技術士に求められる資質能力(③マネジメント) | 技術士を目指す人の会

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勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

「マネジメント

 

これは、文科省技術士分科会が提唱した「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」の一つです。

「技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)」にご覧になりたい方は、こちら をクリックしてください。

 

 

ところで、「マネジメント」とはどういう意味なんでしょうか?

 

辞書で引くとマネジメントは以下の意味になっています。

 管理する

 

例えば、アセットマネジメントは資産管理です。リスクマネジメントは危機管理。マネージャーは管理職です。

望ましい状態にする行為をマネジメントと呼んでいるわけです。

 

ちなみに、ドラッガーは、マネジメントの役割は3つあると説明しています。

 ①組織の使命を果たす

 ②社会的責任を果たす

 ③働く人をいかす

 

望ましい状態とは、組織の使命を果たすことです。利益の追求であり、顧客満足を得ることです。

その一方で、こうした行為により、社会的責任、つまり、公共の福祉が損なわれないようにすることです。

これらのために必要な行動がマネジメントです。

また、望ましい状態にするための資源が、人材であり、これを活かすのがマネジメントです。

 

それでは、「技術士に求められる資質能力」では、マネジメントについて以下のように説明されています。

 

業務の計画・実行・検証・是正(変更)等の過程において、品質、コスト、納期及び生産性とリスク対応に関する要求事項、又は成果物(製品、システム、施設、プロジェクト、サービス等)に係る要求事項の特性(必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性等)を満たすことを目的として、人員・設備・金銭・情報等の資源を配分すること。

 

マネジメントとは、以下の意味になります。

 要求事項を満たすために資源を配分すること

 

まず、マネジメントの対象ですが、4つの過程にスポットが当てられています。

「過程」とは、

  ①計画、②実行、③検証、④是正(変更)等 です。

 

計画、実行、検証、是正の4段階になっていますが、これはPDCAサイクルを意味します。

これらPDCAの各段階において、要求事項を満足させる必要があります。


つまり、技術士の仕事はPDCAサイクルが前提になっているわけです。


このため、技術士試験において「PDCAサイクル」は重要なキーワードになります。

 

次に、要求事項ですが、2つあります。

1つ目は、目標に関するものです。

  ①品質、②コスト、③納期・生産性、④リスク対応 です。

 

品質、コスト、納期、生産性は当然です。最後にリスク対応とあります。

つまり、業務には必ずリスクが存在することを意味します。

 

2つ目は、成果物(製品、施設、システム、検討結果等)に関するものです。

   ①必要性、②機能性、③技術的実現性、④安全性、⑤経済性 です。

これら必要性、機能性、技術的実現性、安全性、経済性は、「問題解決」でも出てきました。

つまり、これらはトレードオフの関係にあります。

 

そして、これら要求事項を満たすため、配分するべき資源について書いてあります。

 「資源」とは、

  ①人員、②設備、③金銭、④情報等 です。

 

これらをまとめると、

マネジメントとは、品質、コスト、納期等の目標を達成するため、人・モノ・金・情報を適切に配分することであり、その際に発生するトレードオフの問題も対処する。

 

使える資源が無尽蔵ではありません。限られた資源を配分して、業務を遂行するため、トレードオフの問題は発生します。


つまり、技術士の業務は、トレードオフというリスクが伴い、それに適切に対処する必要があるわけです。

 

技術士試験においても重要ですが、エンジニアとして生きていくうえでも重要なことでさね。

 

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