ・金・情報を適切に配分することであり、その際に発生するトレードオフの問題も対処する。
使える資源が無尽蔵ではありません。限られた資源を配分して、業務を遂行するため、トレードオフの問題は発生します。
つまり、技術士の業務は、トレードオフというリスクが伴い、それに適切に対処する必要があるわけです。
技術士試験においても重要ですが、エンジニアとして生きていくうえでも重要なことでさね。
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